雪華文散図大小鐔とは? わかりやすく解説

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雪華文散図大小鐔

せっかもんちらしつば

江戸後期慶應
赤銅石目木瓜
打込平象嵌打返

大縦;89.0ミリ横;81.2ミリ
小縦;83.3ミリ横;75.5ミリ
佐藤寒山博士桑原羊次郎箱書

改め説明するまでもなく、幕末名工後藤一乗は、後藤家の中にあって特異な感性示した偉大な人物であり、金工彫金のみならず近代芸術分野多大な貢献をなし、また流派越えて多く作家影響与えた作家として知らぬ者はない。殊に、ここに紹介する雪華文を題に採った大小鐔は、一乗の得意とする図柄文様として展開させた作品一つで、江戸時代後期天保頃、自然科学の面から雪の結晶観察し研究した下総国古河藩土井利位著書雪華図説』にも通ず神秘的な趣がある土井家遺品にもその文様図柄に採り入れた工芸作品数々があり、同家後藤一乗との関係を改め見直す必要もあろうかと思える。この大小鐔は、わずかに青みのある光沢を呈する上質赤銅地を、ごく浅い切り込み設けた泥障風の一乗木瓜形に造り込み、耳を打ち返して地面微細な石目地に仕上げ、さらに地叢風に目を施すことにより静かにの降る空、あるいは降り積もった野の様子表現し厳冬眩い陽の光受けて輝く意味するであろう星形と点状の文様を金の平象嵌の手法で配し、これらを背景として雪華文を打ち込み風の工法により華麗に表現している。自然味の感じられる地肌散らされ雪華文が、少ない金の色絵中にあって落ち着いた風情示し、渋い光沢伴って浮かぴ上がって見える。一点の傷もなく保存状態極めて良好。銘は大小とも『洛北一乗作』と切られ二重箱入で、外箱には佐藤寒山博士箱書、内箱には桑原羊次郎箱書がある。後藤一乗寛政三年に後籐七郎右衛門重乗の次男として誕生幼名栄次郎と称し寛政十一年に謙乗の養子となる。文化二年、謙乗の病死に伴い八郎兵衛家の家督継いで六代目襲い光貨と名乗り文化八年二十一歳には光行改名。さらに文政はじめ頃に光代改名文政七年には法橋叙され翌年三十四歳にて一乗名乗り文久三年には法眼叙される。銘は、後藤八郎兵衛光貨・後藤光代後藤光行後藤法橋一乗後藤法眼一乗などの他、伯應・凸凹山人凸凹翁・寿翁・喜寿翁などの添銘がある。この大小鐔は、銘文から京都住居構えていた慶応頃、七十六、七歳時の作とみられる
雪華文散図大小鐔
雪華文散図大小鐔



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