アイギストス
アイギストス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 07:16 UTC 版)
アイギストス(古希: Αἴγισθος, Aigisthos, ラテン語: Aegisthus)は、ギリシア神話の人物。テュエステースの子で、彼の娘ペロピアーと交わって生ませたともいう。一説に、母親から棄てられ、羊飼いに山羊の乳で養育されたためにアイギストスと呼ばれた[1]。 テュエステースの兄弟でミュケーナイ王のアトレウスはアイギストスを自分の子として育て、捕らえたテュエステースを殺すよう命じるが、自分の出生の真相を知ったアイギストスは逆にアトレウスを殺した。トロイア戦争時には、アトレウスの息子アガメムノーンの出征中にその后クリュタイムネーストラーと通じ、帰国したアガメムノーンを謀殺する。しかし、後にアガメムノーンの息子オレステースによって討ち果たされた[1]。
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注釈
- ^ アポロドーロスによれば、クリュタイムネーストラーのほか、ディオメーデースの妻アイギアレイアがコメーテースと、イードメネウスの妻メーダーがレウコスと通じたという[14]。
- ^ カッサンドラーはトロイア王プリアモスの娘。捕虜としてアガメムノーンが連れ帰っていた[16]。また、ヒュギーヌスによれば、クリュタイムネーストラーはパラメーデースの弟オイアクスからアガメムノーンがカッサンドラーを側妻として連れてくると聞かされていた[17]。
- ^ ストロピオスはアガメムノーンの妹アステュオケーを妻としていた[17]。
- ^ オレステースの従兄弟に当たり、二人はストロピオスの宮廷でともに育った[21]。
- ^ なお、グレーヴスは、ホメーロスの『オデュッセイアー』ではオレステースがアイギストスを殺し、その葬儀が母親の葬儀とともに行われたと述べているだけで、直接母親を殺したとはされていないこと、「パロスの年代記」にもオレステースに対する告発に母殺しが挙がっていないことから、オレステースはクリュタイムネーストラーを民衆の裁判に委ねたのではないかとしている。これは、エウリピデスの『オレステース』においてもテュンダレオースが勧めている方法だった[24]。
- ^ レスボス島のペンティレー市を創建した[27]。
- ^ ポセイドーンとアロペーの息子。
出典
- ^ a b c 高津 1960, p. 4.
- ^ 高津 1960, p. 23.
- ^ アポロドーロス, pp. 180-181.
- ^ a b c d e グレーヴス, 1955 & 1, pp. 32-33.
- ^ a b c d e ケレーニイ, 1974 & 2, p. 330.
- ^ ヒュギーヌス, p. 132.
- ^ a b グレーヴス, 1955 & 1, pp. 33-34.
- ^ a b ヒュギーヌス, pp. 133-135.
- ^ 高津 1960, p. 282.
- ^ a b グレーヴス, 1955 & 1, pp. 36-37.
- ^ ケレーニイ, 1974 & 2, p. 331.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, pp. 37-38.
- ^ a b c d 高津 1960, p. 115.
- ^ アポロドーロス, pp. 197-198.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, pp. 38-39.
- ^ 高津 1960, p. 96.
- ^ a b ヒュギーヌス, pp. 172-173.
- ^ a b c ケレーニイ, 1974 & 2, pp. 361-362.
- ^ a b アポロドーロス, pp. 200-201.
- ^ a b ヒュギーヌス, pp. 174-175.
- ^ 高津 1960, p. 210.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, pp. 41-45.
- ^ 高津 1960, p. 93.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, p. 46.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, pp. 60-61.
- ^ a b 高津 1960, p. 71.
- ^ 高津 1960, pp. 259-260.
- ^ グレーヴス, 1955 & 2, p. 4,40.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, p. 40.
- ^ グレーヴス, 1955 & 1, p. 47.
- 1 アイギストスとは
- 2 アイギストスの概要
- 3 系図
- 4 脚注
固有名詞の分類
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