【クレスタ】(くれすた)
旧ソ連が開発した大型駆逐艦。
カーラ級と同様、ソ連・ロシア海軍ではビェールクト型巡洋艦と呼ばれる。
西側では、艦の性格から駆逐艦、大きさとしては巡洋艦クラスとされるが、ソ連・ロシア海軍での分類では1134型が「ロケット(ミサイル)巡洋艦」、1134A型が「大型対潜艦(駆逐艦)」に分類される。
クレスタ級はI型とII型があり、I型はProject1134型「ビェールクト」(Вице(ヴィツェ)=Адмирал(アドミラール)Дрозд(ドロースト)級)、II型はProject1134A型「ビェールクト-A」(Кронштадт(クロンシュタット)級)となる。
I型はキンダ型巡洋艦とカシン型駆逐艦を統合した艦として設計された艦で4隻が建造された。
船型はキンダ型と似ているが、船型楼甲板が後部まで延長されたほか、旧ソ連水上艦としては初めて固有の艦載ヘリコプターを搭載したのが特徴。
武装はM-1 ヴォルナー(SA-N-1)艦対空ミサイル及びP-5「ピャチョールカ」長距離対艦巡航ミサイル(SS-N-3B シャドック)を搭載する。
4隻のみ建造され以後はII型が建造される事になった。
II型は大型対潜艦(駆逐艦)として建造されたタイプで1969~78年に10隻が建造された。
船型や上部構造物の配置はI型と同様だが、艦首部はソナーを装備したため鋭い形状となり、船体長も約3m延長され、基準排水量も約3,000t増加したため、I型と比べて外観は重厚なものになっている。
武装は艦対空ミサイルをM-1 ヴォルナーからシュトールム(SA-N-3)に、P-5 対艦巡航ミサイルをRPK-3 メチェーリ対潜ミサイルに換装したほか、近接防御火器とし てAK-630 30mmCIWSを初めて搭載し、対潜・対空戦闘を重視した装備となっている。
1134型・1134A型は全艦が1990年代前半までに除籍され、後継として本艦の拡大発展型であるProject1134B型カーラ型が建造された。
性能諸元
タイプ | 1134型ロケット巡洋艦(ミサイル巡洋艦) 1134A型大型対潜艦 |
主造船所 | 第190海軍工廠(ジュダーノフ工廠、現セーヴェルナヤ・ヴェルフィ) |
乗員 | 360名(1134型) 400名(1134A型) |
全長 | 155.5m(1134型) 158.5m(1134A型) |
全幅 | 17m(1134型) 16.9m(1134A型) |
喫水 | 6.2m |
排水量 (基準/満載) | 6,140t/7,700t(1134型) 6,400t/7,850t(1134A型) |
機関 | 蒸気タービン×2基 2軸推進 KVN-98/64蒸気ボイラー×4基 TV-12ギヤードタービン×2基 |
機関出力 | 11,000hp |
発電機 | ASDG-500/1ディーゼル発電機(出力500kWt)×4基 TD-750タービン発電機(出力750kWt)×2基 |
速力 | 35kt |
兵装 | P-5「ピャチョールカ」(4K44、SS-N-3B「シャドック」)艦対艦ミサイル連装発射筒×2基 1134A型 RPK-3「メチェーリ」(SS-N-14「サイレックス」)対潜ミサイル4連装発射機×2基 ZIF-102 艦対空ミサイル連装発射機×2基(M-1 ヴォルナ(SA-N-1)艦隊防空ミサイルシステム用) 1134A型 B-187A艦対空ミサイル連装発射機×2基 (M-11「シュトールム」(SA-N-3ゴブレット)艦隊防空ミサイルシステム用、ミサイル72発) RBU-6000「スメールチ-2」12連装対潜迫撃砲×2基 RBU-1000「スメールチ-3」対潜迫撃砲×2基 5連装533mm魚雷発射管×10門 AK-725 57mm連装対空対水上砲×2基4門 AK-630 30mmCIWS×4基 |
艦載機 | Ka-25またはKa-27対潜ヘリコプター1機を搭載。 |
C4Iシステム | MVU-202戦術情報処理装置 4R-90「ヤタガン」ミサイルFCS(ヴォルナSAM用、1134型) 「アウル・スクリーチ」砲FCS×2基 「バス・ティルト」CIWS用FCS×2基 |
レーダー | MR-310「アンガラ」3次元レーダー MR-500対空捜索レーダー MR-600ヴォスホート対空捜索レーダー(1134A型) ヴォルガ航法レーダー×2基(後にドン航法レーダーを追加) |
ソナー | MG-312Mチタン全周捜索ソナー 311ヴィチェグダ標定ソナー MG-332 チタン2(1134A型) |
電子戦 ・対抗手段 | MRP-11-12 ESM×2基+MRP-13-14 ESM×2基+MRP-15-16 ESM×1基 MRP-150/152型ECM、R-740K/743KV型ECM&br:ZIF-121(PK-2)チャフ発射機 |
同型艦
- 1134型
艦名 起工 進水 就役 退役 所属 ヴィツェ=アドミラル・ドロースト
(Вице-Адмирал Дрозд)1965.10.26 1966.11.18 1968.12.27 1990.7.1 バルト艦隊
→北方艦隊
(1975.4.8)アドミラル・ソズーリャ
(Адмирал Зозуля)1964.7.26 1965.10.17 1967.10.8 1994.9. 北方艦隊
→バルト艦隊
(1986.10.9)ウラジオストク
(Владивосток)- - 1968. 1990. - セヴァストポリ
(Севастополь)1966.6.8 1967.4.28 1969.9.25 1989.12.15 北方艦隊→
太平洋艦隊
(1980.2.11) - 1134A型
艦名 起工 進水 就役 退役 クロンシュタット
(Кронштадт)1966. 1967. 1968. 1991. アドミラル・イサコフ
(Адмирал Исаков)1968. 1969. 1970.9. 1990.6.30 アドミラル・ナヒーモフ
(Адмирал Нахимов)1968. 1969. 1971.8. 1991. アドミラル・マカロフ
(Адмирал Макаров)1969. 1970. 1972.10.25 1992.7.1 マルシャル・ヴォロシーロフ
→ハバロフスク
(Хабаровск)1970. 1971. 1973. 1994. アドミラル・オクチャブルスキー
(Адмирал Октябьский)1970. 1971. 1973.9. 1993. アドミラル・イサチェンコフ
(Адмирал Исаченков)1970. 1972. 1974.9. 1993.6.30 マルシャル・ティモシェンコ
(Маршал Тимошенко)1972. 1973. 1975. 1994. ヴァシリー・チャパエフ
(Василий Чапаев)1973.12.22 1974.11.28 1976.11.30 1993.12.31 アドミラル・ユマシェフ
(Адмирал Юмашев)1974. 1976. 1977. 1992.
クレスタ
西洋の紋章の頂に輝<飾り、を意味するスペイン語。英語のcrest(鳥のとさか、冠毛、兜の前立て、たてがみなどの意味)と同義語。初代は1980年3月に発売、4代目マークⅡとの双生児車だったが、それよりも7か月早くデビューした。
マークⅡ、チェイサー、クレスタ3兄弟のうちでは世に出るのがもっとも遅かったが、初代モデルで新世代の直6・SOHC・1G-EUエンジンをマークⅡ、チェイサーよりも早く積んでの登場だった。ハードウェアはほかの2車と同じ。
マークⅡがオーソドックス、チェイサーが若々しくスポーティに対して、クレスタはエレガントがテーマ。その後、マークⅡが5代目、チェイサーが3代目となった84年8月から、共通コンポーネントを使いながら、同じ時期のモデルチェンジを行い、依然ラグジュアリー志向のクルマとしての地位を保持していたが、2000年10月のマークⅡだけのモデルチェンジで、自然消滅したかたちになった。
クレスタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/07/17 03:10 UTC 版)
クレスタ
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