石油/天然ガス用語辞典 |
ソール・リスク
読み方: そーる りすく
【英】: sole risk
同義語: 単独危険負担
【英】: sole risk
同義語: 単独危険負担
| (1) 意義:単独負担:石油・ガスの探鉱・開発作業を複数の当事者で実施する場合、作業〔物理探鉱作業、開発作業などを対象とする場合もないわけではないが、試掘、探・採掘などの掘削作業を対象とするのが通例である〕の実施について、当事者間で意見の一致をみない場合、賛成した当事者(ソール・リスク・パーティ)だけで作業を遂行することをソール・リスク・オペレーションといい、実施当事者のリスク(作業がどのような結果となるかのリスク)と費用の負担をソール・リスクという。具体的内容については、通常共同作業協定またはユニタイゼーション協定において、ソール・リスク条項を設けて定められる。また、産油国国営石油会社との請負作業協定において、外国会社が探鉱作業のリスクを単独で負担する場合にも使用されることがある。 (2) 手続:当事者間の意思決定の場(操業委員会など)において合意した作業計画以外の作業、例えば坑井の掘削を希望する当事者(プロポージング・パーティー)は、他の当事者に対しその旨文書で申し込む。この申込通知書には、予定ロケーション、目的層深度および推定予算が明記されている必要がある。申込通知を受けた他の当事者は通知を受領してから一定期間(例えば 30 日)以内に当該作業に参加するか否かの回答をする。回答がない場合は、当該作業に不参加者と見なされる。一部の当事者が不参加(不参加者はノン・リスキング・パーティーと呼ばれることが多い)の場合、当該作業はソール・リスクの対象作業となり、作業参加者(ソール・リスク・パーティー)はオペレーターに対し作業実施の要求をし、オペレーターはソール・リスク・パーティーのリスクおよび費用負担で当該作業を実施する。また、オペレーターがソール・リスク作業に参加しない場合、ソール・リスク・パーティーが当該オペレーションを実施する場合もある。 (3)ソール・リスク作業当事者の権利・義務: (i) ソール・リスク・パーティーは当該作業を実施することから生じる責任またはリスクの全額を参加メンバーそれぞれの権利の割合に比例して負担する。 (ii) 共同操業は全関係者の合意により推進されるべきものであり、ソール・リスク作業は合意が成立しない場合の例外的な措置である。したがってその実施についてはいろいろな制約――例えば、契約に定める義務作業期間中は、ソール・リスク作業を実施しないこと、ソール・リスクによる掘削作業は同時に2坑以上実施しないことなどを設けている例が多い。 (4) ソール・リスク・パーティーの利益: (i) ソール・リスクで作業を実施した場合、その作業により当該フィールドが生産に至った場合の生産物の配分において、参加者は生産物の先取りによる利益を受ける。先取り利益の程度は、ソール・リスクの対象により、また各操業協定により異なるが、ソール・リスク作業費用の x %と決められているのが普通である(実際には試掘作業で 300 %ないし 1,000 %、探採掘作業で 200 %ないし 500 %程度が多い)ソール・リスク作業参加者の先取り終了後は、全当事者による本来のシェア配分の対象にされるのが一般的であるが、不参加者に一切の利益を還元しない場合もある。 (ii) ソール・リスク作業参加者の利益の一形態として不参加者にシェア・ダウン、ペナルティー支払などの不利益を被らせる場合もある。 (iii) ソール・リスクの定めはどうしても合意できない場合の救済規定であって、このような事態の生じないことこそ望ましい。この観点から探・採掘井の場合のソール・リスク・パーティー先取り分を試掘井以上の倍率に定めている契約もある。 |
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