アマビエ
アマビエについて述べられている文献は瓦版が1種類のみであり、他の書物や口伝では確認できていない。なお、水木しげるが著した妖怪図鑑にはアマビエが描かれている。アマビエは誰もが知る妖怪というわけでなかったにせよ、知る人ぞ知る妖怪であった。
2020年3月初頭には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な脅威として認識されつつある中、日本ではTwitterなどを通じてアマビエのイラストを拡散する動きが見られた。原典においても「流行り病」と「アマビエの絵を人々に見せる」ことが関連付けて述べられており(疫病除けの御利益が得られると明言されているわけではない)、原典におけるアマビエの絵も今日の「ゆるキャラ」に通じる愛嬌を漂わせていることもあり、Twitter上ではアマビエ関連ツイートやリツイートが数日で数万件に上るような活況を呈した。翌4月には厚生労働省が作成した啓発用画像にもアマビエが描かれるようになった。
あまびえ〔あまびゑ〕
あま‐びえ【雨冷え】
アマビエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 04:18 UTC 版)
アマビエは、1846年5月(弘化3年4月)に現在の熊本県にあたる肥後国海上に出現したとされる日本の疫病封じの妖怪[1]。海中から光を輝かせるなどの現象を起こし、豊作や疫病などに関する予言をしたと伝えられる。
注釈
- ^ a b 旧暦(和暦)の弘化3年4月15日は、西暦(グレゴリオ暦)の1846年5月10日に相当する。
- ^ 長野 (2005), p. 25 に全文掲載があり「當年より六ヶ年」と読まれている。村上 (2000) は「当年より六ヶ月」(長野 (2005), p. 4 で引用)とするが誤記載。
- ^ 湯本豪一『明治妖怪新聞』に掲載されたコラム「妖怪『アマピエ』の正体」における誤記説が、アマビエとアマビコの流れのなかに位置づけた最初期の言及である[5]。
- ^ 日向国に出たとされる「尼彦入道」の図は他の「尼彦」や「尼彦入道」の図にくらべると異質なもので、脚も9本足である。
- ^ 出現場所については「肥後国熊本県真字郡」と記載されるが、「真字郡」という郡は実在しない。また「尼彦」(湯本豪一所蔵)の例では熊本「県」とあることから廃藩置県(1871年)後の文章と推定されている
- ^ 湯本による解説では文中にある村名を翻刻していない。
- ^ 「3月6日に京都大学附属図書館が瓦版の画像を添付してツイートしたところ、瞬く間に拡散した。」旨の報道もされているが[33]、2月の末には既に投稿が始まりつつあった。
- ^ 作詞:稲本ミノル、作曲:クマガイタツロウ、歌:ワタナベフラワー。
- ^ 作詞:まり、作曲:まり、やよい、まいこ、歌:つしまみれ。
出典
- ^ 水木しげるロード アマビエの像(地図 - Google マップ)※該当施設は赤色でスポット表示される。
- ^ “妖怪アマビエでコロナ封じ? 「写して人に見せなさい」”. 朝日新聞 朝日新聞デジタル (2020年4月12日). 2021年11月20日閲覧。
- ^ 小野, pp. 349–350.
- ^ 湯本 (2003), p. 104.
- ^ 小野 (1970) [1960]、pp. 349-350; 佐藤 (1993), p. 96に転載。
- ^ a b 長野 (2005), p. 27 (巻末注28).
- ^ a b c d 湯本 (1999), pp. 178–180.
- ^ a b c d e f g 湯本 (2005), pp. 71–88.
- ^ 長野 (2005), p. 9.
- ^ a b 長野 (2005).
- ^ 弘化より少し早い天保から、明治にかけて散発している
- ^ 長野 (2005), p. 5.
- ^ “長野栄俊”. 東京堂出版. 2020年3月15日閲覧。
- ^ 湯本 (2001), pp. 174–175.
- ^ ペリー提督日本遠征記(上). 株式会社KADOKAWA/角川ソフィア文庫. (2014年09月15日). p. 第六節 BM1870
- ^ 『東京日日新聞」明治8年8月14日号。長野 (2005), p. 24に転載。他長野 (2005), pp. 6–7等も参照。
- ^ 長野 (2005), p. 24.
- ^ 長野 (2009), pp. 140–142.
- ^ 長野 (2009), pp. 136–137.
- ^ 長野 (2005), pp. 4–8, 24.
- ^ 常光徹「流行病と予言獣」『国立歴史民俗博物館研究報告』174集(2012年)
- ^ 長野 (2005), p. 12.
- ^ a b “妖怪「アマビエ」のナゾと正体をガチの研究者がわかりやすく徹底解説! 新型コロナ流行で140年ぶり出現!!【ふーぽコラム】”. 株式会社 fuプロダクション (2020年3月11日). 2020年3月29日閲覧。
- ^ 水木プロダクション [@mizukipro] (2020年3月17日). "「アマビエ」です。水木しげるの原画を撮影しました。". X(旧Twitter)より2020年3月17日閲覧。
- ^ a b “アマビエ素敵絵まとめ”. Togetter. トゥギャッター株式会社 (2020年). 2020年3月14日閲覧。
- ^ “水木しげるさんアマビエの予言 病流行の時、私の写しを人々に見せよ”. 東京新聞 TOKYO Web (2020年5月21日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ 水木 (1991), p. 36.
- ^ a b 澤井藍 (2011年7月20日). “隠岐の妖怪その九~アマビエ~”. ジャスベル WAON 旅ネット. イオンコンパス(ジャスベル). 2020年3月14日閲覧。
- ^ 「ふるさと応援地域振興券」について、境港市 - 2020年11月21日閲覧。
- ^ 東京・調布「ゲゲゲ忌」で「鬼太郎」「悪魔くん」上映会 高山みなみ、沢城みゆきらのトークショーも、映画.com、2020年10月31日。
- ^ 「ゲゲゲ忌2020 アニメ特別上映会」開催決定!アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」(4~6期)・「悪魔くん」を上映!、PRTIMES(東映アニメーション)、2020年10月17日。
- ^ “SNSで人気のアマビエ、『地獄先生ぬ~べ~NEO』ではどう描かれた? 子供たちを恐れさせた“トラウマ漫画”の現在(2/2)”. リアルサウンド ブック (2020年4月23日). 2020年5月3日閲覧。
- ^ a b c 大蛇堂 [@orochidou] (2020年2月27日). "とんでもない勢いで某ウイルスが流行ってますが妖怪の中に「流行り病がでたら対策のためにわたしの姿を描いて人々にみせるように」と言ったのがいるんですよ。 アマビエって言うんですけど。". X(旧Twitter)より2020年3月14日閲覧。
- ^ 長田健吾「疫病の流行防ぐ? 妖怪「アマビエ」 「守って」…ツイッターで話題に」『西日本新聞』西日本新聞社、2020年3月12日。2020年3月14日閲覧。
- ^ a b 安藤健二「妖怪「アマビエ」とは? 新型コロナウイルスの沈静化を祈ってイラストを描く人が続出」『ハフポスト日本版』ハフポスト、2020年3月10日作成、2020年3月11日更新。2020年3月14日閲覧。
- ^ “アマビエ”. Twitter. Twitter, Inc. (2020年3月). 2020年3月14日閲覧。
- ^ “アマビエチャレンジ”. Twitter. Twitter, Inc. (2020年3月). 2020年3月14日閲覧。
- ^ “アマビエ祭り”. Twitter. Twitter, Inc. (2020年3月). 2020年3月14日閲覧。
- ^ Nスタ(TBSテレビ) [@nst_tbs6] (2020年3月11日). "突然の連絡失礼致します。TBSテレビ「Nスタ」です。本日アマビエチャレンジに関する放送をするのですが、その中で大蛇堂様のツイートを引用させていただきたく、相互フォローの上DMでやりとりさせていただくことは可能でしょうか?". X(旧Twitter)より2020年3月14日閲覧。
- ^ “アマビエのぼり(アマビエこいのぼり) | ミセスミシン:オリジナルこいのぼり製作”. 2020年4月17日閲覧。
- ^ a b c 「新型コロナでツイート激増「アマビエ」って何? 妖怪漫画が話題 「クセになる吸引力」」『withnews(ウィズニュース)』朝日新聞社、2020年3月10日。2020年3月14日閲覧。■漫画を掲載。■2月1日から3月8日でのツイート数を棒グラフで掲載。
- ^ 「妖怪「アマビエ」のイラストがSNSで人気 伝承に脚光「疫病が流行れば私の絵を見せよ」」『J-CASTニュース』ジェイ・キャスト、2020年3月8日。2020年3月14日閲覧。
- ^ トキワセイイチ [@seiichitokiwa] (2020年3月6日). "「アマビエが来る」(1/2)". X(旧Twitter)より2020年3月14日閲覧。
- ^ a b 京都大学附属図書館 [@kumainlib] (2020年3月6日). "新型コロナウイルス感染拡大防止のため、利用者のみなさんにはいろいろとご迷惑をおかけしております。疫病の際に絵を描いて見ると良いとされる妖怪アマビエを置いておきますね。貴重資料デジタルアーカイブで公開されておりますのでご活用ください。". X(旧Twitter)より2020年3月14日閲覧。
- ^ “長野 栄俊”. 株式会社東京堂出版. 2020年5月30日閲覧。
- ^ “アマビエ、ついに厚労省に「採用」 若者向け啓発アイコンに”. J-CASTニュース. (2020年4月9日) 2020年6月7日閲覧。
- ^ アマビエ疫病退散プロジェクト、ヘソプロダクション、2020年5月1日。
- ^ “アマビエが人形浄瑠璃に 熊本県立劇場、11月初演めざす ”. 『熊本日日新聞』. (2020年8月19日) 2020年8月21日閲覧。
- ^ 「疫病封じ アマビエ舞う 西宮能楽堂」『読売新聞』朝刊 2020年8月19日(社会面)
- ^ “「アマビエ三番叟」「八つ墓神楽」動画のご案内 ”. 劇団新派公式サイト. (2020年6月22日) 2020年8月21日閲覧。
- ^ “能勢電の風鈴電車、「疫病退散」祈るアマビエヘッドマークで運行中”. レイルラボ (2020年7月16日). 2020年9月24日閲覧。
- ^ “常総線にオリジナルアマビエ様ヘッドマーク車両が登場、ぬりえ募集 | RailLab ニュース”. レイルラボ (2020年8月15日). 2020年9月24日閲覧。
- ^ “JAL、見える人にしか見えない特別塗装機 アマビエJET、おなかに注目”. Aviation Wire (2020年9月5日). 2020年9月24日閲覧。
- ^ 「AMABIEの歌」-アマビエ疫病退散プロジェクト応援ソング-、ヘソプロダクション、2020年7月6日。
- ^ つしまみれ「ラッキー」インタビュー、音楽ナタリー、2020年
- ^ “『新語・流行語大賞』2020“年間大賞”「3密」に決定 TOP10は「鬼滅の刃」「愛の不時着」など選出”. ORICON NEWS. ORICON (2020年12月1日). 2020年12月18日閲覧。
- ^ a b “妖怪「アマビエ」でコロナ予防?広田神社で護符配布”. 『日刊スポーツ』. (2020年4月6日) 2020年6月7日閲覧。
- ^ “アマビエ御朱印で疫病退散/鶴田八幡宮”. 『東奥日報』. (2020年4月20日) 2020年6月7日閲覧。
- ^ a b “疫病よけの妖怪「アマビエ」の絵札人気 三田天満神社で配布”. 『神戸新聞』. (2020年5月20日) 2020年6月7日閲覧。
- ^ “「アマビエだるま」人気 郡山の高柴デコ屋敷・彦治民芸”. 『福島民友新聞』. (2020年5月5日) 2020年7月14日閲覧。
- ^ “<新型コロナ>疫病退散願って アマビエだるま 元気な雰囲気、愛らしい表情”. 『東京新聞』. (2020年5月18日) 2020年7月14日閲覧。
- ^ “収束願うアマビエだるま 白河の老舗に注文殺到”. 『河北新報』. (2020年5月23日) 2020年7月14日閲覧。
- ^ “国道沿いに話題の妖怪 「アマビエ」で疫病退散!! チェーンソー愛好家制作 杉の木削り「皆に元気を」 茂原”. 『千葉日報』. (2020年4月27日) 2020年7月27日閲覧。
- ^ “木彫のアマビエ、道の駅に チェーンソーアーティストが寄贈 ”. 岐阜新聞Web. (2020年5月15日) 2020年7月27日閲覧。
- ^ “重さ300キロ! 諫早神社に巨大「アマビエ」像を寄贈 ”. 『長崎新聞』. (2020年5月29日) 2020年7月27日閲覧。
- ^ “防府天満宮にアマビエ奉納林さん、チェーンソーアートで ”. 『山口新聞』. (2020年7月7日) 2020年7月27日閲覧。
- ^ “アマビエで疫病退散 金城寺 ”. e-tonamino.com、北日本新聞ニュース. (2020年5月1日) 2020年7月27日閲覧。
- ^ “電通、「アマビエ」商標出願→取り下げ ネットでは物議、広報「活用を再検討」”. j-cast (2020年7月6日). 2022年5月16日閲覧。
- ^ “アマビエ、これで「みんなが使える」ように... 商標出願「拒絶」確定へ、立役者となった社長の思い”. j-cast (2020年10月23日). 2022年5月16日閲覧。
アマビエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 03:06 UTC 版)
「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の記事における「アマビエ」の解説
※この「アマビエ」の解説は、「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の解説の一部です。
「アマビエ」を含む「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の記事については、「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の概要を参照ください。
アマビエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:38 UTC 版)
「地獄先生ぬ〜べ〜の登場人物」の記事における「アマビエ」の解説
海岸に封印されていた妖怪。人々の前に現れて自分をそっくりに描けとせまる。しかし、その姿はあまりにも恐ろしく見た者は恐怖で全身が氷ついてしまう。
※この「アマビエ」の解説は、「地獄先生ぬ〜べ〜の登場人物」の解説の一部です。
「アマビエ」を含む「地獄先生ぬ〜べ〜の登場人物」の記事については、「地獄先生ぬ〜べ〜の登場人物」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- アマビエのページへのリンク