たいふういっか

実用日本語表現辞典

台風一過

読み方：たいふういっか

台風一過とは、台風が通過した後の天候や状況を表す言葉である。台風が過ぎ去ると、その後には晴天が訪れることが多い。これは、台風が周囲の湿った空気を吸い上げ、雲を形成し、雨を降らせるため、台風が過ぎ去った後は乾燥した空気が残り、晴れやすい天候となるからである。また、台風一過は比喩表現としても用いられ、困難な状況が終わった後の安堵感や明るい展望を表す際に使われることもある。

（2023年8月22日更新）

台風一過

読み方：たいふういっか

台風一過（たいふういっか）とは、台風が過ぎ去ること、特に台風が過ぎ去って晴天となることおよびその状態を指す言葉である。また比喩的に、騒動が収まって落ち着いた状態となることにも用いる。

「台風」は「颱風」の書き換えである。「颱風」は、中央気象台長だった岡田武松が、英語typhoonの音訳で命名した。「一過」はさっと過ぎ去ることである。

台風が過ぎ去ったあとに晴天となるのは、台風が高気圧を引き連れてくることや、台風がエネルギーとして空気中の水蒸気を吸収していくことが原因として挙げられる。ただし、台風のあと必ずしも好天に恵まれるとは限らない。

用例：「台風一過の晴天」「台風一過の町を歩く」「事件が過ぎ、台風一過の感がある」

また、台風が北東へ抜ける秋には、寒冷で乾燥した空気を伴った移動性高気圧が大陸から訪れ、列島が晴天におおわれることが多く、その模様を「台風一過の秋晴れ」という。

「台風一家」は誤り。

（執筆：稲川智樹）

（2022年12月5日更新）

台風一過

読み方：たいふういっか
別表記：颱風一過

「台風一過」とは、「台風が通過した後の晴れ晴れとした天気」のこと、転じて「波乱や騒動が落ち着いてすっきり穏やかになること」を意味する表現である。

「一過（いっか）」は「サッと通り過ぎる」という意味の表現である。「涼風一過」「旋風一過」「風雨一過」「驟雨一過」「暴風一過」のような表現でも使えるが、今日ではもっぱら「台風一過」もしくは「一過性」の形で用いられている。

「台風一過」という字面そのものは「台風が一過する」ということであり、台風の動向について述べているとも解釈しうるが、実際は「台風が一過した後の空模様」を形容する表現として用いられている。

台風が通り過ぎた直後というのは、台風が湿気と雲を引き連れて去っていき、代わりに高気圧に覆われることが多く、雲のないカラッとした快晴になることが多い。それまで暴風雨に晒されていたこととの対比も相まって、その爽快さはひとしおである。もっとも、必ずしも台風が通り過ぎた地域がすべて台風一過の好天になるとも限らない。じとじとした悪天候が続く場合などもあり得る。

（2022年12月2日更新）

デジタル大辞泉

たいふう‐いっか〔‐イツクワ〕【台風一過】

読み方：たいふういっか

台風が通り過ぎたあと、空が晴れ渡りよい天気になること。転じて、騒動が収まり、晴れ晴れとすること。