ウィリアム・メレル・ヴォーリズとは?

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ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/03/15 04:57 UTC 版)

日本基督教団 大阪教会
池田町洋館街
神戸旧居留地38番館

ウィリアム・メレル・ヴォーリズWilliam Merrell Vories1880年10月28日 - 1964年5月7日)は、アメリカ合衆国に生まれ、日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家であり、ヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者の一人としてメンソレータム(現メンターム)を広く日本に普及させた実業家でもある。そしてまたYMCA活動を通し、また「近江ミッション」を設立し、信徒の立場で熱心にプロテスタントの伝道に従事した。よく「宣教師」と紹介されるが、彼はプロの牧師ではなくキリスト教徒伝道者である。讃美歌などの作詞作曲を手がけ、ハモンドオルガンを日本に紹介するなど、音楽についての造詣も深かった。

目次

概要

アメリカのカンザス州レブンワース生まれ。英語教師として来日後、日本各地で西洋建築の設計を数多く手懸けた。学校、教会、YMCA、病院、百貨店、住宅など、その種類も様式も多彩である。1941年(昭和16年)に日本に帰化してからは、華族一柳末徳子爵の令嬢満喜子夫人の姓をとって一柳米来留(ひとつやなぎ めれる)と名乗った。「米来留」とは米国より来りて留まるという洒落である。

近江商人発祥地である滋賀県八幡(現:近江八幡市)を拠点に精力的に活動したことから、「青い目の近江商人」と称された。また太平洋戦争終戦直後、連合国軍総司令官ダグラス・マッカーサー近衛文麿との仲介工作に尽力したことから、「天皇を守ったアメリカ人」とも称される[1]

略歴

代表建築

ウィキメディア・コモンズ日本語版カテゴリページにも画像があります。

教会関係

学校

個人宅

  • 旧伊庭家住宅(郷土館)(安土町)1913(町指定文化財)
  • 池田町洋館街(近江八幡市)
    • 旧吉田邸 1913
    • 旧ウォーターハウス邸 1913
    • 旧ヴォーリズ邸 1914(現存せず)
    • ダブルハウス 1921
  • 旧ピアソン邸(ピアソン記念館)(北見市)1914(市の文化財)
  • 朝吹常吉邸(東芝山口記念館)(東京都港区) 1924
  • 駒井家住宅(京都市左京区) 1927(京都市指定有形文化財)
  • 旧小寺敬一邸(神戸市東灘区) 1930
  • 旧小寺敬三邸(神戸市東灘区
  • 旧小寺源吾別邸
  • ヴォーリズ記念館(ヴォーリズ夫妻自邸)(近江八幡市) 1931(滋賀県指定有形文化財)
  • 大丸ヴィラ(旧下村邸)(京都市上京区) 1934 (京都市登録有形文化財)
  • 六甲山荘(旧小寺家山荘)(神戸市灘区) 1934(国の登録有形文化財)
  • 旧室谷家住宅(神戸市須磨区) 1934 (2007解体)
  • 近江岸家住宅(堺市西区)1935 (国の登録有形文化財 登録番号:27-0031)
  • 旧マッケンジー邸(静岡市駿河区)1940 (国の登録有形文化財 登録番号:22-0007)

その他

保存活動

2007年5月、滋賀県近江八幡市や兵庫県西宮市のNPO法人(特定非営利活動法人)など9団体・個人が呼びかけ人となり、北海道から山口県までの約20団体が参加し、「ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク」が設立された[5]

豊郷小学校 校舎改築問題

詳細は「豊郷町立豊郷小学校#校舎改築問題」を参照

旧豊郷町立豊郷小学校校舎

2001年、ヴォーリズ建築である滋賀県犬上郡豊郷町立豊郷小学校校舎(1937年建設)を巡り、取り壊して改築しようとした町・PTAと、同校舎を残そうと願う一般の人々(卒業生など地元住民、建築関係者)の間で激しい対立が生じた。

他に、同じ滋賀県にあるツッカーハウス(ヴォーリズ記念病院)も解体(部分的に保存)が決まるなど古い建築物は解体が免れないものも出てきている。

主著書

  • 1922年、『A Mustard-Seed in Japan』を出版
  • 1923年、『吾家の設計』を出版
  • 1924年、『吾家の設備』を出版
  • 1970年、『失敗者の自伝』を出版

参考図書

  • 山形政昭(監修)『ヴォーリズ建築の100年』創元社 2008年 ISBN 978-4422501246
  • 山崎富美子『ヴォーリズさんのウサギとカメ』上ヶ原文庫 2008年 ISBN 978-4990378400
  • 道城献一『「いのち」輝かせて―ヴォーリズの遺したもの "Precious life" a legacy of W.M. Vories on the lakeside』近江兄弟社学園 2006年
  • 奥村直彦『ヴォーリズ評伝―日本で隣人愛を実践したアメリカ人』 港の人 2005年 ISBN 4880083321
  • 佐々木伸尚『今生きるヴォーリズ精神』晃洋書房 2005年 ISBN 4771016526
  • 岡林信康『バンザイなこっちゃ!』 ゴマブックス 2005年 ISBN 978-4777102365
  • 山形政昭『ヴォーリズの西洋館―日本近代住宅の先駆』淡交社 2002年 ISBN 4473018903
  • 近江兄弟社社長 岩原侑『青い目の近江商人ヴォーリズ外伝―「信仰と事業の両立」を果たした師ゆかりの地を歩いて』 文芸社 2002年 ISBN 483553879X
  • 山田プランニング(編纂)『ウィリアム・メレル・ヴォーリズ―写真集 日本人を越えたニホン人』びわ湖放送 1998年 ISBN 4939022994
  • 国松俊英『ここが世界の中心です―日本を愛した伝道者メレル・ヴォーリズ』PHP研究所 1998年 ISBN 4569681425
  • 荒川久治 『教会が見える風景―W.M.ヴォーリズの足跡』地域デザイン研究所 1996年 ISBN 4948712132
  • 山形政昭『ヴォーリズの建築―ミッション・ユートピアと都市の華』 創元社 1989年 ISBN 4422501232
  • 山形政昭『ヴォーリズの住宅―伝道されたアメリカンスタイル』<住まい学大系11> 星雲社 1988年 ISBN 4795208883
  • 吉田悦蔵『近江の兄弟』

脚注

  1. ^ 上坂冬子「天皇を守ったアメリカ人」『中央公論』1986年(昭和61年)5月号
  2. ^ 東京都選定歴史的建造物、ヴォーリズ建築事務所の設計原案に基づき、早稲田大学内藤多仲今井兼次の共同設計
  3. ^ 日本基督教団大阪福島教会
  4. ^ キャンパス紹介
  5. ^ "ヴォーリズ建築の保存に取り組む団体の全国組織が発足へ 2007年5月10日" ((日本語)). NikkeiBPnet (2007-05-10). 2008-05-27 閲覧。

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