カルボキシソーム
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リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ(ルビスコ)を集積したタンパク質の小構造体で、シアノバクテリアや一部の化学合成独立栄養細菌の細胞質に存在する。カルボキシソームの内部にはルビスコが集積し、特殊な殻タンパク質に被われた多面体構造として、電子顕微鏡でよく観察される。その役割は細胞質に濃縮される重炭酸イオンをCO2に局所的に変換してルビスコに供給し、炭酸固定反応を助けることにある。
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- 1 カルボキシソームとは
- 2 カルボキシソームの概要
- 3 類似の構造体
カルボキシソーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/27 00:52 UTC 版)
詳細は「カルボキシソーム」を参照 カルボキシソームは、藍藻等の多くの独立栄養生物が持つ微小な区画である。これは炭素固定に必要な酵素、特にRuBisCOと炭酸脱水酵素を含むタンパク質性の構造であり、形態的にはファージの頭部に似ている。この部位には酵素が高濃度に局在しているため、炭酸脱水素酵素による炭酸水素塩から二酸化炭素への素早い変換により、細胞質内よりも高速で効率的な炭素固定が行われていると考えられる。これと類似した構造で、補酵素B12を格納するものが知られている。これはグリセロールデヒドロゲナーゼを含み、サルモネラ等の腸内細菌科においてグリセロールの1,3-プロパンジオールへの発酵に必要である。
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