ケブラー
2個の芳香族環がアミド結合(NHCO)で結ばれた構造をもつアラミド(芳香族ポリアミドの一般名称)繊維のこと。アメリカ・デュポン社の商品名。鋼並みの1mm2当たり280kgの高強度をもち、高弾性で、強靭性、高耐熱性の優れた高分子繊維である。産業用資材を中心に、(1)強化繊維としてプラスチックを補強し(FRP、FRTPなど)、ブレーキの摩擦材、スキー板など、(2)ゴムの補強材としてタイヤ、タイミングベルト、CVT(無段変速機)用ベルト、ホース類など、(3)この繊維自身を使ったロープ、ケーブル、防護服、作業手袋、などに使用されている。
ケブラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 07:37 UTC 版)
ケブラー (Kevlar) とはアラミドの登録商標である。1965年に化学者でデュポン社に勤めていたステファニー・クオレクによって発明された。1970年代初期に商業的に使用され始めた。
- ^ “LP Galaxy Fiberglass Fausto Cueves III Sig. Bongo”. モリダイラ楽器. 2022年1月13日閲覧。
- ^ “LP® Galaxy® Fiberglass Bongos”. Latin Percussion. 2022年1月13日閲覧。
- 1 ケブラーとは
- 2 ケブラーの概要
ケブラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 02:29 UTC 版)
「ステファニー・クオレク」の記事における「ケブラー」の解説
クオレクはデュポンに勤務している間にケブラーを発明した。1964年に彼女の研究グループはガソリン不足を見越してタイヤに使う軽量かつ強靭な繊維を探していた。その時に彼女が取り組んでいたポリマー(高分子化合物)はポリパラフェニレンテレフタラートとポリベンズアミドで、それらは溶融状態で液晶を形成し、その状態で200℃以上にしてメルトスピニング法にかけると、より弱く硬さを欠いた繊維が生成された。彼女の新しいプロジェクト独自の技術と溶融・凝結の重合反応プロセスは、その温度を0℃から40℃の間まで切り下げるものだった。 彼女が後に1999年のスピーチで語ったところでは、 その溶液は風変わりで(低粘度)、汚濁し、かき混ぜたオパール色の、バターミルク状の外観をしていました。従来のポリマー溶液は通常、澄んだ半透明で、糖液の粘性を多少なりとも持ちます。私が作った溶液は濁ってはいましたが、細かい小孔のフィルタで完全に濾過できるものでした。これは液状の結晶体からなる溶液だったわけですが、私はこの時点ではそうだと分かっていませんでした。 この種の濁った溶液は通常は捨てられてしまう。しかしクオレクは、スピナレット(英語版)(紡糸口金)を操作する技師の Charles Smullen を説得し、彼女の溶液を試させた。そして、ナイロンが概して壊れるような状況にもあってもその繊維が壊れないことに彼女は驚いた。ナイロンより強いどころか、ケブラーは重量あたりにして鉄の5倍の強度があった。彼女の上司と研究所長はいずれも彼女の発見の重要さを理解し、高分子化学の新分野がたちまち立ち上がった。1971年には、いま見られるようなケブラーが姿を現した。クオレクはこの繊維を熱処理することでさらに強度を高められることを知った。棒状をしたこの重合体分子は極めて志向性が高く、これがケブラーに並外れた強度を授けた。クオレクは脂肪族と塩素族を含んだサーモトロピックなケブラーの研究を続けた。
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