カンブリア‐き【カンブリア紀】
カンブリア紀
【英】: cambrian period
古生代の最初の地質時代で、生物化石の種類・個体数ともにこの時代から爆発的に多くなる。これ以前の先カンブリア時代とは、構造運動にも差があり大きな時代格差がつけられている。絶対年代で 5.7 億年前から 5 億年前の間の約 0.7 億年をいう。名称は、模式地の英国ウェールズ地方のローマ時代の呼称であるカンブリア(Cambria)に基づき A. Sedwick(1833)が提唱。全種属の過半を占める三葉虫によって、カンブリア紀は 3 期に細分される。三葉虫のほか、無脊椎{むせきつい}動物の大部分の種類が出現し、なかでも海綿と珊瑚{さんご}類の中間型というべき古杯類が全盛期を迎える。植物は藻類が主で、陸生植物は胞子が発見されているのみ。この時代の堆積物{たいせきぶつ}をカンブリア系と呼ぶ。 |
カンブリア紀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 08:02 UTC 版)
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累代 | 代 | 紀 | 基底年代 Mya[* 3] |
---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 第四紀 | 2.58 |
新第三紀 | 23.03 | ||
古第三紀 | 66 | ||
中生代 | 白亜紀 | 145 | |
ジュラ紀 | 201.3 | ||
三畳紀 | 251.902 | ||
古生代 | ペルム紀 | 298.9 | |
石炭紀 | 358.9 | ||
デボン紀 | 419.2 | ||
シルル紀 | 443.8 | ||
オルドビス紀 | 485.4 | ||
カンブリア紀 | 541 | ||
原生代 | 2500 | ||
太古代(始生代) | 4000 | ||
冥王代 | 4600 | ||
カンブリア紀(カンブリアき、寒武利亜紀[1]、英: Cambrian period)は地質時代、古生代前期における区分の一つで、約5億4200万年前から約4億8830万年前までとされる。この時代の岩石が発見および研究された最初の地であるウェールズのラテン語名「カンブリア」から、アダム・セジウィックによって命名された。アメリカの Federal Geographic Data Committee は、カンブリア紀を表すのにꞒ (C with bar, バー付きC)を用いている[2]。代用としてキリル文字のЄが用いられることもある。
生物
カンブリア紀では、先カンブリア時代に形成された海洋が地球上のほぼ全てを覆い尽くす。海中では様々な種類に至る海洋生物が現れ、中でも三葉虫等の節足動物が繁栄し、藻類が発達した。むしろ、これ以前の時代からは化石がほとんど得られなかったことから、化石に頼って時代区分を行っていた頃にはこの時代までしか区分ができなかった。そのため、カンブリア紀が従来はもっとも古い名前の付いた区分であり、それより古い地層はカンブリア紀以前というしかなかったのが、「先カンブリア時代」の名の由来である。
三葉虫[注釈 1]やフデイシ、腕足類、サンゴなどは古くから発見されていたが、頻繁に産出する生物群は限られていた。カンブリア紀の生物相の多様性がよく知られるようになったのはバージェス動物群の発見以来であり、特に20世紀末の見直しでその内容がそれまでの想像を超えることが明らかとなった。現在の生物と比べ、非常に奇異な姿をした生物が多く見られ、この時期の生物群を総称して「カンブリアンモンスター」とも呼ばれる。この時期の初期には動物門のほとんどすべてが出現したと考えられ、この時代に動物の多様性が一気に増大した可能性がある。これをカンブリア爆発と呼ぶ。
気候
カンブリア紀の気候についてはあまりよく知られていないが、概して温暖で、極地方には氷河がなかったと考えられている。
その他
日本で発見されている最も古い地層は、茨城県常陸太田市にある5億1100万年前の堆積構造の西堂平層である。この時代はカンブリア紀の第二世第4期のものである。隣接する日立市にかけて火山岩を原岩とする赤沢層など60km²以上にわたりカンブリア系の地層が分布している[3]。
脚注
注釈
出典
- ^ 三省堂百科辞書編輯部編 「カンブリヤき」『新修百科辞典』 三省堂、1934年、569頁。
- ^ Federal Geographic Data Committee, ed (August 2006) (PDF). FGDC Digital Cartographic Standard for Geologic Map Symbolization FGDC-STD-013-2006. U.S. Geological Survey for the Federal Geographic Data Committee. p. A–32–1 2010年8月23日閲覧。
- ^ 田切美智雄、廣井美邦、足立達郎「日本最古の地層-日立のカンブリア系変成古生層」(PDF)『地質学雑誌』第117巻補遺、2011年、1-20頁、doi:10.5575/geosoc.117.S1。
関連項目
参考文献
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外部リンク
- “地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2014年1月改訂版”. 日本地質学会. 2014年3月19日閲覧。
- “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2016年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。
- 地質年代表(仲田崇志)
- 『カンブリア紀』 - コトバンク
カンブリア紀
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「グレートブリテン島の地質」の記事における「カンブリア紀」の解説
カンブリア紀前期、イングランドおよびウェールズの火山と山は海水準の上昇により陸地が浸水するにつれて浸食され、堆積物の新しい地層ができた。イングランド中部の大部分は安定した地塊を形成し、それ以来ずっとほとんど変形されないままである。砂岩はスコットランド北部で堆積してできた。固い殻を持った最初の動物はこのときに進化し、その結果、これ以後の時代に形成された岩石の中に化石が含まれることがはるかに一般的になった。
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カンブリア紀
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詳細は「カンブリア紀」を参照 約5億4100万 - 4億8540万年前 ほぼ全ての動物門が出そろい、生物種の爆発的増加(カンブリア紀爆発)。 三葉虫、ラディオドンタ類(アノマロカリス、フルディアなど)、葉足動物などの繁栄。 最古の脊椎動物である無顎類の登場(ミロクンミンギア、ハイコウイクチスなど)。
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