グレービーシマウマとは? わかりやすく解説

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グレビーシマウマ

(グレービーシマウマ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 04:33 UTC 版)

グレビーシマウマ
グレビーシマウマ Equus grevyi
保全状況評価[a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウマ目 Perissodactyla
: ウマ科 Equidae
: ウマ属 Equus
亜属 : シマウマ亜属 Hippotigris
: グレビーシマウマ E. grevyi
学名
Equus grevyi Oustalet, 1882
和名
グレビーシマウマ
英名
Grevy's zebra

グレビーシマウマEquus grevyi)は、哺乳綱ウマ目(奇蹄目)ウマ科ウマ属に分類される種。名前はフランスの元大統領ジュール・グレヴィーにちなむ[1]

分布

エチオピア南部、ケニア北部[2][3]

絶滅した分布域

ジブチスーダンソマリア[3]

形態

体長240-300センチメートル[2][3]。肩高140-160センチメートル[3]体重350-450キログラム[3]。頭部や頸部は長い[2]。全身は白い体毛で覆われ、背面には黒く細かい縞模様が入る[2][3]。腹面に縞模様は入らない[2][3]

耳介は大型で幅広く、丸みを帯びる[2]。耳介の先端が白い[3]。耳介の内側には体毛が密生する[2]

生態

グレビーシマウマの群れ

サバンナや半砂漠地帯に生息する[2][3]薄明薄暮性で、昼間は木陰などで休む[2]。1頭のオスとメスや幼獣からなる10頭前後の小規模な群れを形成し生活する[2]。オスは縄張りを形成する[3]

食性は植物食で、主にを食べる[3]。基本的に毎日水を飲むが、2-5日は水を飲まなくても生きられる[2]。嗅覚で水脈を探し、干上がった川底を掘りかえることもある[2]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は390-428日[2][3]。周年繁殖し、1回に1頭の幼獣を産む[2][3]。幼獣は生後10分ほどで立ち上がり、生後45分ほどで走行できるようになる[2]。 授乳期間は6か月[2]。飼育下では生後2年6か月で性成熟した例がある[2]。寿命は18-30年と考えられている[2][3]

人間との関係

グレビーシマウマは欧州人が発見した初めてのシマウマであり、古代ローマサーカスで展示されていた[1]。しかしながらその後17世紀ショア(現エチオピア中部)の王からオスマン帝国スルターンジャカルタオランダ総督に贈られるまで、西洋社会からは1000年以上忘れさられていた[1]。1882年にフランス大統領ジュール・グレヴィーに贈られた1頭を、フランスの動物学者アルフォンス・ミルン=エドワーズ英語版が調査した結果、アフリカ南部のシマウマとは別種であると認められ、大統領にちなみグレビーシマウマ(仏:Zèbre de Grévy)と命名された[1]

皮は革製品に利用されることもあった[2][3]

開発による生息地の破壊や水資源の枯渇、食用や毛皮目的の乱獲、家畜との競合、観光客による繁殖の妨害などにより生息数が激減している[2][3]。生息地では本種の狩猟は禁止されているが、密猟されることもある[2]。ケニアでの1977年における生息数は13,700頭、1988年における生息数は4,276頭と推定されている[2]。ソマリアでは1973年以降の目撃例が無いため絶滅したと考えられている[2][3]

参考文献

  1. ^ a b c d Prothero D.R, Schoch R. M (2003). Horns, Tusks, and Flippers: The Evolution of Hoofed Mammals'. Johns Hopkins University Press. pp. 218. ISBN 0-801-87135-2. https://books.google.co.uk/books?id=kWpQX-sfsLgC&printsec=frontcover&dq=Horns,+Tusks,+and+Flippers:+The+Evolution+of+Hoofed+Mammals&hl=en&ei=nFtdTbv2EIO0hAeQ5-GqCA&sa=X&oi=book_result&ct=result 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、42、155-156頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『絶滅危惧動物百科6 サイ(スマトラサイ)―セジマミソサザイ』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店2008年、48-49頁。

関連項目

外部リンク

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Moehlman, P.D., Rubenstein, D.I. & Kebede, F. 2008. Equus grevyi. In: IUCN 2012. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2012.1.

「グレービーシマウマ」の例文・使い方・用例・文例

  • グレービーシマウマという動物
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