アピコンプレックス門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/20 09:38 UTC 版)
アピコンプレックス門(Apicomplexa;またはアピコンプレクサ類)は原生生物界の門の1つ。アピコンプレクサ類は生活環のどこかでアピカルコンプレックス(apical complex、頂端複合構造)という構造を持つという点で特徴づけられる原生生物の大きなグループである。寄生性であり、配偶子の時期を例外として、鞭毛や仮足を持たない。
- 1 アピコンプレックス門とは
- 2 アピコンプレックス門の概要
- 3 分類
- 4 胞子虫との関係
- 5 参考文献
- 6 外部リンク
アピコンプレックス門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 00:47 UTC 版)
「ガメトゴニー」の記事における「アピコンプレックス門」の解説
分類群によってガメトゴニーの様式は大きく異なる。 グレガリナ類の場合はメロゴニーを行わないことが一般的で、宿主体内に入ったスポロゾイトが細胞に付着または侵入してガメトゴニーを開始する。同型配偶であり、充分発達したガモントは連接(syzygy)により雌雄で対をなしガメトシスト(gametocyst)を形成する。その後ガメトシストの内部で雌雄それぞれの生殖体が多数形成され接合を行う。 コクシジウム類の場合はメロゾイトの一部が雌雄の生殖母体へと分化してガメトゴニーを行う。異型配偶で、大型の方を雌性生殖体(macrogamete)、小型の方を雄性生殖体(microgamete)とする。コクシジウムのうちアデレア類では雌雄差はそれほど明瞭ではなく、いずれも不動性でグレガリナ類に似た連接を行う。これに対してアイメリア類では卵生殖に近く、雌性生殖母体は不動性のまま雌性生殖体となるのに対し、雄性生殖母体は多数の雄性生殖体となり鞭毛により運動して雌性生殖体と接合する。
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アピコンプレックス門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 00:54 UTC 版)
「スポロゴニー」の記事における「アピコンプレックス門」の解説
アピコンプレックス門では、接合後直ちに減数分裂を行いスポロゴニーを行う。 コクシジウム類では接合子が被嚢したものをスポロントと呼び、その後細胞分裂によって複数のスポロブラスト (sporoblast)ができる。スポロブラストは再び被嚢してスポロシストとなり、その後細胞分裂によって内部に複数のスポロゾイトができる。こうして生じた構造をオーシストと呼んでいる。スポロシストはさまざまな環境条件に抵抗性を持ち、次の個体へスポロゾイトを伝播させる際に役立っている。グレガリナ類ではオーシストの中に直接スポロゾイトが生じる場合が多く、住血胞子虫やピロプラズマでは環境耐性をもった構造は生じない。 例えばマラリア原虫は蚊の中腸で接合し、生じたオーキネート(運動能を持つ接合子)が上皮細胞へ侵入してスポロゴニーを行う。生じたオーシストはまもなく破裂してスポロゾイトを放出し、これが唾液腺に集合し、蚊が吸血する際に唾液と共に宿主体内へ侵入して感染が成立する。
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アピコンプレックス門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 00:14 UTC 版)
メロゴニーを行う際の具体的な分裂様式として、アピコンプレックス門ではシゾゴニー、内生二分裂、内生多分裂などが存在する。 内生二分裂(endodyogeny) DNA複製、閉鎖型の有糸分裂、娘細胞形成が順次行われる。真核生物一般に見られる体細胞分裂との違いは、細胞質を2分割するのではなく、細胞質中に娘細胞を組み立て母細胞は破壊される点である。 内生多分裂(endopolygeny) 内生二分裂と同様に細胞質中に娘細胞を組み立てるが、同時に多くの娘細胞が生じる点が異なる。娘細胞形成に先だってDNA複製が複数回行われており、細胞核の分裂が起き多核体となる場合(トキソプラズマ)と細胞核が分裂せず多倍数性となる場合(肉胞子虫)がある。 シゾゴニー(schizogony) DNA複製と閉鎖型の有糸分裂を複数回繰り返して多核体となったあと、同時に娘細胞形成が行われる。細胞質を共有しているにもかかわらず、それぞれの核は自律的非同期的に分裂を行う。そのため生じる娘細胞の数は2のべき乗とは限らない。娘細胞は母細胞の表層で組み立てられ出芽する。 このうちシゾゴニーが最も一般的であることから、メロゴニーと呼ぶべき所をシゾゴニーと呼び、したがってメロントに相当するものをシゾント(schizont)と呼ぶ場合がある。しかしメロゴニー以外にガメトゴニーやスポロゴニーでも分裂様式はシゾゴニーである場合があり、生殖相と分裂様式を混同すべきでない。 アピコンプレックス門の標準的な生活環では、オーシストまたはその中のスポロゾイトが宿主体内に入ると、スポロゾイトが細胞に侵入しメロゴニーを行って個体数を増やす。アイメリア科の場合は小腸上皮細胞が標的となり、その結果下痢などを引き起こす。マラリア原虫の場合はまず肝細胞でメロゴニーを行い、続いて赤血球が標的となり発熱や貧血を引き起こすことになる。いずれの場合も、メロゴニーの結果として宿主細胞が破壊されることが直接の原因である。
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アピコンプレックス門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 02:31 UTC 版)
「スポロシスト」の記事における「アピコンプレックス門」の解説
アピコンプレックス門の寄生性の原虫は、宿主の体内で雌雄のガモント(生殖母体)が融合するとオーシスト(接合子嚢)を形成する。このオーシストの中で接合子が分裂して複数の胞子母細胞(スポロブラスト)を形成し、さらに被嚢を形成したスポロブラストの内部で細胞分裂が行われて多数の胞子(スポロゾイト)を形成する。このスポロゾイトを多数内蔵する被嚢を内部のスポロゾイトとともにスポロシストと呼ぶ。ただし、種類によってはスポロブラストは被嚢の内部で分裂せずに、そのままスポロゾイトとなる。
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