クールジャパン
英語:CoolJapan
マンガやアニメに代表されるポップカルチャーやクリエイティブ産業などを主とした、日本発の世界が認める文化・世界に誇れる文化、あるいは、そういった文化を積極的に世界に発信していこうという取り組み。
「クールジャパン」の語が意味するところは、文脈により微妙に異なる。海外が日本の文化を評して(日本文化はクールだ、と)用いる場合もあれば、経済産業省などが推進する文化発信プロジェクトを指すこともある。
クールジャパンの代表的なコンテンツは、マンガ・アニメ、ファッション、アイドル、コスプレ、日本式「カワイイ」文化など、若者文化を牽引するコンテンツ産業・クリエイティブ産業であるといえる。その他にも、食文化、上質な工芸・ものづくり産業、きめ細やかな心配りを売りとするホテルや宅配便などのサービス業、果てはニンジャや武士道のごとき伝統的日本文化も、クールジャパンに含まれ得る。
関連サイト:
クールジャパン戦略 - 経済産業省
クール‐ジャパン【Cool Japan】
読み方:くーるじゃぱん
海外でクール(かっこいい)と捉えられている日本の商品・サービス・文化の総称。アニメ・漫画・ゲームからファッション・高機能製品・食・観光まで多岐にわたる。また、そうした日本の現代文化や製品が外国の人々に受け入れられている現象をいう。
[補説] 2000年代初期に、日本のアニメや漫画などのポップカルチャーが世界に通用するソフトパワーとして認識されるようになり、この言葉が使われるようになった。政府も経済再生のための取り組みの一つとして、関連産業を振興・支援する政策を推進している。英国では、1997年にブレア首相が「クールブリタニア」を宣言し、クリエイティブ産業振興政策を実施した。
クール・ジャパン
背景には、アニメやマンガ、ゲーム、キャラクター商品、ファッションなどと、それらを創出するタレントやアーティストも含め、現代日本文化に対する世界的な人気の高まりがあります。米国の金融・不動産バブル崩壊を発端に始まった経済危機が深刻さを増すなかで、モノづくりを「お家芸」とする日本への期待が高まっています。「クール・ジャパン」は日本がモノづくりに活路を開くためのキーワードになりそうです。
「クール・ジャパン」という言葉は2002年に米国のジャーナリスト、ダグラス・マグレイ氏が「日本のグロス・ナショナル・クール」と題する小論を英語圏で発表したのがきっかけになりました。
古くは「ドラえもん」や「ポケットモンスター」、最近では宮崎駿監督のアニメのように、アジアや欧米で熱狂的な支持を受けながら、産業競争力の強化に生かしきれていないのが実情です。関連産業が国際舞台で活躍できるよう、IT活用や人材育成を促す産業政策を組み合わせることができれば、日本の基幹産業になるのも夢ではないでしょう。
「クール」を「ソフトパワー」に発展させるには多くの課題がありそうです。日本古来の芸術や伝統、最先端の工業技術などを結びつけ、深みを増す必要がありますが、それには研究開発機能の強化が不可欠です。工学と文学、工学とデザイン学、工学と観光学など、新たな学術面でのコラボレーションが必要になるかもしれません。
(掲載日:2009/01/27)
クールジャパン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 00:12 UTC 版)
クールジャパン(英: Cool Japan)とは、日本の内閣府知的財産戦略推進事務局「クールジャパン戦略のねらい」によると、「外国人がクールととらえる日本の魅力」であり、クールジャパンの情報発信(日本ブーム創出)・海外展開(海外で稼ぐ)・インバウンド振興(国内で稼ぐ)によって世界の成長を取り込み日本の経済成長を実現するブランド戦略「クールジャパン戦略」政策で使われている用語である[1]。
注釈
- ^ 出演者は三味線奏者が伊藤圭佑、キーボード奏者が角田紘之、ご当地キャラがせんとくん。
- ^ フランス語発音: [vilaʒ ʒapɔ̃] ヴィラージュ・ジャポン
出典
- ^ クールジャパン戦略について:知的財産戦略推進事務局 クールジャパン戦略 - 内閣府
- ^ 商務情報政策局(METI/経済産業省)
- ^ 「クールジャパン」って何? 経済産業省キッズページ
- ^ “フランス人も憧れる「マンガ大国」、誇るべきはその奥行きの深さ”. PRESIDENT Online (2008年10月26日). 2016年10月18日閲覧。
- ^ “(リレーおぴにおん)本と生きる:10 マンガ、欧米では「芸術」 伊藤遊さん”. 朝日新聞 (2016年10月18日). 2016年10月18日閲覧。
- ^ なお、日経ビジネス記者の井上理は、クールジャパンそのものの語の言及は、マグレイ論文に無いことを指摘している「クールジャパン」と言うべきか否か:日経ビジネスオンライン
- ^ Japan’s Gross National Coolトロント大学
- ^ a b 我が国のパブリック・ディプロマシーの変遷と今後の課題 小谷俊介、技術と文化による日本の再生:インフラ、コンテンツ等の海外展開 総合調査報告書 2012年9月
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- ^ クールジャパン政策について 経済産業省
- ^ 電通、クール・ジャパン戦略で中小企業の海外進出支援 日本経済新聞 2013年11月24日
- ^ a b クールジャパン政策について 経済産業省
- ^ a b 第4節 我が国のサービス収支動向:通商白書2014年版(METI / 経済産業省)
- ^ 国際収支:旅行収支53年ぶり黒字 訪日客増を反映 - 毎日新聞
- ^ "Japan as Number One: Lessons for America"エズラ・ヴォーゲル
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- ^ 『クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか』三原龍太郎、中央公論新社、2014年4月刊
- ^ “日本の観光政策は間違いだらけ、「クールジャパン」の名称は自画自賛で逆効果だ”. ニューズウィーク日本版. (2023年1月12日) 2023年1月24日閲覧。
- ^ 菅野博史「ポストモダン再考」『帝京社会学』第20号、帝京大学文学部社会学科、2007年3月、55-59頁。
- ^ 東浩紀が時代の節目に自らを振り返る――「平成という病」 | 特集 | Book Bang -ブックバン-
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- ^ “クールジャパン会議新設 秋元康氏らを民間議員に起用”. スポニチ. (2013年2月26日) 2013年6月6日閲覧。
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- ^ クールジャパン推進機構が発足 日本の文化を輸出(日本経済新聞 2013年11月25日)
- ^ クールジャパン海外展開、低金利融資で支援 政府、中小向け創設へ(産経新聞 2014年1月3日)
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- ^ a b 知的財産戦略本部(首相官邸)
- ^ a b 知的財産戦略会議(首相官邸)
- ^ a b c d クール・ジャパンの海外展開支援 ― 株式会社海外需要開拓支援機構法案 ― (PDF) (参議院経済産業委員会調査室 「立法と調査」340号 2013年5月10日掲載)
- ^ 経済産業省が第1回コンテンツ産業国際戦略研究会を開催(ファミ通 2003年4月24日)
- ^ #2 アニメはオタク文化? | Meiji.net(メイジネット)明治大学 | リレーコラム - Meiji.net(メイジネット)明治大学
- ^ 「新成長戦略」について 平成22年6月18日 閣議決定 (PDF) (首相官邸)
- ^ クール・ジャパン 官民有識者会議(経済産業省)
- ^ 平成22年度 クール・ジャパン戦略推進事業(フランスを拠点とする海外販路開拓支援事業)実施報告書 (PDF) (財団法人デジタルコンテンツ協会 2011年8月)
- ^ クールジャパン官民有識者会議 提言について(経済産業省 2011年5月12日)
- ^ a b クール・ジャパン戦略推進事業第一弾 フランスを拠点とする海外販路開拓支援事業を実施 (PDF) (経済産業省 2011年6月10日)
- ^ a b 経産省にクリエイティブ産業課 クールジャパン戦略に対応(アニメ!アニメ!ビズ 2011年7月4日)
- ^ クールジャパンロゴは佐藤可士和デザイン、野田首相が決定 - Fashionsnap.com、2011年9月13日
- ^ 「Japan. Cool Japan.」ロゴマークの使用について - 内閣官房
- ^ 日米桜寄贈100周年(外務省 2012年10月)
- ^ MISIA、米ワシントン「桜祭り」に出演 震災支援への感謝の意と歌声を届ける(アメーバニュース 2012年3月27日)
- ^ BIOGRAPHY(MISIA official site)
- ^ 日米桜寄贈100周年事業イベント・カレンダー(ワシントンDC主要行事) (PDF) (外務省)
- ^ Tokyo Crazy Kawaii
- ^ フランスに“今の日本”売込み、マグロの解体ショーに絶賛相次ぐ。(Narinari.com 2013年9月24日)
- ^ クールジャパン戦略の取組について (PDF) (内閣官房 2014年4月21日)
- ^ 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!(農林水産省)
- ^ 日本政府観光局(JNTO)とクールジャパン機構との業務連携について (PDF) (日本政府観光局(JNTO)、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構) 2014年9月5日)
- ^ 平成29年度「JAPANブランド等プロデュース支援事業」の採択結果を公表しました(2017年9月14日) 経済産業省 2018年2月26日閲覧。
- ^ 第4回 世界からの遅れが目立つ日本のデジタル化|デジタル時代のビジネスと社会|特別連載|静岡新聞データベースplus日経テレコン
- 1 クールジャパンとは
- 2 クールジャパンの概要
- 3 概要
- 4 評価
- 5 日本の国策として
- 6 脚注
クールジャパン (Cool Japan)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 01:42 UTC 版)
「朝日ウッドテック」の記事における「クールジャパン (Cool Japan)」の解説
杉や桧などの国産材を活用した壁材。デザインだけでなく、調湿機能を持っている。
※この「クールジャパン (Cool Japan)」の解説は、「朝日ウッドテック」の解説の一部です。
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クールジャパン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 08:53 UTC 版)
経済産業省「クール・ジャパン官民有識者会議」(2010~12年)、同「クリエイティブ産業国際展開懇談会」(2013年)、内閣官房「クールジャパン戦略推進会議」(2015年)、内閣府「クールジャパン拠点構築検討会」(2016~17年)、同「クールジャパン人材育成検討会」(2017~18年)、同「Create Japanワーキンググループ」(2019年~)などの委員を歴任。 2012年11月の「クール・ジャパン官民有識者会議」で、他の民間委員とともに「COOL JAPAN 『海外展開を推進する機構』の設立構想」を提案。翌年、官民ファンド「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構)が発足する。2017年6月、同機構の社外取締役に就任。 メディアやカンファレンスなどでも、クールジャパン戦略の紹介を積極的に行う。 『グローバル超競争時代の成長戦略 (4)構造改革と"日本文化産業戦略"』NIKKEI NET BIZ+PLUS 2009/4/17 『日本がクール・ジャパンであり続けるためには』セッション4(アレックス・カー、梅澤高明、ダニー・チュー、鴻上尚史)、COOL JAPAN CONFERENCE 2010/11/2 『Cool Japan 〜改めて世界に発信すべき日本のクリエイティビィティ〜』パネルセッション(加治慶光、楠本修二郎、吉川稔)、あすか会議2011 『2012年の日本のキーワード:クール・ジャパン戦略』J2Top 2012年1月号 『「クールジャパン」戦略 バンダイ社長とコンサル会社代表が議論』上野和典との対談、日本経済新聞 2012/1/22 『COOLJAPAN戦略』平将明(衆議院議員)との対談、「CafeSta」カフェスタトーク 2013/3/25 『多様性が生む日本文化のイノベーション』クールジャパン機構コラム 2015/4/8 『梅澤高明に聞くクールジャパンのすべて』タイムアウト東京「世界目線で考える。クールジャパン編」最終回 2015/10/20 『クールジャパン戦略における食産業の役割』 「日本から世界へ! 農商工連携を活用した海外販路開拓!」シンポジウム 2017/2/13 『キュレーションの力で「日本文化」の価値再創造を!』パネルセッション(長谷川祐子、林千晶、伏谷博之)、G1サミット2017
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