エウロギウスとは? わかりやすく解説

エウロギウス

名前 Eulogius

エウロギウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 08:14 UTC 版)

エウロギウススペイン語:San Eulogio de Córdoba、ラテン語:Sanctus Eulogius Cordobae; 800年 - 859年3月11日)は、9世紀コルドバのキリスト教聖職者。カトリック教会正教会で聖人。正教会では神品致命者[1]。コルドバにおける殉教聖人のひとり。後ウマイヤ朝君主アブド・アッラフマーン2世からその子ムハンマド1世の治世に活躍した。


  1. ^ Православный календарь(Свято-Троицкая Русская Православная Церковь)
  2. ^ 当時アンダルスのモサラベズィンミーとしてシャリーアに基づく一定の権利を保障されていたが、ムハンマドやコーランを批判した場合死刑に処される掟があった
  3. ^ ラテン語は当時の西方キリスト教世界の公用語であった
  4. ^ イスラームに対する研究や官吏との折衝の必要性のため、アンダルスではアラビア語がキリスト教聖職者の間で広く学ばれた
  5. ^ 『イエスは最高の預言者であるが神そのものではない。』とするアリウス派などの学説。イスラームにおける三位一体否定にこのようなキリスト教非主流派の見解が強い影響を与えていることは既に当時のキリスト教知識人の間では常識となっていた
  6. ^ 三位一体説にかかわる批判以外にも、イスラームにおける天国の描写に関する批判などがエウロギウスによる引用の形で残存している
  7. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p76~78
  8. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p79~81
  9. ^ ズィンミーの監督を行う国家の行政官であり、通常ユダヤ教徒やキリスト教徒の名家の出で、かつアラビア語に堪能な者が任命された
  10. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p40-41
  11. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p31
  12. ^ 征服以後に新築、増築された教会の破壊を命じた勅令など
  13. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p34-35
  14. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p169
  15. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p125-126
  16. ^ コーラン第3章59節、『イーサーはアッラーの御許では、丁度アーダムと同じである。かれが泥でかれ(アーダム)を創られ、それに「有れ。」と仰せになるとかれは(人間として)存在した』
  17. ^ コーラン第4章171節、『啓典の民よ、宗教のことに就いて法を越えてはならない。またアッラーに就いて真実以外を語ってはならない。マルヤムの子マスィーフ・イーサーは、只アッラーの使徒である。マルヤムに授けられたかれの御言葉であり、かれからの霊である。だからアッラーとその使徒たちを信じなさい。「三(位)」などと言ってはならない。止めなさい。それがあなたがたのためになる。誠にアッラーは唯―の神であられる。かれに讃えあれ。かれに、何で子があろう。天にあり、地にある凡てのものは、アッラーの有である。管理者としてアッラーは万全であられる。』
  18. ^ コーラン第43章59節、『かれ(イーサー)は、われが恩恵を施したしもべに過ぎない。そしてかれを、イスラエルの子孫に対する手本とした。』
  19. ^ コーラン第9章30節、『ユダヤ人はウザイルを、アッラーの子であるといい、キリスト教徒はマスィーフを、アッラーの子であるという。これはかれらが口先で言うところで、昔の不信心な者の言葉を真似たものである。かれらにアッラーの祟りあれ。かれらは(真理から)何と迷い去ったことよ。』
  20. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p128
  21. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p127
  22. ^ シャリーアにおいてはイスラームからの離脱は死刑であり、協力者も同罪である
  23. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p91
  24. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p54
  25. ^ ただし『殉教』事件の前まではこの禁令はあまり厳格には適用されず、征服後に新築された教会も存在していた
  26. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p147~148
  27. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p130
  28. ^ コーラン第33章37節「アッラーの恩恵を授かり、またあなたが親切を尽くした者に、こう言った時を思え。『妻をあなたの許に留め、アッラーを畏れなさい。』だがあなたは、アッラーが暴露しようとされた、自分の胸の中に隠していたこと(養子の妻との結婚が人の口の端に上がること)を恐れていた。寧(むしろ)あなたは、アッラーを畏れるのが本当であった。それでザイドが、かの女に就いて必要なことを済ませ(離別し)たので、われはあなたをかの女と結婚させた。(これからは)信者が、必要な離婚手続きを完了した時は、自分の養子の妻でも、(結婚にも)差し支えないことにした。アッラーの命令は完遂しなければならない。」
  29. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p131
  30. ^ 大天使ガブリエルを通してムハンマドに啓示が下されたというイスラームの信仰に関しての反論
  31. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p132-133
  32. ^ 『コルドバの殉教者たち-イスラム・スペインのキリスト教徒』K.B.ウルフ著、林邦夫訳、p133
  33. ^ エウロギウスの親友で、同じく殉教を支持したアルヴァルスもムハンマドを「反キリスト」としており、ダニエル書第7章23-25節に出てくる「11番目の王」をムハンマドとしていた


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