三省堂 大辞林 |
ん
(2)平仮名「ん」は「无」の草体。片仮名「ン」ははねる音を象徴的に示す記号「∨」からの転かという。〔「ん」は、本来、五十音図・いろは歌には含まれないが、それぞれの末尾に付記されることがある。五十音順・いろは順では、それぞれその最後に置かれる〕
ん 1
ん
ん
ん
〔格助詞「に」の転〕話し言葉でのくだけた言い方に用いる。格助詞「に」が動詞「なる」に続くときに用いられる。
「これからは、死んだ気―なって、一生懸命働くつもりだ」「この空模様では、午後には雨―なるかも知れない」
ん
「先生―とこ(=トコロ)へ行くところだ」「傘をあんた―家(ち)へ忘れてきちゃった」
〔準体助詞「の」の転〕話し言葉でのくだけた言い方に用いる。体言に準ずる意味で用いる。また、「んだ」「んです」の形でも用いる。
「その本は僕―だ」「一時間も待っていた―だ」
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京ことば |
但馬方言辞典 |
~ん 1
(~する)ん 2
大阪弁 |
な、(ん)
| 大阪弁 | 訳語 | 解説 |
|---|---|---|
| な、(ん) | なければ、なくては、 ねば、ないと、 なくちゃ、なきゃ |
否定助動詞「ぬ」の仮定形「ね」+助詞の「ば」、「ねば」の転。ナ行音などの前につくと「ん」になる。せなあかん、行かな怒られる、もう寝な、せんならん。「なくては」の転じた「なくちゃ」や、「なければ」の転じた「なきゃ」は東京を中心とする関東方言。越後で「んば」。 |
ん
| 大阪弁 | 訳語 | 解説 |
|---|---|---|
| ん | ない、ぬ | 助動詞「ぬ」の転。打ち消し。己の意志で言い切る、意思による否定。「へん」とは同じではないので、「へん」には置き換えられない。いっこもわからん、なんも言わんと始める、寝てる子を起こさんように、誰もおらん、つかんこと聞きますが、けしからん、わてなんも知らん、そんなとこよう行かん、私にかまわんと進めといて、あないなとこもう二度と行かんで、かなんなあ、早よ行かんと間に合わん、山へはもう登らんとき、宿題もせんと遊んどる、すまん、など。「ず」や「ね」の活用はなくなった。“きょうは朝から行列が途切れんで”などの「ん」はラ行動詞“途切れるで”の音便化によるものなので、打ち消しを表現したい場合は“途切れへんで”と「へん」を使う。佐渡、下越、甲斐、南信濃、駿河以西の西日本から琉球宮古までの語で、江戸でも話されていた中央語。伊豆、甲斐、北信濃、中越以東の東国では、「なふ」の転じた「のう」が使われており、その「なふ」の連体形「なへ」が転じた「ねー」「ない」が現在の「~ない」で、「無い」に由来するものではない。富士山近辺で「なふ」の転じた「の」「のう」、八重山では「ぬ」、八丈島で「んなか」。 |
ん、の
| 大阪弁 | 訳語 | 解説 |
|---|---|---|
| ん、の | の | 所有者や所属を表す。鼻音の前にくる場合など、一部の組み合わせに限り「ん」に変化、または脱落する。わたいは浪花中学校の生徒だす、川ん中の魚、わてとこの犬、書類は社長とこ置いときます、など。“きんののきょうやないかい”のように、特定の使い方をする場合は略さない。琉球で「ぬ」。 |
ん
下関弁辞典 |
博多弁辞典 |
ウィキペディア |
ん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/09 03:32 UTC 版)
| 平仮名 | |
| 文字 | ん |
| 字源 | 无の草書体 |
| JIS X 0213 | 1-4-83 |
| Unicode | U+3093 |
| 片仮名 | |
| 文字 | ン |
| 字源 | 无の変形,尓の上のノ-の部分,撥音記号からなど多数説あり。 |
| JIS X 0213 | 1-5-83 |
| Unicode | U+30F3 |
| 言語 | |
| 言語 | ja |
| ローマ字 | |
| ヘボン式 | N、M |
| 訓令式 | N、N' |
| JIS X 4063 | n, n', nn |
| アイヌ語 | |
| 発音 | |
| IPA | n |
| 種別 | |
| 音 | 清音 |
| 五十音図 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ん | ゝ | わ | ら | や | ま | は | な | た | さ | か | あ |
| っ | ゐ | り | み | ひ | に | ち | し | き | い | ||
| ヴ | る | ゆ | む | ふ | ぬ | つ | す | く | う | ||
| ヶ | ゑ | れ | 江 | め | へ | ね | て | せ | け | え | |
| ー | を | ろ | よ | も | ほ | の | と | そ | こ | お | |
| いろは順 | |||||||||||
| い | ろ | は | に | ほ | へ | と | ち | り | ぬ | る | を |
| わ | か | よ | た | れ | そ | つ | ね | な | ら | む | |
| う | ゐ | の | お | く | や | ま | け | ふ | こ | え | て |
| あ | さ | き | ゆ | め | み | し | ゑ | ひ | も | せ | す |
ん、ンは、日本語の仮名のひとつである。この音は、撥音(はつおん、はねるおん)と呼ばれ、1モーラを形成するが、通常は子音であり、かつ、直前に母音を伴うため、単独では音節を構成せず、直前の母音と共に音節を構成する。ただし、「ん?」などのように語頭にある場合は、母音に代わる音節の核、すなわち音節主音として、単独で音節を構成する。したがって、鼻母音以外に発音される限り、すなわち子音である限り、「ん」は音節主音的な子音である。「ん」は元来五十音には現われないが、一般にわ行の次に置かれる。
目次 |
音韻
現代標準語の音韻: 日本語を母語とする日本語話者にとっては「ん」はひとつの音、すなわち音素 /N/と認識される。しかし、実際の発音は次項で述べるように前後の音や速度、話者により、[n](IPA)、[m](IPA)、[ŋ](IPA) = [N] (X-SAMPA)(gの舌の形での鼻音、またはガ行鼻濁音の子音)、[ɲ](IPA) = [J] (X-SAMPA)(ニャ行の子音)、その他鼻母音などが用いられる。ただし、どの発音を用いても意味上の違いは生じない。
音声学的記述
音声学上の実際の発音: 前項で述べたように「ん」はさまざまに発音される。
- 後続音が破裂音、破擦音および鼻音のように口腔内を通過する空気を完全に閉鎖する子音の場合 - それと同一の調音位置の鼻音。(m)
- 後続音が側音として発音されるラ行音・リャ行音の場合はそれと同一調音位置の鼻音化された側音。
- 後続音が摩擦音、弾き音として発音されるラ行音・リャ行音、半母音または母音の場合 - それと同一調音位置の鼻母音に発音される。(n)
いずれも逆行同化により、「ん」の調音位置と調音様式は後続音の影響を受ける。
- 後続音のない「ん」は鼻音または鼻母音に発音され、口蓋垂鼻音(N)またはその調音位置の鼻母音である。
- 先行音も後続音もない単独の「ん」は口蓋垂鼻音(N)またはその調音位置の鼻母音である。
順序
- 五十音順: 厳密には、「ん」は五十音に含まれないが、通常は、「ん」を含めて五十音順とすることが多い。その場合には、「ん」は五十音の最後、第48位に置かれる。や行い段とえ段のいとえおよびわ行う段のうを数に加えると51位、逆に現代仮名遣いで使われないゐとゑを除くと46位となる。
- いろは順: なし。第48位に「京」の代わりに置かれることがある。その場合には「す」の次。
表記
- 平仮名「ん」の字形: 「无」の草体
- 片仮名「ン」の字形: 漢文の訓点のうち撥音を示す記号「
」(梵字の鼻母音化記号チャンドラピンドゥ、菩提点に由来)の転じたもの、尓の上部、二の転じたもの、无の二を取った形からなどの説がある。 - ローマ字: n - 母音字や y が後続する場合は「n'」のようにアポストロフィーで区切ることもある。ヘボン式では、m, b, p(唇音)で始まる音節が後続する場合、「m」を用いる。ローマ字入力の場合は、後ろに「な行」がくる場合には「nn」とする。
- 点字:
- 通話表: 「おしまいのン」
- モールス信号: ・—・—・
- 発音:
ん
語頭の「ん」
日本語において、共通語には基本的に「ん」より始まる単語が存在しない。ただし方言音などを見ると「生まれる」など語頭に鼻濁音[ŋ]がくる単語があり、それを「ん」で表現することがある。1944年に文部省が制定した『發音符號』にて、語頭の鼻濁音は「ん」と同じであるが、語頭に「ん」を置くのは違和感があるため、「う゚」を使用するように定めたが、この表記はほとんど浸透しなかった。現在、上記の表記を共通語音「う」と特に区別する場合、「ん」が使用されることもある。
- 日本では琉球語に「ン」から始まる単語が多数見られ、中でも与那国方言において顕著である。
- 本来「馬」「梅」は「ンマ」 (mma)「ンメ」 (mme) と発音されており、それが方言として残っている地方もある。古典的仮名遣いでは、「馬」は「むま」と書かれた。また、これらはいずれも大陸からの移入種であり、遡れば中国語の「マー」「メイ」という発音にたどり着く。
- 近年の口語では「そんな」という単語を「んな」と省略して発音する事が増えている(用例:んな事あるわけ無いだろう)。文頭に「ん」が来ている例として指摘できる。
- 日本の東北方言には、「んだ」(そうだ)、「んで」(それで)のように、ソ系列の指示語と助詞の組み合わせの一部に「ン」から始まる文節がある。
- 日本語以外の言語に於いても、「ン」から始まる言葉は少ない。ただしこれは外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名でどのように表記するかという問題とも関連するため、その多寡を単純には結論づけられない(外国語の単語を仮名表記する際、基本的には鼻音で始まり後続する音が母音でない場合に、「ン」で始まる言葉として表される)。
- 中国語の方言である広東語には「ng」および「m」という音節が存在する。例えば名字によくある「呉」の発音は「ng」であり、香港の喜劇俳優「呉孟達」の名前を片仮名表記する場合「ン・マンタッ」と書く。
- 台湾語(閩南語)で「黄」の発音も「ng」である。
- インドネシアバリ島の玄関口であるデンパサール国際空港の正式名称は、ングラライ国際空港 (Bandara Internasional Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) であり、これは独立戦争の英雄グスティ・ングラ・ライに因んでいる。ただしこれについては、「グラライ」の片仮名表記もまた存在する。
- アフリカではンジャメナ、ンゴマ、ンゴロンゴロ、キリマンジャロ(Kilima-Njaro)、ユッスー・ンドゥールなど「ン」から始まる名前・単語が存在する。ただし「ン」の代わりに、「ウン」、「エン」、「ヌ」、「ム」に置き換えられることがある。(エムボマ、エンクルマ、ヌデレバ、タボ・ムベキ)
- 某という言い換えと同様に、内容をぼかす用法がある。例:数千円のことを「ん千円」と言うなど(ただしこれは口語的表現で、文章の場合は「うん千円」などとするのが伝統的表記)。
「ん」という文字を表す目的で単独で使用されることがある。
- いろは四十八組に「ん組」は存在しなかった。最後に追加された48番目の組は「本組」と称した。
- しりとり遊びにおいては、次につなげられないために、「最後に『ん』のつく言葉を言った者が負け」というルールになっていることがふつうである。
- 発音が聞き取りにくいため、日本の自動車用ナンバープレートには「ん」が用いられない。
- 五味太郎作の絵本に「んんんん」という作品がある。
- 岡山県倉敷市児島には、「ん書店」という書店が存在する。
「ん」に関わる諸事項
- な行音などが「ん」に変化する(音便)ことを、撥音便という。
- 例:「〜なのです」⇒「〜なんです」、「ぼくの家(うち)」⇒「ぼくんち」、「せむとす」⇒「せんとす」、「〜なるめり」⇒「〜なんめり」
- 方言の例:「あるの?」⇒「あんの?」または「あるん?」、「あるので」⇒「あるんで」
- 「はねる音」「撥音」と呼ばれるのは、平仮名の「ん」、片仮名の「ン」ともに字形が「撥ねている」からであり、促音(つまる音、『っ』)が音声上の特徴から命名されているのとは異なっている。
- 日本発祥の医薬品の多くに「ン」で終わる商品名がつけられる。これは西洋医学で用いられる化合物の名称が「ン」で終わることが多かったため。
日本語の「ん」
関連項目
関連した本
- で・こ・つ・ん★5 野島けんじ ソフトバンククリエイティブ
- ザ・パワーストーンBOOK 塚田 眞弘 成甲書房
- 幸運を引き寄せるパワーストーン事典 ~運命にはたらきかける神秘の石~ CR&LF研究所 毎日コミュニケーションズ


