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きずな (人工衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/27 16:36 UTC 版)

超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」
所属 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
主製造業者 NEC東芝スペースシステム
(全体システム担当)
公式ページ 超高速インターネット衛星
「きずな(WINDS)」
国際標識番号 2008-007A
カタログ番号 32500
状態 定常運用中
目的 通信衛星
設計寿命 5年
打上げ機 H-IIAロケット 14号機
打上げ日時 2008年平成20年)2月23日
17時55分
物理的特長
本体寸法 2m x 3m x 8m
最大寸法 21.5 m
(太陽電池パドル翼端間)
質量 4,850 kg(打上げ時)
2,700 kg(静止軌道初期)
2,400 kg(乾燥質量)
発生電力 約5.2 kW以上
(EOL夏至において)
主な推進器 BT-4
姿勢制御方式 3軸姿勢制御
軌道要素
軌道 静止軌道
静止経度 東経143度
高度 (h) 35,786 km
通信機器
MBA マルチビームアンテナ
MPA マルチポートアンプ
APAA アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ
ABS 高速スイッチングルータ
IFS IFS交換部
NITR 網情報送受信部

きずなWINDS : ウィンズWideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と情報通信研究機構 (NICT) が共同で開発した超高速インターネット衛星2008年(平成20年)2月23日H-IIAロケットにて打ち上げられた。

目次

目的

政府が2001年(平成13年)に策定した「e-Japan重点計画」に基づき、無線による広範囲かつ超高速の固定用国際ネットワークを構築する技術を実証するために開発された。[1]

また、e-Japan戦略を受けてJAXAが提案している宇宙インフラ構想「i-Space」の一翼を担う衛星でもある。

アジア・太平洋の高速インターネットが行き届いていない地域(離島)、災害時など地上設備による通信が困難な環境での通信技術の獲得、地域間の情報格差を解消し、医療・教育・災害対策に寄与する事を目的としている。

通信速度

一般家庭用
直径45cm(一般的な衛星放送用アンテナと同じサイズ)のアンテナを設置した場合、下り(衛星から家庭へ)は約155Mbps、上り(家庭から衛星)は1.5~6Mbpsである。
企業用
直径5mの地上局を設置した場合、1.2Gbpsでの通信が可能である。

商用サービス化

きずなは技術実証を目的にしており、商用サービスには向いていない。マルチビームアンテナ (MBA) により日本を複数のビームでカバーしているが、衛星上でのスイッチング能力が不足しており、イントラネットサービスは同一ビーム内に限られる。また、MBAは日本の離島部をカバーしてない。

商用サービス用には、きずなの技術を利用した別の衛星が打ち上げられる予定であった。2003年(平成15年)、超高速衛星インターネットサービスの事業化を目指して、NECNEC東芝スペースシステムJSAT(現・スカパーJSAT)の3者の出資により、株式会社超高速衛星インターネットサービス企画(BBISS)が設立された。当初は、2005年(平成17年)度にきずなを、2007年(平成19年)度に商用のBBISS衛星を打ち上げてサービスを開始する予定だったが、2006年(平成18年)2月には、BBISS衛星の打ち上げは2008年(平成20年)度に先送りされた。しかし、2008年(平成20年)5月時点では未だBBISS衛星打ち上げの具体的な計画はない。

BBISS衛星によって、e-Japan戦略で目指している2010年(平成22年)度までの地域間の情報格差の解消と、地上波デジタル放送を衛星経由で再送信してアナログ放送のデジタル化の遅れをバックアップすることが期待されていた。

NEC東芝スペースシステムの試算では、商用化の際の一般家庭での利用料は、設備費10万円、通信費月3,000円を見込んでいた。(加入者が200人以上の場合)[2]




  1. ^ e-Japan重点計画 第2章 (3)項 - エ)- a) -i)
  2. ^ 超高速インターネット衛星の課題 (NTスペース) 18ページ [1]
  3. ^ H-IIAロケット14号機 による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げ延期について (JAXA / MHI)
  4. ^ 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を利用した155MbpsでのIP通信確認結果について (JAXA / NICT)
  5. ^ 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による世界最高速1.2Gbpsの衛星データ通信の成功について (JAXA / NICT)
  6. ^ 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)搭載通信機器の自動電源オフについて (JAXA / NICT)
  7. ^ 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)広域電子走査アンテナによる622Mbps衛星データ通信に成功 (JAXA / NICT)
  8. ^ 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の定常段階移行について (JAXA / NICT)
  9. ^ 国立天文台・7.22皆既日食中継 国立天文台2009年(平成21年)7月23日閲覧
  10. ^ JAXAによるかぐや打ち上げ延期の発表文
  11. ^ 文部科学省・宇宙開発委員会 2007年度第24回 議事録[2]
  12. ^ 読売新聞 2007年11月19日の報道
  13. ^ プロトフライトモデル (PFM) とは、プロトタイプモデル(試作機)と実際に打ち上げる実機(フライトモデル)の両方を兼ねるモデルのこと。部品の品質や機体の試験技術が向上したことにより、振動試験などの機械環境試験を行うプロトタイプモデル (PM) と、実際に打ち上げるフライトモデル (FM) とを分けて製作する必要性が低下した。これにより、衛星開発のコストダウンが図られる。[3]
  14. ^ きずなにおいては、NEC東芝スペースシステム(NTスペース)が全体システムを取りまとめていたが、2007年(平成19年)4月以降は実質的にNEC本体が事業責任を負う体制となっている。[4]


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