カフジ油田
【英】: khafji oilfield
サウジアラビアとクウェートとの間に設定されていた「中立地帯」(現在の分割地帯)のラスアル・カフジ沖合約 40km 、アラビア湾陸棚(水深 30m )に位置する油田。 日本のアラビア石油 (株) によって 1960 年に発見され、1961 年に生産が開始された。 主油層は白亜紀のブルガン層の砂岩とラタウィ層の石灰岩で、深さは前者が約 1,800m 、後者が約 2,300m 。集油形態は背斜構造、集油面積は約 30km2 。原油性状は、比重 28.5°API 、イオウ分 2.7 %。油層の圧力維持のため、油層への水圧入(水攻法)が行われている。南に隣接するサファニヤ油田の開発が進むにつれて、本油田とサファニヤ油田とは一連のものであることが判明したため、両者を合わせて「サファニヤ・カフジ油田」と呼ぶことがある。 カフジ油田の産油量は、1979 年の 40 万バレル/日台をピークとして減退に転じた。2002 年の産油量は 25.4 万バレル/日、同年末における累計生産量は 39 億 9,700 万バレルと公表されている。サファニヤ油田の項参照。 アラビア石油は、サウジアラビア・クウェート両国から得た利権に基づき操業を行っていたが、サウジとの利権協定は 2000 年 2 月、クウェートとの協定は 2003 年 1 月にそれぞれ失効した。現在は、サウジ側がアラムコの子会社 AGOC (Aramco Gulf Operations Company)、クウェート側は KOC の子会社 KGOC (Kuwait Gulf Oil Company)が権益を継承し、共同オペレーターとなっている。アラビア石油は KGOC との間に技術サービス契約を締結し、技術、操業、管理等の諸サービスを提供している。 主文献『世界の石油と天然ガス』(1969)、『石油地質・探鉱用語集』(1989)、K. Fujita (1989)、『石油・天然ガス資源の未来を拓く』(2004) (齊藤 隆、2006 年 3 月) |
カフジ油田
カフジ油田
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「中立地帯 (サウジアラビアとクウェート)」の記事における「カフジ油田」の解説
この中立地域の沖合には、日本のアラビア石油が自主開発したカフジ油田がある。アラビア石油は、1957年にサウジアラビア、1958年にクウェートと利権協定を締結し、1960年にカフジ油田を発見、翌1961年から生産に入り、おもに日本向けに石油を送り出した。2000年にサウジアラビア、2003年にクウェートとの利権協定が終了したが、その後も原油の販売を引き続き行なっている。
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