エビのビブリオ病菌とは? わかりやすく解説

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エビのビブリオ病菌 [Vibrio panaeicida]

 甲殻類中でもエビ世界各地養殖されているが、細菌ウイルスによる被害大きな問題となっている。 とくに養殖クルマエビ病原細菌として、アメリカではVibrio alginolyticus, V.anguillarum*,V.fluvialis,V.harveyi,V.splendidus,V.cholerae(Non-O1)*,V.parahaemolyticus,V.vulnificusなど多種類のビブリオ属細菌知られている。これらの細菌養殖環境水中常在しているので、飼育環境悪化して不健康になったエビ感染しやすい条件性病原菌考えられている。わが国でも1980年頃から西日本各地で、養殖クルマエビ細菌性病気発生し始め1990年代から大きな被害もたらしている。
この病気夏から秋にかけて多く発生し、その症状はおもに腹節筋肉白濁し(えら)とリンパ様器官に褐色ないし黒色斑点できること特徴である。病気が進むとリンパ様器官は壊死(えし)し、メラニン色素をもつ多数細胞現れて(黒変症)やがて死亡する治療にはノボビオシンオキシテトラサイクリンなどの抗生物質オキソリン酸などの合成化学療法剤が有効で、ワクチン免疫賦活剤実験的に予防効果があるとされている。
原因菌当初からビブリオ属細菌であるとされ、最近(1995年)、日本エビ学名から新種としてビブリオ・ペナエシダと命名された。この細菌グラム陰性通性嫌気性で1本の鞭毛運動する桿菌(0.8-1.0 × 1.0-3.0μm)である。20-25,pH6-10,塩分1.0-3.0%でよく発育するまた、この細菌クルマエビ養殖池常在し、一見健康なエビ保菌しているので、環境悪化によるエビ障害病原菌発育条件がそろえば発病する可能性が高い。
なお、エビ以外の甲殻類では日本アメリカでガザミビブリオ病が発生しアメリカでは腸炎ビブリオ死因とされたが、日本ガザミ病原菌はその種名未定である。一方、"エビ細菌病"とよばれた敗血症原因菌ウナギ(ひれ)赤病菌と同じ運動性エロモナスであるエロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)である。この細菌ヒト食中毒細菌としても知られている。




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