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ウルトラ・ヴィーレスの法理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/01/01 15:51 UTC 版)

ウルトラ・ヴィーレスの法理 (ultra vires doctrine) とは、法人権利能力定款所定の目的に限定されるという考え方。ウルトラ・ヴィーレス(またはウルトラ・ヴァイレース)の原理(または原則)ともいい、イギリス法に由来する法理である。

この法理によると、ある法人の目的に属さない行為は無効とされることになる。これにより、その法人(特に会社)に出資する者(株主など)は、出資のリスクを測定し、また、自己の出資の曝されるリスクを限定することができる。しかし、一方で、法人と取引関係に立つ者などは、法人の行為が無効とされることによって不測の損害を被るおそれがあり、むしろこの懸念の方が上述したメリットよりも大きいため、いかにして同法理を廃棄すべきかが議論されてきた。定款所定の「目的」の範囲を最大限に広げて解釈する方法も、その一つである。


  1. ^ 江頭憲治郎『株式会社法 第2版』29頁以下(有斐閣)
  2. ^ ただし、平成5年改正商法において株主代表訴訟が提起しやすくなってからは、バスケット条項による抗弁は強権的な嫌いがある(または、目的外行為として揚げ足を取られかねない)と目されるようになり、できる限り目的を詳細に列挙することが経済界において一般的になっている。これを示す好例として、ともに国営企業公社)から株式会社化した日本電信電話株式会社(NTT)東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の対比が挙げられ、NTTの上場当時(昭和62年)の定款における目的が「電気通信業務及びこれに付帯する業務」1項目であったのに対し(持株会社となった現在では異なる)、JR東日本の上場(平成5年)時の目的は約30項目にのぼっている。
  3. ^ 加美和照「イギリス会社法における能力外の理論の改正」『会社取締役法制度研究』44頁以下(中央大学出版部)


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