アニマルライトとは? わかりやすく解説

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アニマル‐ライト【animal rights】

読み方:あにまるらいと

動物の権利1983年アメリカの哲学者T=レーガンが「動物権問題」の中で、人権考え方をさらにおしすすめて、動物保護され公平に扱われる権利があると提唱した語。アニマルライツ


動物の権利

(アニマルライト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 04:16 UTC 版)

動物の権利(どうぶつのけんり、アニマル・ライツ: animal rights)とは、多くの動物、あるい感覚を持つ全ての動物が、人間にとっての有用性とは無関係に道徳的価値を持ち、その最も基本的な利益(苦しみを避けることなど)は、人間同様に配慮されるべきであるという哲学である[1]人権(human rights)思想の元となった自然権(natural rights)思想の発想・概念を、他の動物へと拡張・適用したもの。単に動物権(どうぶつけん)とも。大まかにいうと、特に一般的な言説においては、「動物保護」または「動物の解放」の同意語としてしばしば使われる。より狭義には、多くの動物が個として尊重された扱いを受ける基本的な権利、すなわち生命、自由、虐待から解放される権利であり、この権利は集合的な福祉のために覆されることはないという考えを指す[2]


注釈

  1. ^ 梅崎義人はアメリカでの医学部教授の狙撃による殺害や、爆弾魔ユナボマーと環境保護団体の関与などについて書いている[20]
  2. ^ シンガーは『動物の解放』の中で「(正当化され得る実験は)現在動物に対して行われている実験の1%の10分の1以下であろう」と述べている。

出典

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