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インクレチン

読み方いんくれちん

 食事をとると、小腸などの腸管から分泌され、膵臓のβ細胞刺激してインスリン分泌促すホルモンです。
インスリン血糖細胞へのとりこみなどに働きますが、そのインスリン分泌作用低下すると、高血糖となり、やがて2型糖尿病をまねきます。
 インクレチンはGIPGLP-12種類が知られ、このうちGLP-1グルカゴンペプチド1)はインスリン分泌促進加え食欲抑制し、さらにインスリン分泌される膵β細胞増殖促す作用があるとされています。このことに注目して、GLP-1皮下注射開発が進められています。
 また、GLP-1DPP-4呼ばれる酵素によって活性を失いますが、この分解酵素働き阻害することでGLP-1作用効率高め経口内服薬DPP-4阻害薬)が開発され、副作用少なく、血糖値良好コントロールできる新し治療薬として期待されています。



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インクレチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/06 04:39 UTC 版)

インクレチン (incretin) は、以下に述べるような消化管ホルモンの総称である[1]

食後には血糖を低下させるホルモンインスリンが膵臓から分泌されるが、糖を経口投与すると経静脈投与時よりも大きなインスリン作用が現れることが明らかになり、このことがインクレチンの概念の元となっている。その刺激は主に門脈血のブドウ糖であるとされてきたが、消化管由来因子にも分泌刺激を行う能力があるものとされてきた。

「インクレチン」と総称されているホルモンとして、GLP-1GIPがある。

GLP-1とGIPとはいずれも血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進する[1]。しかし、2型糖尿病においてはGIPによるインスリン分泌促進作用は障害されているとの報告がある。[2]。また、GLP-1は膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖低下に働くが、本作用がGLP-1によるα細胞への直接的な作用なのかどうかは議論が分かれている。さらに、GLP-1は胃の内容物排出速度を遅らせ、満腹感を助長することで食欲を抑制したり、食後の急峻な血糖上昇を抑制したりする作用がある。一方GIPは脂肪細胞にそのGIP受容体が存在し、脂肪細胞への糖の取り込みを促進することで肥満を助長させる。

GLP-1とGIPはC末端から2位のアラニンが共通しており、いずれもDPP-IV(CD26とその可溶性分子)により分解され失活し、その血中半減期は2~5分程度とされている。前述のとおり2型糖尿病の治療薬としてはGLP-1がその候補としてターゲティングされ、開発研究が進められた。ひとつの方向性は分解酵素であるDPP-IVを阻害することで血中濃度を保つもの、もう一つの方向性は血中で分解されにくいGLP-1様の化合物を創薬することであった。DPP-IV阻害薬としてはシタグリプチンsitagliptin)などが開発された[1]。DPP-IV阻害薬はGLP-1とGIP両者の血中半減期を延長させ、両ホルモンに基づく作用が発現する。CD26欠損マウスやDPP-IV欠損ラットでは耐糖能が改善しているという報告がある。GLP-1とGIPの両方の受容体を欠損させたマウス (double incretin receptor knockout, DIRKO) では経口血糖負荷試験で耐糖能の低下がみられるが腹腔内に注射した糖負荷試験では差がみられないという。 血中で分解されにくいGLP-1様の化合物、すなわちGLP-1受容体作動薬としては、アメリカ毒トカゲの唾液の分泌物から血糖降下作用を持つホルモンを発見し(エキセンジン‐4と呼ぶ)、これを人工合成により最初のGLP-1受容体作動薬が開発された。1日2回の皮下注射であるが、DPP-IV阻害薬に比べて高い血糖降下作用と、体重減少効果を有し、欧米では既に市販されている。また、ヒト型のアナログ製剤として、リラグルチドが後に開発された。


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  1. ^ a b c d 内山郁子「2型糖尿病に期待の新薬:消化管ホルモン『インクレチン』の薬理作用を応用」、『日経DI』第145号2009年、 pp.24-28、 ISSN 1347-491X
  2. ^ Vilsbøll et al. Diabetologia 2002:45:1111–9
  3. ^ Lancet 2009 Nov 7; 374:1606


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