三省堂 大辞林 |
ふつつか 2 【不▽束】
(1)思慮や能力が足りず、行き届かないさま。未熟。
「―ながら精一杯努めます」
(2)教養がないさま。たしなみがないさま。また、野暮。
「さても恋も情もない―なお方/歌舞伎・壬生大念仏」
(3)優美繊細でないさま。大雑把なさま。
「布の―なるを着たり/今昔 14」「黒方をおしまろがして、―にしりさき切りて/紫式部日記」
(4)太くて不恰好なさま。不細工なさま。
「いと荒々しく―なる様したる翁の/源氏(浮舟)」
(5)太くて立派なさま。重々しいさま。
「いと大きやかに―に肥え給へるが/宇津保(蔵開上)」「―なる後見まうけて/源氏(帚木)」
[派生] ――さ(名)
「ふつつか」の用例一覧
宮本百合子 聟 (青空文庫)
に眼を大きくしてお豊の顔をうち守った。 末娘のきよ子が、年が改まると 二十 ( はたち ) になる。 不束者 ( ふつつかもの ) だが、おひとを見込んでの相談がある。どうか聟になってやってはくれまいか。そういうのであった。 ひた...
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芥川龍之介 六の宮の姫君 (青空文庫)
きり姫君の姿が浮んでゐた。 「栗の実が落ちたのでございませう。」 常陸の妻はさう答へながら、ふつつかに銚子の酒をさした。 四 男が京へ帰つたのは、丁度九年目の晩秋だつた。男と常陸の妻の 族 ( うから ) と...
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新世帯 (青空文庫)
たびはまた不束(ふつつか)な者を差し上げまして……。」とだらだらと叔母が口誼(こうぎ)を述べると、続いて兄もキュウクツ張った調子で挨拶を済ました。 後はしばらく森(しん)として、蒼(あお)い莨(たばこ)の煙が、人々...
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