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るいそう
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/30 18:01 UTC 版)
(るい痩症 から転送)
るいそう(羸痩、英: emaciation, 独: Abmagerung)とは、脂肪組織が病的に減少した症候をいう[1]。いわゆるやせ(痩せ、leanness, thinness)の程度が著しい状態であり[2]、症候であることを強調するためにるいそう症[3]、あるいは症候性やせ[4]などと称することもある。脂肪組織が過剰に蓄積した症候である肥満症(obecity)、あるいは症候性肥満(symptomatic obesity)と対極にある概念である[5]。
通常、脂肪組織が減少すると、それに伴って筋肉などの非脂肪組織も減少するが、脂肪組織のみが特異的に減少するリポジストロフィーのような例外もある[6][7]。
関連する用語に体重減少(weight loss)が挙げられるが、厳密には別概念とみなすべきという意見もある[2]。一方で体重減少が特に急激であったり、あるいは慢性化したりすると、るいそうに至るため[2][7]、臨床的には体重を基準に診断を行うのが現実的である[1]。また、乳幼児期においては、体重が減少しない場合であっても、単に体重の増加が不良であるだけで、速やかにるいそうをきたす[4]。なお、飢餓による栄養失調(malnutrition)の状態を「るいそう」と総称することもある。
るいそうは、組織各部が萎縮(atrophy)し、体積が小さくなることによって生じると解釈することもできるが、先天的に組織の体積が小さいものは「低形成」(hypoplasia)と呼び、区別される[8]。また、小児における身長、体重、発達など全般的な発育の異常は、「成長障害」(failure to thrive)と呼ぶ[4]。なお、るいそうは、成長障害を伴うことが多い[4]。
るいそうや体重減少には、重要な疾患が背後に存在することも決して珍しいことではなく、早期に原因を検索し、適切に治療を行うことが必要となる。
- ^ a b c d 津田、VI.〔冒頭〕
- ^ a b c d e f 鈴木、1)
- ^ a b 『日本国語大辞典』第二版、13巻、小学館、2002年1月。
- ^ a b c d e 藤枝、7.
- ^ a b c d 出村、2)
- ^ 『医学大辞典』第19版、南山堂、2006年3月。
- ^ a b c d 『内科診断学』、3章 §14 1. 金芳堂。
- ^ a b 伊藤正男・井村裕夫・高久史麿 編『医学大辞典』第2版、医学書院、2009年2月。
- ^ 酒井恒『漢字医学用語』ミクス、1990年4月。
- ^ 日中英医学対照用語辞典編集委員会 編『日中英医学対照用語辞典』朝倉書店、1994年9月。
- ^ a b 高久史麿 監『ステッドマン医学大辞典』第6版、メジカルビュー社、2008年2月
- ^ 吉松、【概念】
- ^ a b 吉田、a.
- ^ a b c 鈴木、2)
- ^ a b c 吉松、【成因・病態生理】
- ^ 『内科診断学』、3章 §14 2. 金芳堂。
- ^ 津田、VI. A.
- ^ a b c 鈴木、3)a)
- ^ 津田、VII.
- ^ 津田、VI. B.
- ^ 津田、VI. C.
- ^ 鈴木、3)c)
- ^ a b 鈴木、3)d)
- ^ a b 吉田、表5-18.
- ^ 武内重五郎『内科診断学』改定15版、南江堂、1997年5月、p60。
- ^ a b 津田、VI. E.
- ^ 「第4章5節2 医薬品の安全性確保」『厚生白書(昭和40年度版)』厚生省、2010年11月3日閲覧。
- ^ 小林美智子「保健医療機関における子どもの虐待の重症度と援助」『虐待の予防、早期発見及び再発防止に向けた地域における推進体制の構築に関する研究』国立保健医療科学院、1999年、2010年11月3日閲覧。
- ^ 筒井孝子、東野定律「わが国の高齢者虐待研究における「虐待」の定義と今後の課題:文献的考察」『保健医療科学』51(3)、国立保健医療科学院p168-173、2002年9月、2010年11月3日閲覧。
- ^ a b 鈴木、3)f)
- ^ 津田、VI. D.
- ^ 鈴木、3)e)
- ^ 海老原, 健 (2007), “脂肪萎縮症と脂肪細胞機能異常”, 細胞 39 (8): 362-365.
るい痩症に関連した本
- 保健体育科教育における肥満羸痩概念の基礎的検討 吉川 和利 溪水社
- 神経性食欲不振症―正しい理解への手がかり (1984年) (栄大選書) 女子栄養大学出版部
- 肥満児とやせ児―その心理と指導 (1983年) (ぎょうせいヘルス・ライブラリー〈12〉) 岡田 桂子 ぎょうせい