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メタンハイドレート(めたんはいどれーと)(methane hydrate)
メタン分子が低温かつ高圧の状態で水分子と化合してできるゼリー状または粉雪状の化学物質のこと。石油や石炭といった従来の化石燃料に代わる次世代のエネルギー資源として期待されている。
メタンハイドレートは、水和物として燃えやすいメタンガスが閉じ込められているため、「燃える氷」と呼ばれることがある。メタン自体は非常に強い温室効果ガスだが、燃焼後には水と二酸化炭素が残るだけなので、環境への負荷が低いと考えられている。
プランクトンの死骸などが堆積する海底では、低温かつ高圧の状態が実現することから、自然にメタンハイドレートを生み出している。日本近海には、このようにしてできたメタンハイドレートが広く分布していると推定されている。
経済産業省は2001年にメタンハイドレート開発計画を策定し、エネルギー資源としての実用化を推進している。東京大学や海洋研究開発機構などの研究チームは20日、新潟県上越市沖の日本海海底深部にメタンハイドレートが深さ100メートルの柱状に存在していると発表した。
(2006.02.22掲載)
石油/天然ガス用語辞典 |
メタン・ハイドレート
【英】: methane hydrate
| 1. 資源 一定数の水分子が水素結合により形成する籠(ケージ)状の格子のなかにメタン分子を取り込んだ包摂物。 理想的には水分子 46 個にメタン分子 8 個が取り込まれる。自然界で、水とメタンとのこのような形での結合が起こるのは、地中での有機物分解でメタンが発生しているという条件のほかに、低温、高圧の環境が必要である。永久凍土帯および水深 500 ~ 1,000m の海底下で、いずれも地下数十~数百メートルの比較的浅いところでその存在が知られている。海底下のメタン・ハイドレート層の存在は、地震探査による BSR(海底擬似反射面)の存在から推定される。日本周辺海域では熊野灘、土佐湾沖合、北海道の襟裳岬沖合、オホーツク海の知床半島沖合等で BSR の存在が確認されており、南海トラフ付近で経済産業省が 2000 年と 2003 年に行ったボーリングによっても実際のメタン・ハイドレート試料の採取に成功している。メタン・ハイドレートを天然ガスの資源として利用するためには、安価に、大量に、安全に採掘するための技術開発が必要である。 水分子:メタン分子が 46:8 の場合、1 m3 のメタン・ハイドレートが溶けるとメタンガス 172 m3 と水 0.82 m3 とになる。すなわち、メタンはハイドレートとなった場合には 172 分の 1 に容積が圧縮される。この性質を利用して、メタンをハイドレート化して輸送しようという研究もなされている。(→英国熱量単位) 主文献『天然ガス新世紀』(2003)、『燃える氷 メタンハイドレート』(2004) (齊藤 隆、2006 年 3 月) 2. 利用 メタンの水分子による包接物。 メタンハイドレートは、水の結晶のなかにメタン分子が入り込み、クラスレート化合物(三次元分子結晶の隙間に他の分子が一定比で閉じ込められたもの)を生成したものである。 スタッケルバーグ(Stackelberg)らの X 線回折測定により、図のように水分子が構成する籠型構造のなかにメタン分子が取り込まれた結晶単位胞の構造をとることがわかっている。ハイドレートはその単位胞の大きさによりいくつかに分類されるが、メタンハイドレートは、I型構造と呼ばれる単位胞の大きさが 12 オングストロームの構造をとり、8 個のメタン分子を 46 個の水分子が閉じ込めている。つまり、分子式は、CH4・5.75 H2O となるため、理論的には 13 の水分子で 2163 のメタンガスを閉じ込めることができる。 このメタンハイドレートは、高圧、低温で氷状の固体物質として、海中、地中に天然に存在する。その由来は、天然ガスと同様の生物起源ガスか、もしくは熱分解ガスと考えられており、一定の条件下で世界中にその存在が認められている。 日本周辺では、四国沖、オホーツク沖、南海トラフ等に、天然ガスのわが国年間消費量の約 100 年分が存在していると推定されている。現在は次世代化石エネルギーとして脚光を浴びているが、1930 年代には、天然ガスの輸送配管等において閉塞を起こす原因が、水の存在により生成するガスハイドレートによるものと判明し、メタノールの注入などでそれを防止していた。 1960 年代になって、永久凍土中に天然のガスハイドレート堆積層が発見された。 1970 年代には海洋において石油・天然ガスの採掘のために音波探査が頻繁に用いられるようになったが、この音波探査において、海底面のさらに下に海底面があるような反射波が観測された。これを海底擬似反射面 BSR と呼ぶが、この海底擬似反射面の上部にメタンハイドレート層、下部にガス層があるケースが判明し、この後世界各地でメタンハイドレート層の探査活動はより活発化した。 現在では上述のように世界各国で次世代エネルギーとして研究開発の対象となっており、1991 年にはチリ沖で初めて意図的に海底擬似反射面が掘削され、1996 年にはアメリカオレゴン州の 100km 沖の水深 785m で初めてそのサンプルが採取された。また、石油公団は、2002 年にはカナダ北西のマリック(Mallik)井で減圧法、熱刺激法(温水循環法)により、初めて連続的にハイドレードメタンを採取した。日本国内では、メタンハイドレート層の存在の有無と地層形状の推定を目的としたコアサンプルの採取のため、2004 年に熊野灘で初めて基礎試錘を実施した。現在の技術では、低コストでの大量採取は非常に困難であるが、各国・各企業がその生産・採取に向け、鋭意取り組んでいる。 (江波戸 邦彦、2006 年 3 月) 図 メタンハイドレートの構造 ![]() |
めたんはいどれーとと同じ種類の言葉
| ハイドレートに関連する言葉 | Lアスパラギンモノハイドレート メタンハイドレート(めたん はいどれーと、めたんはいどれーと) テトラゾリルグアニルテトラゼンハイドレート ハイドレート ガスハイドレート(がす はいどれーと) |
