【コア部隊】(こあぶたい)
陸上自衛隊の組織の一つで、平時の充足率を定員の20%に抑えた部隊。
現在の陸上自衛隊は、組織全体が常態的に定員割れとなっている。
この状況下で人員を均等に割り振ると、多数の部隊が戦力弱体化・機能不全を引き起こす危険性がある。
かといって、重要な部隊の充足率を優先させると「紙面上にしか存在しない、実働不能の幽霊部隊」が生まれてしまうというトレードオフの関係が成立する。
後者の決断を前提に、あえて作られた「全く機能しない部隊」がコア部隊である。
平時のコア部隊には、部隊の中核となる幹部・陸曹のみが配置されており、毎年招集されてくる即応予備自衛官の訓練などを担当する。
有事の際には招集された予備自衛官を集中的に配属させ、これによって一時的に定員を満たして活動する。
コア部隊と方面混成団
当初、コア部隊は第一線の師団・旅団の隷下に置かれていた。
しかし、全く機能しない部隊を常に抱えておくのは管理コスト上無用な負担を伴う。
このため、近年ではコア部隊の運用を効率化・合理化するために以下の改編が順次進められている。
現在、各方面隊にはそれぞれ方面混成団が1つずつ編成され、普通科1~2個連隊相当のコア部隊が組み込まれている。
なお、方面混成団は平時にコア部隊を運用し、訓練任務などを実施する部隊でもある。
よって、予備自衛官や自衛官候補生などの教育部隊も方面混成団に組み込まれる。
主なコア部隊
ここでは連隊規模の部隊のうち、全体がコア部隊であるものを記す。
コア部隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/12 06:38 UTC 版)
コア部隊(こあぶたい)とは、陸上自衛隊の部隊編成上、教育訓練を主体とする部隊の事を指し、即応予備自衛官制度が発足するまでは各連隊や大隊等に新隊員等教育を担当する教育隊を位置づける観点から編成されていた。現在、広域には即応予備自衛官を主体とする部隊のことを指している。コアの意であるが、師団・旅団(作戦基本部隊)の主戦力を意味するものではなく、平時は指揮官及び幕僚機能といった、運用上最小限の組織(すなわち「核」)を有する部隊のことである。コア部隊の2割が常備自衛官で残りの8割が教育を受ける隊員・即応予備自衛官で構成される。
- ^ 「24年度重要施策を見る(2)陸上自衛隊」(朝雲新聞web・リンク切れ)
- ^ 2012年9月・防衛省報道資料(民主党政権下で公開された資料)
- ^ a b 平成25年度概算要求の概要(防衛省報道資料・2013年5月16日掲載)
- ^ 但し現在訓練を行っている部隊を改編し連隊・中隊等を新編したことにより、定数減は必要最小限と目される。
- ^ 第7師団改編と第1戦車群廃止 防衛省が来年度予算の概算要求に盛り込む(苫小牧民報社、2012/9/10、9/12閲覧)
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