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イルハン朝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/24 11:05 UTC 版)

イルハン朝
モンゴル帝国
ホラズム・シャー朝
1258年 - 1353年 ティムール朝
ムザッファル朝
チョバン朝
ジャライル朝
エレトナ候国
イルハン朝の位置
公用語 ペルシア語
首都 タブリーズ
君主
1256年 - 1265年 フレグ
1265年 - 1282年 アバカ
1338年 - 1353年 スライマーン(最後)
変遷
成立 1258年
滅亡 1353年
1258年フレグ西方遠征軍によるバグダード包囲(『集史』パリ本より)
14世紀のフレグ・ウルスとその周辺国
イランの歴史
イランの歴史
ジーロフト
エラム
マンナエ
メディア王国
ペルシア帝国
アケメネス朝
セレウコス朝
アルサケス朝
サーサーン朝
イスラームの征服
ウマイヤ朝
アッバース朝
ターヒル朝
サッファール朝
サーマーン朝
ズィヤール朝
ブワイフ朝 ガズナ朝
セルジューク朝 ゴール朝
ホラズム・シャー朝
イルハン朝
ムザッファル朝 ティムール朝
黒羊朝 白羊朝
サファヴィー朝
アフシャール朝
ザンド朝
ガージャール朝
パフラヴィー朝
イスラーム共和国

イルハン朝ペルシア語 : ايلخانيان Īlkhāniyān、英語:Ilkhanate)は、現在のイランを中心に、アムダリヤ川からイラクアナトリア東部までを支配したモンゴル帝国を構成する地方政権(1256年/1258年 - 1335年/1353年)。首都タブリーズ

目次

国名の呼称

イルハンのイルとは元来テュルク諸語において互いに仲間である人間の集団を意味し、特に遊牧民においては遊牧民が支配層を構成する遊牧国家・遊牧政権そのものをこの語によって表現した。これはモンゴル語ウルスとほぼ同義であるが、モンゴル語にもそのままの形で取り入れられ、モンゴル帝国ではもともと敵方であった人間集団や都市、国家をモンゴル帝国側に吸収し、また引き入れることに成功したときに「仲間となる」という意味合いで「イルとなる」と表現した。そのため、これに遊牧政権の君主を意味するハン、あるいはカンを付したイル・ハン(il χan 〜 il qan > ايلخان īl-khān)やイルカンは「部衆の君長」「国民の主」を意味し、ほぼ同義のウルシュ・イディという称号とも併せて、モンゴル帝国を構成する諸ウルスにおいて、必ずしもイルハン朝の君主のみが用いた称号ではなかった。

だが、この政権の建設者であるチンギス・カンの孫フレグが、このイル・カンの称号を帯びていたこと、また特に西欧において発展した近代史学においては、1824年にフランスの東洋史学者、アベル・レミュザが公表した研究で、4代目の君主のアルグンフランス王国フィリップ4世に同盟を申し入れた書簡において、アルグンの称号としてイル・カンが用いられていたことが注目され、イルハン朝、あるいはイル=ハン国イル・ハン国、イル・カン国といった通称が広く用いられるようになった。『集史』など、この政権自身や周辺が編纂した記録では、ペルシア語でウールーセ・フーラーグー、つまりモンゴル語で「フレグのウルス」を意味する呼称を翻訳した表現がみられることなどもあり、モンゴル研究者からは、フレグ一門のウルスという意味で、フレグ・ウルスと呼ばれることも多い。

イランにおけるモンゴル政権の建設

フレグは兄のモンゴル帝国第4代大ハーン、モンケによりモンゴル高原の諸部族からなる征西軍を率いて西アジア遠征を命ぜられ、1253年にモンゴルを出発、1256年に中央に送還されたホラーサーン総督に代わってイランの行政権を獲得し、のちのイルハン朝がイラン政権として事実上成立した。フレグは1256年にニザール派(暗殺教団)を降伏させてイランの制圧を完了すると、1258年にイラクに入ってバグダードを攻略、アッバース朝を滅ぼして西アジアの東部にモンゴル政権を確立した。1260年、フレグはシリアに進出、アレッポダマスカスを支配下に置くが、兄モンケ死去の報を受けて引き返し、さらに東アジアで次兄クビライ世祖)と弟アリクブケによるモンケの後継者争いが始まったことを聞いてイランに留まり、ここに自立王朝としてイルハン朝を開いた。




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