アストラハン・ハン国とは? わかりやすく解説

アストラハン・ハン国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 08:38 UTC 版)

アストラハン・ハン国
タタール語: Әстерхан ханлыгы
ノガイ語: Хаҗитархан Ханлыгы
1466年 - 1556年

アストラハン・ハン国
公用語 タタール語ノガイ語
首都 アストラハン
ハーン
1466年 - 1490年 カシム1世
1554年 - 1556年デルヴィシュ
変遷
建国 1466年
モスクワ大公国への併合1556年

アストラハン・ハン国(アストラハン・ハンこく、タタール語: Әстерхан ханлыгыノガイ語: Хаҗитархан Ханлыгы)は、15世紀から16世紀にかけてヴォルガ川下流域、カスピ海北岸にあったテュルク(タタール)系アストラハン・タタール人の国家。首都アストラハン

歴史

ヴォルガ川右岸は、中世からハッジ・タルカーン英語版Xacitarxan)またはアストラハン(Actarxan)と呼ばれていた。最古の記録は1333年である。13世紀から14世紀にはジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国)の貿易と政治の中心地となった。

ジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国)が弱体化した後、カザン・ハン国クリミア・ハン国などとともに独立。カーシム・ハン(在位:1466年 - 1490年)によって1466年ごろに創始された。その後を継いだ弟アブドゥル・カリーム・ハン(在位:1490年 - 1504年)のときに大きく発展。水陸の交通、交易の要衝として繁栄したが、クリミア・ハン国など周辺の諸国家から絶えず襲撃を受けた。

1552年にカザン・ハン国を征服したロシアイヴァン4世(雷帝)は、1554年、アストラハン・ハン国を従属国化する。君主デルヴィーシュ・ハン英語版クリミア・ハン国と共にこの一帯からのロシア人駆逐を図ったが、イヴァン4世は1556年軍隊を送りアストラハン・ハン国をロシアに併合した[1]。デルヴィーシュ・ハンはアゾフの要塞に逃亡した。

歴代のハン

  • カーシム・ハン1世(在位:1466年 - 1490年) ジュチ・ウルスのマフムード・ハンの子
  • アブドゥル・カリーム・ハン(在位:1490年 - 1514年) カーシムの弟
  • ジャーニー・ベク(在位:1514年 - 1521年、クリミアのハンとしての在位:1474年 - 1476年) カーシムの子
  • フサイン(在位:1521年 - ?) ジュチ・ウルスのアフマド・ハン(マフムード・ハンの弟)の子
  • シェイフ・アフマド(在位:? - 1528年頃)
  • カーシム・ハン2世(在位:? - 1532年) アフマド・ハンの子サイイド・アフマド・ハンの子
  • イスラーム1世ギレイロシア語版(在位:1531年 - 1532年、クリミアのハンとしての在位:1532年)) クリミアのメフメト1世ギレイ英語版の子
  • アク・クベク(在位:1532年 - 1533年) アフマド・ハンの子ムルタザー・ハンの子
  • アブドゥル・ラフマーン(在位:1533年 - 1537年) アブドゥル・カリームの子
  • デルヴィーシュ英語版(在位:1537年 - 1539年) アフマド・ハンの子シャイフ・アフマド・ハンの子シャイフ・ハイダルの子
  • アブドゥル・ラフマーン(復位:1539年 - 1543年
  • アク・クベク(復位:1545年 - 1546年
  • ヤムグルチ(在位:1546年 - 1554年) アク・クベクの弟ベルディベクの子
  • デルヴィーシュ(復位:1554年 - 1556年

参考文献

  1. ^ 三上正利「シベリアの開拓と人口」『人文地理』第4巻第2号、1952年、94-108,173、doi:10.4200/jjhg1948.4.94 




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