ばかり【▽許り】
読み方:ばかり
1 範囲を限定する意を表す。…だけ。…のみ。「あとは清書する—だ」「大きい—が能じゃない」
「いそのかみ古き都のほととぎす声—こそ昔なりけれ」〈古今・夏〉
2 おおよその程度・分量を表す。…ほど。…くらい。「まだ半分—残っている」「一〇歳—の男の子」
「三寸—なる人」〈竹取〉
3 (「…たばかりに」の形で接続助詞的に用いて)それだけの原因での意を語調を強めて表す。…ために。「動揺した—に制球が乱れた」「強行採決をした—に議場が荒れた」
4 (動詞の連体形または助動詞「ぬ(ん)」を受けて)ある動作が今にも行われようとする状態を表す。「いつでも出発できる—になっている」「泣き出さん—の顔」
5 (「…たばかり」の形で)動作が完了してまもない状態にある意を表す。「銀行から引き出した—のお金」「今出かけた—だ」
6 (「…とばかり」「…とばかりに」の形で)強調の意を表す。「ここぞと—声援する」「待っていたと—に飛び出す」
[補説] 動詞「はか(計)る」の連用形が名詞化した「はかり」から転じたもので、2が本来の用法とされる。中古では1・2とも、用言の終止形にも付いた。1は中古以降の用法で、中世以降は2は衰え、「ほど」がそれに代わり、1は「のみ」よりも優勢になった。近世以降は、限定に「だけ」「きり」が加わるようになる。なお、「ばかり」はくだけた話し言葉では、「ばっかり」「ばっかし」「ばかし」という形も使われ、また、「っぱかり」の形になることもある。
ばかり
出典:『Wiktionary』 (2021/12/21 14:01 UTC 版)
助詞
ばかり【許り・所り・可り・計り】(副助詞。 体言、副詞、活用語の連体形又は一部の助詞に接続)
- 範囲を限定することを表す。だけ。のみ。
- 限定された範囲の事物が多数あり、そのほかのものはほとんどないことを表す。だけ。のみ。
- だいたいの程度・分量を表す。くらい。
- (「せんばかり」の形で)動作が行われそうである、行われたとしても当然であることを表す。
- (「したばかり」の形で)動作が行われてすぐであることを表す。
- (「したばかりに」の形で)原因がそれのみであることの強調を表す。原因となることをしなければよかったのに、というニュアンスがある。
- (「とばかり(に)」の形で)強調をともなう比喩を表す。
語源
関連語
翻訳
「ばかり」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は外国から帰ったばかりだ
- ほんの少し前にここに着いたばかりだ
- 彼は話してばかりいる
- 「彼は死んだものとばかり思っていた」「私もそう思ってました」
- 口ばかりのやつは大したことがない
- 彼はいつもほらばかり吹いている
- 彼らは激しいけんかばかりしている
- 私はどうしてよいかわからずに立ちつくして彼を見つめるばかりだった
- 彼女はしょっちゅう気が変わってばかりいる
- 私は始終ものをなくしてばかりいる
- この保険は交通事故の際にあなた様ばかりでなくご家族も全員補償します
- 少しばかりの慰め
- 授業をさぼってばかりいたら成績に響くよ
- つまらない細目ばかりでうんざりする講義
- 私には当てにできる蓄えが少しばかりある
- 彼女は流行を追ってばかりいる
- 母は心配で気も狂わんばかりだった
- 私は短大を卒業したばかりだ
- 摘んだばかりの花
- 彼女は自分のことばかり考えていた
品詞の分類
「ばかり」に関係したコラム
-
株式やFX、CFDのギャン理論とは、ウィリアム・デルバート・ギャン(William Delbert Gann)の考案した相場を張る時のルールのことです。ギャン理論は、「ギャンの価値ある28のルール(G...
- ばかりのページへのリンク