三省堂 大辞林 |
隠語大辞典 |
てきや
てきや
的屋
的屋
- ヤシノコトヲ云フ。〔第一類 言語及ヒ動作之部・東京府〕
- 香具師。〔第二類 人物風俗〕
- 神社仏閣等雑閙の処にて賭博様の行為により多衆より金銭を詐取する職業のもの。義理事師に同じ。
- 香具師の一種で、親分から一定の資本又は品物を借り受けて売りその歩合を貰ふものをいふ。一般には夜店商人のことをいふ。
- 香具師の自称。
- 的屋は山師の意味である。総て思惑に依つて商売をすると云ふ意味で「山カン」とか「ヤシ」といふのと同じことに云はれてゐる、即ち乗るかそるか(当るか、はづれるか)いちか、ばちか当物式の商売をやる者の称である。然し所謂的屋の普通の名称は、香具師、矢師、野師、野士などと云つて野天で商ひをする商人のことで、更に今少しく詳しく云ふならば、彼等は必ず親分子分の関係に依つて成立し、商売の場所に就ては常に親分の統制下にあつて単独的行動を採ることをしない、そして彼等は相互防衛上の必要から極めて自由な隠語を有することと、又恰も武士に於ける武士道の如く、彼等には神農道の存することである。香具師の起源に就ては何等文献的のものもないので詳細を知ることは出来ないが、彼の戦国時代に主を失ひ禄に離れた武士が再び別な主君に仕へずとあつて、其侭所謂野武士となり特種な生業に従事するやうになつたのが其始りであると謂はれてゐる。されば矢師は仮名で野士といふ野武士のことであると『近世風俗志』にも見えてゐる。そうして以前には彼等は専ら香具、製薬を商ふことを業としてゐたもので、之等を路傍などで売つてゐた多くは彼の野士であつたといふ。以て野士、野師、香具師などの名称の由来も知られると思ふ。従つて彼等の如斯生業に対しては必ずしも一定の店舗を必要とはしなかつた、随時随所に於て営み啻に自己の生計を立てて行けばそれで事足るので、自然其処に普通の商人との相違した点が出来たのも亦当然なことと云はねばならぬ。同業者との取引関係、信用問題等普通の商人が其商法上特に考慮しなければならぬことも、彼等的屋に取つては別段大した問題ではなく、其の代り何時如何なる場合に際しても、自分のことは自分で解決しなければならず、又自分の選んだ商売は自分の考へた商法を用ひて必ず為し遂けねばならないし、それだけの覚悟と手腕とがなければ的屋としての資格がない訳となる。従つて自己の商品を売捌く為めには、或は長広舌を振ひ、或は詭弁を弄することをも敢えてし、又時には居合抜、独楽廻し、奇術等を以て衆人を集める方法をも講じたものであるが、後には其の芸だけを売物にするものも出来たし、追々武士以外の者も此の一党に加はる様になり、現今では所謂野師の商売も全く多種多様となり、其の範囲も益々広められて来たので、同じ露天商人の中でも普通の商人と此の野師との区別が生じて来たことに注意せねばならぬ。
- 香具師の一種で、一般には夜店商人をいふ。
- 香具師の別称。
- 香具師の一種で、親分から一定の資本又は品物を借り受けて売りその歩合を貰うものをいふ。一般には夜店商人又は野師のことをいふ。甘く客を欺して当れば儲かるし、当らねば駄目といふ意味から弓箭の的に中るに擬して名づけた語である。
- 〔隠〕①夜店商人又は野師のこと、甘く客を欺して当れば儲かるし、当らねば駄目といふ意味より、弓箭の的に中るに擬し名づけた語。②香具師の一種で親分から一定の資本又は品物を借り受けて売りその歩合を貰ふもの。
- 香具師。
- 路店商人又は香具師のことなどをいふ。
- 的屋。露店商人、香具師の類。
- 香具師。名古屋。
- ⑴夜店又は縁日商人のこと、うまく客を釣つて当ればもうかるし当らなければ失敗の意味から、弓箭の的にあたるになぞらえた語。野天で商売するから野師ともいう。⑵香具師の一種。
- 香具師、露店商人などのこと。的屋と書き、うまく客をだまして当れば儲かるが外れれば駄目だというところから矢の的に擬して名づけられたもの。〔香〕
「てきや」の用例一覧
與謝野晶子 住吉祭 (青空文庫)
に入つて居る手代に手びかへを読み聞かせて居る。 『畳二畳敷程の 蛸 ( たこ ) がな、砂の上を這ふてましたのやらう。そうしたら傍に居た娘はんがびつくりしやはつてきやつと云やはりましたで。』 『ほんまだすか。』 『 真実 ( ほんま ) だすとも、うは...
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佐々木味津三 右門捕物帖 七七の橙 (青空文庫)
の声を張りあげました。 「ふざけていやがらあ。なんて気味のわるい駕籠だろうね。さっき見に来たときゃ、たしかに人っ子ひとりいなかったのに、変な虫けらが降ってきやがったんですよ。ね! ほら! あの駕籠がそうなんですが、いつ...
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宮本百合子 浦和充子の事件に関して ——参議院法務委員会での証人としての発言—— (青空文庫)
の要求として行動した人たちこそ判検事が強調した社会問題そのものを具体的に解決しようとして行動しているのだと、それを禁じ、法律によって裁判することの自己矛盾に気づかれるでしょうか。やはりその人々は親子関係における基本的人権についての理解は古いままで、親の方だけ切離して社会問題に取上げて判定されたような分裂が起ってきや...
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