はだしのゲン
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『はだしのゲン』は、中沢啓治による、日本の漫画作品。中沢自身の原爆による被爆体験を基にした自伝的な内容である。同漫画を原作として実写映画やアニメ映画・テレビドラマも製作された。戦中戦後の激動の時代を必死に生き抜こうとする主人公中岡ゲンの姿が描かれている。 当初は「週刊少年ジャンプ」で約1半年連載された[1]。その後は1975年から連載再開した。連載先が変わっていき、革新市民団体雑誌の「市民」(1975~76年)、日本共産党中央委員会の「文化評論」(1977~80年)を経て、1982から87年まで日教組の機関誌「教育評論[2]」に連載された[1][3][4]。
注釈
- ^ ただし、作中のエピソードの中には実際の体験と差異があるものもある。例えば原爆が投下されたときゲンは小学2年生だが、中沢自身は1年生の時である。他にも原爆投下直後の父や姉、弟の死を中沢自身は直接には見ていない(後に実際に立ち会った母から聞かされている)ことや、母の死に中沢は立ち会っていなかった(作中の戦後すぐの死去ではなく、終戦から20年後のことであり、中沢は当時東京にいた)ことなどが異なる。
出典
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- ^ “読んでおきたい日本史モノマンガランキング - アニメランキング - goo ランキング”. NTTレゾナント (2013年8月18日). 2016年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月18日閲覧。
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- ^ “天国の「はだしのゲン」作者と広島新井さんとの約束”. 日刊スポーツ. (2018年9月27日) 2021年1月29日閲覧。
- ^ 『おれは見た』は「平和の鐘シリーズ」に収録(中沢 1982r、中沢 1995u、中沢ほか & 中野 2013)。中沢 1994も参照。
- ^ (大村 2013, p. 20 - 21)。中沢はその後エンターテインメント系の読み切り作品を何編か『週刊少年ジャンプ』に掲載したが、『ゲン』ほどの人気は得られなかったという。
- ^ a b (中沢 2012, p. 185 - 186)
- ^ a b (大村 2013, p. 29 - 30)
- ^ a b c d (大村 2013, p. 62 - 65)。この内容は中沢の妻による証言である。
- ^ (中沢 2012, p. 187)
- ^ “はだしのゲン”. 株式会社汐文社(ちょうぶんしゃ). 2022年12月16日閲覧。
- ^ “単行本はまったく売れなかった⁉︎『はだしのゲン』がベストセラーになった真実 | 和樂web 日本文化の入り口マガジン”. 和樂web 日本文化の入り口マガジン. 2022年12月16日閲覧。
- ^ 岩波書店『図書』1975年9月号
- ^ 汐文社版単行本第3巻の後半部分(昭たちが疎開先で玉音放送を聴く場面から巻末まで)がそれに該当する。
- ^ “日本共産党100年への手紙 | | 有田芳生”. 毎日新聞「政治プレミア」. 2023年7月31日閲覧。
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- ^ 『完全版 はだしのゲン』第6巻目次より。
- ^ 中央公論新社・金の星社からの刊行分には「第二部 完」と記されている(『ジャンプ』掲載分の最終ページには「第一部 完」とある)。
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- ^ ふるさと発スペシャル「はだしのゲンは終わらない 幻の続編からのメッセージ」日本放送協会広島放送局制作、2010年7月30日放送より。本番組内で、『幻の第二部』の原稿も紹介されている。
- ^ “「ゲン」作者が資料など寄贈”. 中国新聞. (2009年12月9日). オリジナルの2009年12月14日時点におけるアーカイブ。 2020年4月3日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉プラス
- ^ 朝日新聞 2010年9月5日朝刊 教育面
- ^ 中沢啓治『「はだしのゲン」自伝』教育史料出版会、1994年7月、16-21,28-30頁。ISBN 4-87652-263-4。
- ^ 人件費削減も兼ねている。天野は社長から大月の半分の給料で雇われた。
- ^ 1951年までには麻薬や覚醒剤を取り締まる法律が制定されていたが、長年覚せい剤のヒロポンなどが薬局でも堂々と販売されていたため、中毒者が社会問題となっていた。
- ^ リンチに遭い、河原に放り投げられるまでは生きていた。最後の力を振り絞って、ゲンと隆太そして勝子のいる家にたどり着き、実情を話して力尽きて死亡した。
- ^ 後藤洋平・小玉重隆 (2013年2月15日). “「はだしのゲン」続きあった 中沢さん自宅に新たな遺稿”. ブック・アサヒ・コム (朝日新聞社). オリジナルの2013年8月27日時点におけるアーカイブ。 2020年4月3日閲覧。
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- ^ JASRACデータベースでは正式曲名として「はだしのゲン2オープニング・テーマ」「はだしのゲン2エンディング・テーマ」で登録されている。
- ^ 『北日本新聞』1985年8月6日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『朝日新聞』広島全県1995年8月5日および8月6日朝刊テレビ欄。
- ^ “講談師・神田香織さん 「はだしのゲン」にサックスや人形を加え「立体講談」化 被爆の地獄絵図、舞台で”. 毎日新聞 連載 特集ワイド (2020年9月4日). 2021年2月18日閲覧。
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- ^ a b (中沢 1998g, 中公文庫版第7巻の解説)
- ^ 参照 朝日新聞1945年8月8日付
- ^ “教科書が教えない歴史”. 特集:原爆をいかに語り継ぐべきか 原爆を語るキーワード はだしのゲン. 自由主義史観研究会. 2011年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月25日閲覧。
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- ^ “正論 11月号 (2013年10月01日発売) 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読【総力特集】『はだしのゲン』許すまじ! 問題シーンを一挙公開 これでも子供たちに読ませますか?]”. 産経新聞社. 2020年4月3日閲覧。
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- ^ “【産経抄】8月24日”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2013年8月24日) 2020年4月3日閲覧。
- ^ (中沢 1994, 作者の記述)
- ^ SHUEISHA JUMP REMIX版は、中公文庫コミック版を底本としている。
- ^ 中央公論新社版の区分に基づき、『第二部』と題されている(生前、中沢が構想を抱きながら執筆を断念した“第二部”とは異なる)。なお、2014年刊行のSHUEISHA JUMP REMIX版(表紙等に“第一部”の表記あり)とChukoコミックLite Special版の巻末には、連動する形で相互に広告が掲載されている。
- ^ 梓出版社刊『「はだしのゲン」がいた風景』p190~200記述より
- ^ (吉村 & 福間 2006, p. 196)
- ^ (吉村 & 福間 2006, 第五章)
- ^ 『クイックジャパン』Vol.12に掲載されたインタビューにて語っている。(中沢, アイカワ & BUDO 1997)
- ^ (中沢 1994)
- ^ 中沢啓治『はだしのゲン自伝』教育史料出版会(1994年)P211~213
- ^ フジテレビ『情報プレゼンター とくダネ!』2009年
- ^ “「はだしのゲン」平和教材から削除 「被爆の実態に迫りにくい」広島市教委 | 中国新聞デジタル”. 「はだしのゲン」平和教材から削除 「被爆の実態に迫りにくい」広島市教委 | 中国新聞デジタル. 2023年2月16日閲覧。
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- ^ 「はだしのゲン」回収 泉佐野の市立小中の図書室 朝日新聞 2014年3月20日公開
- ^ a b c d e 日本放送協会. “ロシア語でも訴える「はだしのゲン」 今こそ耳を傾けてほしい | NHK | WEB特集”. NHKニュース. 2023年3月22日閲覧。
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- ^ “英語・ロシア語以外のはだしのゲン”. プロジェクト・ゲン. 2023年3月22日閲覧。
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- ^ 『読売新聞』、2009年7月26日、13S版38面
- ^ “オバマ大統領も読んで…「はだしのゲン」英語版完成”. ZAKZAK (産業経済新聞社). (2009年4月24日). オリジナルの2013年8月31日時点におけるアーカイブ。 2020年4月3日閲覧。
- ^ "マンガ家たちの"戦争"". NHK. 2009年8月6日. 2023年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月8日閲覧。
- ^ a b c (CiNii 2013)
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