三省堂 大辞林 |
なむ 1 【南無】
〔梵 namas〕仏・菩薩・経などを信じ敬い、それに帰依することを表す語。一般に帰依の対象となる語をそのあとに付けて感動詞的に用いる。帰命(きみよう)。納莫(のうまく)。なも。
「―八幡大菩薩、たすけさせ給へ/平治(下)」
「―八幡大菩薩、たすけさせ給へ/平治(下)」
な・む 【▽並む】
並ぶ。連なる。
「松の木(け)の―・みたる見れば/万葉 4375」
並べる。連ねる。なぶ。
「楯(たた)―・めて伊那佐の山の木の間よもい行きまもらひ/古事記(中)」「たまきはる宇智の大野に馬―・めて/万葉 4」
な・む 【▼嘗む】
なむ
(助動)(○・○・なむ・なむ・なめ・○)
〔上代東国方言〕推量の助動詞「らむ」に同じ。
「橘の古婆の放髪(はなり)が思ふ〈なむ〉心愛(うつく)しいで我(あれ)は行かな/万葉 3496」「まかなしみさ寝に我は行く鎌倉の水無瀬川(みなのせがわ)に潮満つ〈なむ〉か/万葉 3366」「群玉のくるにくぎ鎖し固めとし妹(いも)が心は動く〈なめ〉かも/万葉 4390」
〔推量の助動詞「らむ」に相当する上代東国方言には、別に「なも」の形もある〕→なも(助動)
〔上代東国方言〕推量の助動詞「らむ」に同じ。
「橘の古婆の放髪(はなり)が思ふ〈なむ〉心愛(うつく)しいで我(あれ)は行かな/万葉 3496」「まかなしみさ寝に我は行く鎌倉の水無瀬川(みなのせがわ)に潮満つ〈なむ〉か/万葉 3366」「群玉のくるにくぎ鎖し固めとし妹(いも)が心は動く〈なめ〉かも/万葉 4390」
〔推量の助動詞「らむ」に相当する上代東国方言には、別に「なも」の形もある〕→なも(助動)
なむ
(係助)
〔上代の係助詞「なも」の転。平安中期以降「なん」と発音されるようになり、「なん」とも書かれた〕体言および体言に準ずるもの、助詞などに付き、特に取りたてて強く指示する意を表す。
(1)文中にあって係りとなり、文末の活用語を連体形で結ぶ。
「身はいやしながら、母―宮なりける/伊勢 84」「この北山に、限りなく響きのぼる物の音―聞こゆる/宇津保(俊蔭)」
(2)「なむ」を受ける述語を省略し、文末にあって、余情をもたせる言い方をとる。
「かく聞こえたりければ、見さして帰り給ひにけりと―/伊勢 104」「ただここに、人づてならで申すべきこと―/枕草子(七一・春曙抄)」
〔「なむ」は、物語などでの会話文中に多く見られ、和歌にはほとんど用いられない〕
〔上代の係助詞「なも」の転。平安中期以降「なん」と発音されるようになり、「なん」とも書かれた〕体言および体言に準ずるもの、助詞などに付き、特に取りたてて強く指示する意を表す。
(1)文中にあって係りとなり、文末の活用語を連体形で結ぶ。
「身はいやしながら、母―宮なりける/伊勢 84」「この北山に、限りなく響きのぼる物の音―聞こゆる/宇津保(俊蔭)」
(2)「なむ」を受ける述語を省略し、文末にあって、余情をもたせる言い方をとる。
「かく聞こえたりければ、見さして帰り給ひにけりと―/伊勢 104」「ただここに、人づてならで申すべきこと―/枕草子(七一・春曙抄)」
〔「なむ」は、物語などでの会話文中に多く見られ、和歌にはほとんど用いられない〕
なむ
(終助)
〔平安中期以降「なん」と発音されるようになり、「なん」とも書かれた〕文末にあって動詞・助動詞の未然形に接続する。ある行為・事態の実現を期待し、あつらえ望む意を表す。…てほしい。…てもらいたい。
「うちなびく春とも著くうぐひすは植ゑ木の木間(こま)を鳴き渡ら―/万葉 4495」「飛ぶ鳥の声も聞えぬ奥山の深き心を人は知ら―/古今(恋一)」「引き替へて嬉しかるらむ心にも憂かりし事は忘れざら〈なん〉/山家(雑)」
〔上代には、この語の古形「なも」も用いられた〕→なも(終助)
〔平安中期以降「なん」と発音されるようになり、「なん」とも書かれた〕文末にあって動詞・助動詞の未然形に接続する。ある行為・事態の実現を期待し、あつらえ望む意を表す。…てほしい。…てもらいたい。
「うちなびく春とも著くうぐひすは植ゑ木の木間(こま)を鳴き渡ら―/万葉 4495」「飛ぶ鳥の声も聞えぬ奥山の深き心を人は知ら―/古今(恋一)」「引き替へて嬉しかるらむ心にも憂かりし事は忘れざら〈なん〉/山家(雑)」
〔上代には、この語の古形「なも」も用いられた〕→なも(終助)
な
む
(連語)
〔完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に推量の助動詞「む」の付いたもの。「なん」とも〕
(1)動作・状態の実現すること、完了することを確認し推測する意を表す。…するようになるであろう。…することになってしまうだろう。
「年を経て花の便りにこととはばいとどあだなる名をや立ち―
む/後撰(春中)」
(2)動作・状態を実現しようとする強い意志を表す。
「かくだにも妹を待ち―
むさ夜ふけて出で来し月の傾(かたぶ)くまでに/万葉 2820」
(3)動作・状態の実現を勧誘し、また、その実現が適当であるとする意を表す。…したらどうだろう。…したほうがよいだろう。
「忍びては参り給ひ―
むや/源氏(桐壺)」「子といふものなくてあり―
ん/徒然 6」
(4)動作・状態の実現を可能であると推量し、また、許容する意を表す。…することができるだろう。…てもかまわないだろう。
「かばかりになりては、飛びおるともおり―
ん/徒然 109」
〔完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に推量の助動詞「む」の付いたもの。「なん」とも〕
(1)動作・状態の実現すること、完了することを確認し推測する意を表す。…するようになるであろう。…することになってしまうだろう。
「年を経て花の便りにこととはばいとどあだなる名をや立ち―
(2)動作・状態を実現しようとする強い意志を表す。
「かくだにも妹を待ち―
(3)動作・状態の実現を勧誘し、また、その実現が適当であるとする意を表す。…したらどうだろう。…したほうがよいだろう。
「忍びては参り給ひ―
(4)動作・状態の実現を可能であると推量し、また、許容する意を表す。…することができるだろう。…てもかまわないだろう。
「かばかりになりては、飛びおるともおり―
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