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ウルヴァリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/16 10:04 UTC 版)

ウルヴァリン
出版の情報
出版者 マーベル・コミック
初登場 The Incredible Hulk #180-181 (1974年10月から11月)
クリエイター レン・ウェイン、ジョン・ロミータ・シニア、ハーブ・トリンプ
作中の情報
本名 James Howlett
種族 人間のミュータント
所属チーム X-メン
ニューアベンジャーズ
S.H.I.E.L.D.
アポカリプスのホースメン
アルファフライト
ウェポンX
ウェポンプラス
デパートメントH
HYDRA
ファンタスティック・フォー
著名な別名 Logan, Death, Patch, Weapon X, Agent Ten, Hand of God, Mai'Keth, Emilio Garra
能力 再生能力
老化の遅延
超人的怪力,スタミナ,俊敏性,反射神経,感覚能力
アダマンチウムと同化した骨格
格納可能なアダマンチウムと同化した骨の爪
テレパシーへの抵抗力

ウルヴァリンWolverine)は、マーベル・コミックの架空のスーパーヒーローであり、X-メンニューアベンジャーズを含むいくつかのチームの一員である。作家のレン・ウェインと画家のジョン・ロミータ・シニア(John Romita, Sr.)によって創造された。

初出は『超人ハルク』#180-181(1974年8月)。

本名はジェームズ・ハウレットJames Howlett)であるが、記憶喪失時には「ローガンLogan)」の通称があり、一般的にはこちらの方が知られている。

目次

概要

ミュータントであるウルヴァリンは動物的な鋭い感覚と反射能力、そして実質的にどんな怪我からも回復することができる治癒能力(ヒーリング・ファクター)を持っている。この治癒能力はスーパーソルジャー製造計画「ウェポンX」において、彼の骨格(出し入れが可能なカミソリのように鋭い爪を含む)にほとんど壊すことができないアダマンチウム合金を組み入れることを可能にした。彼は近接戦闘の達人でもある。コードネームの「ウルヴァリン」とは、クズリというイタチ科の、小さいが獰猛な動物を意味する。また、「ウェポンX」(ウェポンエックス)の「X」はローマ数字の「10」のダブルミーニングであり「兵器第10号」を意味するが、実在するアメリカ陸軍兵器・駆逐戦車ウルヴァリンの型番も「M10」(Model10:10型)である。

性格は粗暴で礼儀を知らないように見えるが、義侠心があり友人や親しい人間に敵対する者には容赦がなく、悪人に対しては殺すこともいとわない。その「時に残虐になれる精神性」をアダム・ウォーロックに買われ、大クロスオーバー『インフィニティウォーズ』でハルクと並び、他のヒーロー(高貴であるが故に相手に慈悲をかける)ではできない仕事を依頼される。しかし、子供には限りなく優しい。また女性にも手が早く、常に伴侶を求めている描写があり、知り合った女性には気軽に「ダーリン」と呼ぶ癖がある。愛煙家であり葉巻を愛用。喫煙者が差別されている未来から来たケーブルにそれをたしなめられた時には「お前なんか大嫌いだ」と発言している。日本通で、設定上は日本語に堪能。日本人女性「マリコ・ヤシダ」と結婚までしたが、結婚式はなぜか時代劇の侍のような格好。しかしマリコは敵対組織にフグ毒によって毒殺されてしまう。

「Giant-Size X-メン」#1(1975年5月)においてウルヴァリンはX-メンの"All New, All Different" rosterに参加している。ウルヴァリンはベトナム戦争以後のアメリカのポップカルチャーに出現する多くの反権力のアンチヒーロー[1]を象徴しており、命に関わるほどの力を快く行使し、1980年代末まで漫画のアンチヒーロー達の標準的な本質を抱えていた。[2] 結果として、キャラクターは増々有名になるX-メンフランチャイズのファンたちにとって明らかにお気に入りの人物になった。[3]彼は1988年から単独で彼自身のコミックで主役になり、TVアニメシリーズやTVゲーム、ヒュー・ジャックマンが彼を演じた20世紀フォックスの実写映画シリーズを含むあらゆるX-メンの翻案物で中心的なキャラクターになった。

歴史

ウルヴァリンが最初に登場したのはレン・ウェイン原作、ハーブ・トリンプ作画の「超人ハルク」#180(カバーの日付では1974年10月)の最後のコマである。その時キャラクターは再びウェインによって「超人ハルク」#181で彼の実質的な初登場が描かれる前にさまざまな7月初旬のマーベルコミックの出版物(カバーの日付では11月)の中で多くの宣伝広告の中に現れた。ジョン・ロミータSr.はウルヴァリンの黄色と青のコスチュームをデザインした。キャラクターの紹介は曖昧で、カナダ政府に所属する超人的なエージェントであることを除いて、全く何も明かされなかった。これらの登場においては、(レン・ウェインが常に格納可能であるとみなしていたと述べたにもかかわらず、)彼はツメを引っ込めなかった。[4] 彼はハルクの#182のこの話の最後で一時的に登場した。

ウルヴァリンの次の登場は1975年のウェイン作とデイブ・クックラム画による「Giant-Size X-メン」#1で、ウルヴァリンは新たなチームに勧誘された。コミックの表紙を描いたジル・ケーンはうっかりしてウルヴァリンの覆面に大きなヘッドピース(飾り)を付けて描いた。デイブ・クックラムはケーンの変更を(バットマンの覆面に似ていると思って)気に入り、彼自身の実際の作品の絵にも組み入れることを決めた。[5] クックラムはまたウルヴァリンを覆面なしで描いた最初の画家で、その特有な髪型はキャラクターのトレードマークになった。

1975年8月にクックラムが描きクリス・クレアモントが書いた アンキャニィ・X-メン #94に始まるX-メンのリバイバルが続いた。アンキャニィ・X-メンでは、ウルヴァリンは、サイクロップスのガールフレンドであるジーン・グレイと衝突する時にチームに緊張感を作り出すものの、当初他のキャラクターのよって影を薄くされていた。シリーズが進行するにつれて、クレアモントとクックラム(ナイトクローラーを好んでいた。[6])はシリーズからウルヴァリンを脱落させようと考えた[6]。クックラムの後任者で画家のジョン・バーンはキャラクターを擁護し、後の説明によると、自分自身カナダ人としてカナダ人のキャラクターが脱落するのを見たくなかったのだと言う。[7] バーンはカナダ政府がウルヴァリンの改造と訓練(の失敗)によって被った損失のために彼を再逮捕しようとするスーパーヒーローチーム「アルファ・フライト」を作った。後に物語では徐々にウルヴァリンの理解しがたい過去と抑制するために戦っているという不安定な本質を制定した。バーンはウルヴァリンの新しい茶色と黄褐色のコスチュームのデザインもしたが、独特なクックラムの頭巾はそのままにした。

バーンが立ち去ってからも、ウルヴァリンはX-メンに留まっていた。キャラクターの人気が大きくなったのはソロでクレアモントとフランク・ミラーによる4冊のリミテッドシリーズ・ウルヴァリン (1982年9月から12月)、クレアモントとアル・ミルグラム による6冊のミニシリーズキティ・プライド&ウルヴァリン(1984年11月から1985年4月)による。1988年11月にはジョン・ビュッセマによる絵がつき、クレアモントによって書かれた継続中のソロブックを始めた。ラリー・ハマがのちにシリーズを引き継ぎ、extensive runになっている。2つの進行中のウルヴァリンシリーズを書く他のライターの中はピーター・デイビッドやアーチー・グッドウィン、エリック・ラーセンフランク・ティエリ、グレッグ・ルカ、マーク・ミラーを含んでいる。多くの有名な画家もシリーズで仕事をし、中にはジョン・バーンやマーク・シルヴェストリ、マーク・テシェアラ、アダム・クーバート、レイニ・フランシス・ユ、ロブ・ライフェルド、ショーン・チェン、ダリク・ロバートソン、ジョン・ロミータ・ジュニア、ウンベルト・ラモスが含まれている。

1990年代、ウルヴァリンがマグニートーによって骨格のアダマンチウムを引き抜かれた後、骨質の爪を生来持っていたことが明らかとなった。それはピーター・デイビッドの一時の冗談に触発されたものだった。[8]

ウルヴァリンシリーズと色々なX-メンシリーズでの登場に加えて、キャラクターの過去を取り上げた2つのストーリーライン、つまりマーベル・コミック プレゼンツ #72-84 (1991)でシリーズ化されたバリー・ウィンザー・スミスの「ウェポンX」とジョー・カザーダ、ポール・ジェンキンス、ビル・ジェーマスの共作でアンディ・クーバートが作画した6冊のミニシリーズ「オリジン(Origin)」(2001年11月から2002年7月)がある。第二期ソロシリーズであるスティーブ・ディロン画・ダニエル・ウェイ作の ウルヴァリン: オリジンは現在共に進行している第二期ウルヴァリンソロシリーズを副産物として産み出した。

ウルヴァリンの意図された素性

共著者のレン・ウェインは当初ローガンを、クズリの突然変異体であり、超種族ハイ・エボリューショナリー(High Evolutionary)によって人間の形態に進化したとしていた。 [9]X-メン#98にあるウルヴァリンの生物学的な分析は、彼が一人前のミュータントではないことを示唆しており、X-メン#103でウルヴァリンは「レプラコーンを信じていない」といい、レブラコーンはしゃべるクズリを信じられないと答えている。[10](これは鏡の国のアリスでの、猟師とユニコーンの会話のパロディ)。

超人ハルク対ウルヴァリン超人ハルク#180-181の復刻版)に掲載されたクックラムのインタヴューは、「ウルヴァリンがクズリの突然変異体である」という主張を補強するものである。そこでクックラムは、ウルヴァリンを人間にするのにはハイ・エボリューショナリーが重大な役目を担ったと考えていると話した。

当初クックラムは、ウルヴァリンをスパイダーマンのように十代後半の年齢にし、超人的な強さと能力を持つようにしたかった。しかしこのクックラムのもくろみは、ジョン・ロミータSr.が覆面なしのウルヴァリンを毛深い40歳台のオヤジキャラとして描いたのを見て、大きく変わった。

レン・ウェインは、彼のツメは元々格納が可能なもので、ウルヴァリンのグローブの部品と爪の両方がアダマンチウムでできていることを想定していた。[11] しかしこのアイディアは、グローブを付ければ誰でもウルヴァリンになれる方が良いと考えたクレアモントによって拒否された。けれどもX-メン #98において、この爪はウルヴァリンの身体の一部であることが初めて公式に明かされた。

ウルヴァリンの2番目に意図された素性

デイブ・クックラムが去り、ジョン・バーンが画家になった後、バーンは(インタヴューや彼のウェブサイト上で)ウルヴァリンにふさわしい顔を描いていると言っていた。しかし、ジョン・ロミータSr. が既に彼の顔を描いていたことを知った。その後、バーンはその絵をセイバー・トゥースの顔として使った。バーンはその時、セイバー・トゥースがウルヴァリンの父親であるというアイディアを思いついた(結局、彼らは似たような治癒能力とキレやすい性格を持っている)。

バーンとクレアモントは、ウルヴァリンが60歳前後であり、青年期にセイバー・トゥースによって施された何十年もにわたる虐待から逃れた後、第二次世界大戦に従軍していたと設定した。その計画はウルヴァリンにとってほとんど偶然に引き起こされたものだった。つまり、回復した直後、ベッドから降りようとした彼の足はすぐに折れ、彼の治癒能力は自身の骨格には働かないことがわかった。彼は病院のベッドで十年以上過ごし、もう少しで気が狂いそうだった(これが彼のバーサーカー的激情の理由である)。その頃、カナダ政府は彼に、全身の骨格を固体のアダマンチウムで置き換える(注入ではなく)と言うアイディアを持ちかけた。爪は予期せぬものだった。

だがこの起源はやり過ぎだったようで、その後一度も使われていない。




[ヘルプ]
  1. ^ Wright, Bradford W. Comic Book Nation. Johns Hopkins, 2001. Pg. 265
  2. ^ Wright, pg. 277
  3. ^ Wright, pg 263, 265
  4. ^ “CONvergence I, Len Wein”. Jonathan Woodward. (July 8, 2005). http://woodwardiocom.livejournal.com/326299.html#LenWein 
  5. ^ Brian Cunningham, "Dressed to Kill," Wizard Tribute to Wolverine, 1996.
  6. ^ a b X-MEN Companion
  7. ^ DeFalco, Tom. Comic Creators on X-MEN. Titan, 2006. Pg. 110
  8. ^ Brian Cronin (2007年3月29日). “Comic Book Urban Legends Revealed #96”. Comic Book Resources. http://goodcomics.comicbookresources.com/2007/03/29/comic-book-urban-legends-revealed-96/ 2007年4月3日閲覧。 
  9. ^ Comics Should Be Good! » Comic Book Urban Legends Revealed #21!
  10. ^ X-MEN #103, p.14, panel 3
  11. ^ The Best Of Wolverine vol.1 Chris Claremont confirms in a brief introduction of the character and why the character appeals to him.
  12. ^ Wolverine vol.2 #10
  13. ^ マーベル・コミック プレゼンツ(1991年4月)
  14. ^ Uncanny X-Men vol.1 #98 April, 1976
  15. ^ Uncanny X-Men vol.1 #109 February, 1978
  16. ^ Uncanny X-Men vol.1 #118 February, 1979
  17. ^ Unanny X-Men vol.1 #120 April, 1978
  18. ^ Uncanny X-Men vol.1 #139 November, 1980
  19. ^ Uncanny X-Men vol.1 #186 October, 1984
  20. ^ Kitty Pryde and Wolverine #1-6 November 1984-May 1985
  21. ^ Uncanny X-Men vol.1 #244 May, 1989
  22. ^ Wolverine: The Jungle Adventure
  23. ^ Wolverine vol.2 #50
  24. ^ Wolverine vol.2 #60
  25. ^ Wolverine vol.2 #64
  26. ^ Wolverine vol.2 #68
  27. ^ X-Men vol.2 #25 October, 1993
  28. ^ Wolverine vol.2 #75 November, 1993
  29. ^ Wolverine vol.2 #91-100
  30. ^ Wolverine: Inner Fury
  31. ^ Wolverine vol.2 #93
  32. ^ Wolverine vol.2 #100
  33. ^ Wolverine vol.2 #101-110
  34. ^ Wolverine vol.2 #145
  35. ^ Wolverine vol.2 #147
  36. ^ New X-Men vol.1 #142-145
  37. ^ New Avengers #6
  38. ^ Wolverine vol.3 #50
  39. ^ Wolverine vol.3 #51
  40. ^ [1]
  41. ^ Wolverine Origins #10
  42. ^ Wolverine Origins #11
  43. ^ Wolverine vol3. #43
  44. ^ Wolverine vol.3 #48
  45. ^ Excaliber vol1. #100
  46. ^ もっとも、この設定自体が恐らくはハイランダー辺りからの流用であり、つじつま合わせや合理性などに深い理由はないのではないかと思われる。
  47. ^ Origin mini-series
  48. ^ X-Men vol.2 #5
  49. ^ Wolverine:Origins #5
  50. ^ Wolverine vol.2 #91 and #101
  51. ^ Wolverine vol.1 #2
  52. ^ Wolverine vol.2 #1
  53. ^ Wolverine vol.2 #57
  54. ^ Uncanny X-Men vol. 1 #111
  55. ^ Wolverine vol.3 #51
  56. ^ Official Handbook to the Marvel Universe: Wolverine 2004 vol.1 #1
  57. ^ X-Men Vol.2 # 62
  58. ^ Wolverine Origins # 4-5
  59. ^ X-Men vol.2 #108/Wolverine vol.3 # 20
  60. ^ Wolverine vol.2 #168
  61. ^ “List of languages present on Marvel.com (excluding German, mentioned in Wolverine vol.2 #37)”. Marvel Comics. http://www.marvel.com/universe/Wolverine 
  62. ^ Wolverine vol.1 #51”. Marvel Comics 
  63. ^ What If? #111
  64. ^ Daily Poll: Superhero casting”. IMDb. 2006年10月21日閲覧。
  65. ^ MTV News. June 3, 1997







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