ガラス固化体
高レベル放射性廃棄物の処理方法の一種。放射性廃棄物とホウケイ酸ガラスなどのガラス原料と混ぜ合わせて、固化したもの。
ガラス固化体は劣化に強く、超長期間にわたり放置しても溶けたり変質したりしにくいという性質がある。また、固化したガラスと放射性物質の分子が安定的に取り込まれるため、破損しても放射性物質だけが飛散するようなこともない。
ガラス固化体は水に触れても染み込み、染み出しを生じにくいという利点もある。そのため地層処分に適している。実際、地層処理による最終処分場「オンカロ」ではガラス固化した上で最終処分が行われている。
日本では、ガラス固化処理は海外に発注している。処理が済み、いわゆる「返還ガラス固化体」として戻ってきたガラス固化体は、青森県の六ヶ所村に所在する日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで保管されている。
ガラス‐こかたい〔‐コクワタイ〕【ガラス固化体】
ガラス固化体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/27 01:31 UTC 版)
ガラス固化体(ガラスこかたい、vitrified radioactive waste、radwaste)とは、高レベル放射性廃棄物をガラスとともに融解し、ステンレス製のキャニスター(容器)へ注入・固化させたものである。核燃料サイクルの最終工程である地層処分の為の最終梱包・処理形態であり、高レベル放射性廃棄物に対するこれ以降の加工処理はない。
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- ^ 原子力発電環境整備機構 「QA地層処分の費用は?」閲覧2011-11-25
- ^ 電気事業連合会「高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)輸送容器」閲覧2011-11-25
- 1 ガラス固化体とは
- 2 ガラス固化体の概要
- 3 発生量
- 4 関連項目
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