ウクライナ人とは? わかりやすく解説

ウクライナ人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 04:23 UTC 版)

ウクライナ人(ウクライナじん、ウクライナ語: українці [ウクライィーンツィ] )は、ウクライナの主要民族である。東ヨーロッパ東スラヴ人に属し、主にウクライナ語母語とする人が多い。


注釈

  1. ^ ルーシは、ラテン語では「ルテニア」と呼ばれルーシ人は「ルテニア人」、やはり外国語のギリシア語では「ルーシ」が「ロシア」、ルーシ人が「ロシア人」と呼ばれたこともあった。「ルテニア人」という呼称はカトリック西欧諸国で用いられ、「ロシア人」という呼称は正教ギリシアで使用された。なお、現在のロシア人は当時の欧州においては「モスクワ人」と呼称され、ウクライナの「ロシア人」(ルーシ人)と区別されていた。
  2. ^ 文化の中心地ギリシャからの距離の小さいルーシ」という意味。
  3. ^ しかし、「小ロシア」という名称が本来の意味を離れて、ロシア人によって「小日本」のような蔑称として用いられるようになったことから、現代では「小ロシア人」という名称もウクライナ人をおとしめて言うものとなっている。
  4. ^ 現代でもウクライナ人の半数程度がコサックを先祖に持つといわれ、そのことを誇りとして自ら「コサック」と名乗ることもある。一方、ロシア側の一部にはコサックをおとしめる風習もあるため、ウクライナ人をおとしめて「コサック」と呼ぶこともある。ただし、ロシア人がみなコサックをおとしめているわけではないがカリカチュアにおいてはしばしばウクライナ人はコサックの姿で描かれる。コサックはウクライナが発祥であり、日本人のロシアのイメージとは異なる。
  5. ^ 当時、欧州での国民国家の成立にともなって「ルーシ」はロシアと強く関連付けられるようになったため、ウクライナ出身の文化人は「ルーシ人」がロシア人(モスクワ人)と誤解されないように、そして同化されないように「ウクライナ人」という民族名を普及させた。それらの文化人の運動は学術的な運動から次第にウクライナ民族解放運動へ展開していった。
  6. ^ ウクライナをはじめとする複数の国では、この大飢饉はウクライナ人に対するジェノサイドと認定している。一方、ロシア連邦などはこれに反対しており、「当時飢饉はウクライナのみならずロシア南西部を中心とした広大な範囲で発生していた」ということを根拠に「ウクライナ人を標的としたジェノサイドではない」と主張している。ただし、歴史的にこの地域の住民はウクライナ人が多数を占めており、ロシア革命後、ウクライナ系のクバーニ人民共和国すら建国されていた。それをロシアが武力で併合した結果この地域は「ロシア南西部」となったのであり、この地域の住民への弾圧とウクライナ人への弾圧というのはロシア連邦が主張するほど決定的な違いがあるわけではない。また、この地域は白色系の南ロシアが置かれ、ウクライナと並んで反ソビエト運動が最も活発であった地域のひとつでもあった。仮に大飢饉がウクライナ人への弾圧ではなかったとしても、ウクライナ人を含む旧の反ソビエト派住民への弾圧であったという点への否定にはならない。
  7. ^
      ウクライナ語
      ロシア語
      その他
  8. ^ 左図
      ウクライナ人
      ロシア人
      その他
    右図
      ベラルーシ人
      モルドバ人
      クリミア・タタール人
      ブルガリア人
      ハンガリー人
      ルーマニア人
      ポーランド人
      ユダヤ人
      アルメニア人
      ギリシャ人
      ドイツ人

出典

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  3. ^ (英語) 2006年度カナダ国勢調査:民族別人口の統計 [3]。2007年8月5日閲覧。
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ウクライナ人

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ポーランドの経済」の記事における「ウクライナ人」の解説

公式な統計では2009年には12万人のウクライナ人がポーランド就業登録している。しかしこれは氷山の一角過ぎず後述のように正規であっても未登録だという場合もあるので正確な規模わからないワルシャワ大学調査によるとポーランド国内最大移民グループはウクライナ人女性で、彼女たち家計全てを頼る家庭ウクライナには多いという。彼女たちのほとんどは家政婦清掃婦、農産物収穫などの単純労働に就いている。2007年にはポーランド家庭のじつに15%がウクライナ女性正規メイドとして雇ったという。ウクライナロシアベラルーシモルドバの4カ国の国民は6カ月上限として、ポーランド政府からの労働許可がなくてもポーランド国内において無条件就業することが許されている。

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ウクライナ人

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ポーランド」の記事における「ウクライナ人」の解説

公式な統計では、2009年には12万人のウクライナ人がポーランド就業登録している。しかしこれは氷山の一角過ぎず後述のように正規であっても未登録だという場合もあるため正確な規模分からないワルシャワ大学調査によるとポーランド国内最大移民グループはウクライナ人女性で、彼女たち家計のすべてを頼る家庭ウクライナには多いという。彼女たちのほとんどは家政婦清掃婦、農産物収穫などの単純労働に就いている。2007年にはポーランド家庭15%がウクライナ女性正規メイドとして雇ったという。ウクライナロシアベラルーシモルドバの4か国の国民は6か月上限として、ポーランド政府からの労働許可がなくてもポーランド国内において無条件無登録就業することが許されている。2013年には、17万人のウクライナ人が就労目的1年未満滞在し永住633人。 ポーランドが近々ロシアカリーニングラード州から、ロシア人入国対しビザなし渡航許可することをEU懸念している。イギリステレグラフ新聞によると、EU条例反しロシア人ビザなしで入国許可することで、国境検査撤廃されシェンゲン協定他国地域へもロシア人不法入国不法移民不法就労増加し、そしてロシアなどからの格安タバコ密輸により、EU税金85ポンド損失する。一方ポーランドは、以前からウクライナ対し全面的なビザなし渡航許可をしている。ポーランド政府は「これによってウクライナからの密輸やウクライナ人による犯罪行為違法就労ポーランド国内増加したのは小規模ローカルだ。ビザなし渡航許可しただけで犯罪増えることはない。彼らが行犯罪せいぜいズボンロシアウォッカ隠し持って密輸するぐらいのことであり、ましてやこのビザなし渡航実施によるロンドンパリへ悪影響など微々たるものだ」と主張した

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