アルメニア語
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アルメニア語(アルメニアご、Հայերեն / Հայերէն、ラテン文字化:Hayeren)は、カフカス(コーカサス)地方の一国アルメニアの公用語。言語学的にはインド・ヨーロッパ語族に分類され、この言語だけで独立した一語派を形成している。表記には独自のアルメニア文字が用いられる。
- ^ a b c d e f 岸田泰浩 (3 2018). “現代アルメニア語はどのような言語か -その地域的特徴-”. ユーラシア諸言語の多様性と動態 (20): 227-280 .
- ^ 『平成25年度言語研修アルメニア語 (東) 研修テキスト』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013年。doi:10.15026/95077。hdl:10108/95077。ISBN 9784863371408。 NCID BB17916845 。
- ^ a b c d 吉村貴之『平成25年度言語研修アルメニア語(東)研修テキスト1 東アルメニア語文法Ⅰ』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013年。doi:10.15026/95079。ISBN 9784863371385。 NCID BB17916845 。2022年1月10日閲覧。
- ^ DORA SAKAYAN. “EASTERN ARMENIAN FOR THE ENGLISH-SPEAKING WORLD”. YEREVAN STATE UNIVERSITY. 2021年7月16日閲覧。
- ^ a b 吉村貴之『平成25年度言語研修アルメニア語(東)研修テキスト2 東アルメニア語文法Ⅱ』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013年。doi:10.15026/95078。ISBN 9784863371392。 NCID BB17916845 。2022年1月10日閲覧。
- 1 アルメニア語とは
- 2 アルメニア語の概要
- 3 言語系統・他の言語との関係
- 4 文字
- 5 文法
- 6 関連項目
アルメニア語派
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「インド・ヨーロッパ語族」の記事における「アルメニア語派」の解説
「アルメニア語」および「アルメニア文字」も参照 古典アルメニア語 - 中世アルメニア語(英語版) - 現代アルメニア語 (東アルメニア語、西アルメニア語) アルメニア語のみで一語派として扱われる。かつてイラン系の言語であると考えられたほどイラン語群からの語彙の借用が多く、イラン系のみならずチュルク語族やコーカサス諸語から語彙の借用をはじめとして様々な影響を受けたと考えられている。現代口語は、東アルメニア語と、西アルメニア語に分類される。東アルメニア語はアルメニア共和国を含む旧ソ連圏に、西アルメニア語が世界に散在するアルメニア人におよそ対応している。 5世紀初頭に当時のアルメニア語が持つ音素に対応するアルメニア文字が考案された。ギリシアやシリアの影響から脱してアルメニア語で聖書を記す目的が背景にあり、ギリシア文字を主要なモデルとしているが、字形は大きく異なっている。11世紀ごろから文語と口語の音声の差異が目立つようになり、音と文字が対応していない状態となっていた。ソビエト連邦時代の1922年と1940年に正書法の改革が実施され、東アルメニア語では文字と音の対応関係が単純になった。 希求法が接続法に合流していて、直説法、命令法、接続法の3つの法がある。3つの時制があり、未完了過去と未完了未来が特異な発達をしている。古典アルメニア語でアオリストと完了形が融合して現代アルメニア語の完了(単純過去と未完了過去)が生じた結果、両者の時制の機能と語幹が含まれるようになった。名詞・形容詞は主格、体格、属格、与格、奪格、具格に格変化する。文法上の性はなく、人称代名詞も性の区別がない。ふつう動詞が語頭にくることはなく、定動詞後置を原則とするが、強調したい語を前におく一定の自由度がある。形態や統辞法では印欧祖語に由来する要素が優勢である。一方で記録以前の時代に、アクセントが終わりから2番目の音節に固定したことが、母音の弱化と最終音節の消失をもたらしていて、音韻・語構造は独特である。 伝統的には屈折語に分類される。古い印欧語と比較すると、母音の長短の区別、文法性、双数がなくなっている。さらに屈折の型が一定化に進んでいる、格の融合現象が見られる、動詞の叙法・時制組織が大きく単純化されているなど多様な単純化が起こっている。岸田は現代アルメニア語の形態について膠着的な面が強まってとしている。 アルメニア語の研究を行った言語学者のアントワーヌ・メイエによる『史的言語学における比較の方法』によってアルメニア語の基数詞が大きく変化しながらも印欧祖語に由来するものだと立証されている。
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