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キリシタン-ばん 0 【―版】

一六世紀後半から一七世紀初めにかけて、日本キリスト教布教にあたった宣教師たちによって出版された文献総称1590年天正18イエズス会バリニャーノ印刷機伝えてより、島原天草長崎など各地刊行された。「天草版伊曾保物語」「日葡辞書」「ロドリゲス日本大文典」など二九種が知られる。


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キリシタン版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/05 06:05 UTC 版)

(きりしたん版 から転送)

キリシタン版(キリシタンばん)とは、近世初期(16世紀末-17世紀初め)に日本を中心にイエズス会によって刊行されたローマ字、あるいは漢字仮名による印刷物の通称である。

キリスト教の布教のため、日本へ来た司祭アレッサンドロ・ヴァリニャーノが、教団の教育事業の一貫として計画した。その計画は、必ずしも成功したとはいえなかった。しかし、50点以上の出版物が刊行され、また東アジアではじめて西洋印刷術によって印行された、書物・印刷史上重要な刊行物であり、ローマ字表記された当時の日本語口語文など、言語史上にも貴重な資料になっている。

キリシタン版と呼ばれる書物群は、論者によって The Jesuit Mission Press in Japan [1][2]や日本耶蘇会版[3]、吉利支丹版[4]などとも呼ばれ、細目は一致しないこともあるものの、日本においてイエズス会が刊行した書目を中心にすえる点では、大体一致している[5]


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  1. ^ E. M. Satowによる
  2. ^ また、キリスト教研究では「日本イエズス会版」が妥当と看做すことが多い。海老沢有道「キリシタンばん キリシタン版」(日本キリスト教歴史大辞典編集委員会編『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年2月)、尾原悟・松岡洸司「キリシタンばん キリシタン版」(学校法人上智学院新カトリック大辞典編纂委員会編『新カトリック大辞典』II、研究社、1998年1月)を参照。
  3. ^ 幸田成友による
  4. ^ 新村出による
  5. ^ 富永a: 6-7。ただし富永らは断簡等までを含めた日本における印行物を全部数え、ラウレスは『キリシタン文庫』においてイエズス会資料として刊行物とともに写本類や追放後資料をも数えている。福島 (1973): 20-1。サルペ・レジイナ、十戒他断簡は出版物ではなく、数えないことも当然ありうる。福島 (1973): 54。
  6. ^ 大内田: 22。
  7. ^ 新井a (6): 44、新井b (3)。
  8. ^ 新井b (2): 34-7
  9. ^ 大内田: 32。
  10. ^ 大内田: 38、44。
  11. ^ 新井c: 45-6。
  12. ^ 福島 (1983): 35。国字本についてはメキスタの書簡に「サルバトール・ムンヂ」が1500部以上印刷(新井a (6): 44)、別の書簡で、長崎版『こんてむつす・むん地』の1300部の印行(Diego Pacheco S. J.「長崎サンティアゴ病院の鐘」佐久間正訳、キリシタン文化研究所編『キリシタン研究』第14輯、吉川弘文館、1972年8月、248ページ)の報告がある。欧字本についてはヴァリニャーノがラクタンキウスの著を600-800部、「カテキズム・ロマヌス」を400-500部ヨーロッパから送付するよう依頼していることから推量されうるだろう。新井a (6): 43-4。
  13. ^ T・F・カーター著、L・C・グドリッチ改訂『中国の印刷術 その発明と西伝』2、平凡社〈東洋文庫〉、1977年10月、202ページ。
  14. ^ 大内田: 31。
  15. ^ 亀井高孝・坂田雪子『ハビヤン抄キリシタン版平家物語』吉川弘文館、1966年10月、1975年3月(二版)、1ページ。原文は以下の通りである(『天草版平家物語』上、勉誠社、1976年9月)。“NIFON NO/ COTOBA TO/ Historia uo narai xiran to/ FOSSVRV FITO NO TAME-/ NI XEVA NI YAVARAGVE TA-/ RV FEIQENO MONOGATARI.”
  16. ^ 大河内: 22-5。
  17. ^ 新井 a (3): 40-1、新井b (3): 46、福島 (1973): 19-55、大内田: 24-5。
  18. ^ 柊: 7、29-31。
  19. ^ 福島 (1973): 6-7。
  20. ^ 福島 (1973): 175-9。
  21. ^ 福島 (1973): 5-8。またキリシタンの文献においてもっとも古く半濁音符が見いだされたり、活字の開発のために漢字整理がなされていたりすることも表記史として重要である。福島 (1973): 242、豊島正之「キリシタン文献の漢字整理について」東京大学国語国文学会編『国語と国文学』第79巻第11号、至文堂、2002年11月、47-59ページ。
  22. ^ 新井a (1): 30、福島 (1983): 。
  23. ^ ポイントシステムが考案される以前はフォントは特定の大きさの名称を帯びていて、また統一されていなかった。ここにおけるポイント数は相当値を示す以上のものではない。富永・新井: 95。
  24. ^ 福島 (1973): 240、大内田: 16。ただし、大内田は先後にふれず、新井は用語や小型活字から半濁点記号が使われていることから大型活字に先行しないと見ている。新井: 85-6。
  25. ^ 新井a、柊: 8、山口: 17-20。
  26. ^ 富永・新井: 86。
  27. ^ 富永牧太『きりしたん版文字攷』天理: 富永牧太先生論文集刊行会、1978年4月、376-7ページ、柊: 33。
  28. ^ 山口: 16-7、山根:120-1。
  29. ^ 山口: 23-30、大内田: 28、30。
  30. ^ 新井 a (4): 37。
  31. ^ 新井b (1): 57、ただし天理図書館所蔵分のみの調査。
  32. ^ 澤田: 165。
  33. ^ 山根: 99、大内田: 32。
  34. ^ 河合忠信・村本正人「きりしたん版の書誌解説」(『きりしたん版の研究』128-163ページ)、山根: 99。八木壮一「新発見のきりしたん版 「ナバルスのざんげ」」(日本古書通信社『日本古書通信』第51巻第5号、1986年5月、2-4ページ)により補う。
  35. ^ 福島 (1973): 103-4, 118-9。
  36. ^ 宮嶋一郎「きりしたん版『太平記抜書』の編集態度のこと」『天理図書館善本叢書月報』40、八木書店、1978年5月、1-4ページ、大塚光信『抄物きりしたん資料私注』清文堂、1996年4月、183-213ページ。
  37. ^ 福島 (1973): 3-12。
  38. ^ 福島 (1983): 133-45、183-4。
  39. ^ Laures, Johannes. Kirishitan Bunko: a manual of books and documents on the early Christian missions in Japan/ with special reference to the principal libraries in Japan and more particularly to the collection at Sophia University, Tōkyō. Tokyo: Sophia Univ., 1940.; Suppl. 1941, 1451.; 3rd rev. and enl. ed. 1957.
  40. ^ 澤田、福島 (1973): 19-20。
  41. ^ 大内田貞郎、高部萃子「朝鮮古活字版に想うこと 特に活字の形状と植字版を中心に」『ビブリア 天理圖書館報』89号、天理大学出版部、1987年10月。
  42. ^ 山口忠男・森上修「慶長勅版「長恨歌琵琶行」について(上) 慶長勅版の植字組版技法を中心として」『ビブリア』95号、1990年11月。森上修「慶長勅版「長恨歌琵琶行」について(下) わが古活字版と組立式組版技法の伝来」『ビブリア』97号、1991年10月。山口忠男「初期キリシタン版の国字大字本について 「ばうちずもの授けやう」の印刷面を中心として」『ビブリア』98号、1992年5月。
  43. ^ 豊島正之「キリシタン文献の漢字整理について」(東京大学国語国文学会編『国語と国文学』第79巻11号、至文堂、2002年11月、47-59ページ)や、白井純「キリシタン版前期国字版本の平仮名活字について」(石塚晴通教授退職記念会編『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』汲古書院、2005年5月、836-843ページ)を参照。


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