かん水とは? わかりやすく解説

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かん‐すい【×梘水】

読み方:かんすい

中華そば作るとき、粉にまぜる炭酸カリウムなどの溶液粘弾性増し、独特の色と香りをつける。食品添加物の一。


かん‐すい【贛水】

読み方:かんすい

贛江(かんこう)の異称


かん‐すい〔クワン‐〕【×灌水】

読み方:かんすい

[名](スル)を注ぐこと。多く草木農作物注ぎかけることにいう。「苗床に—する」


かん‐すい【×鹹水】

読み方:かんすい

塩からい塩分を含む天然海水

製塩過程濃縮した食塩濃度の高い。また一般に、濃い塩類水溶液ブライン塩水


かん水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 07:28 UTC 版)

かん水を混ぜた中華麺

かん水(かんすい)は、中華麺などの製造に使うアルカリ水溶液で、小麦粉に混ぜることで柔らかさや弾力性をもたせる[1]。中華麺特有の麺の風味、感触、色合いは、かん水を入れることにより生じる[2]

呼称

梘水、鹹水、乾水、漢水とも表記される[3]

中国古代の文献『本草綱目』に拠ると、「の音に二有り、音咸は、下を潤おすの味なり。音減は、塩土の名なり。後人に作りに作る是れなり」と有り、塩辛い義の「鹹」とは別であることが分かる。

起源

中国の内モンゴル自治区では、偶然、鹹水塩湖のアルカリ塩水)を使った製麺技法が発見され、麺類の伝播とともに日本にも広がった。

日本に麺食を伝えた中国では現在、西北部の中心都市である甘粛省蘭州の名を冠した蘭州拉麺の名称の手打ち麺が全国的に消費されているほか、鹸水の他にアヒルの卵などをも練りこみ、香港やマカオなど広東を中心に食べられている生麺(粤拼: saang1min6)など、鹸水は広く用いられている。また、ワンタンの皮作り、スルメのような乾物を、ほぼ生に近い状態に戻すときなどにも使用される。副作用として、かん水独特の臭気と苦味の発生がある。

市販のかん水

日本で販売されているかん水には「固形かん水」と「液体かん水」がある。「固形かん水」は炭酸ナトリウムが主成分となっているが、「液体かん水」は溶解度の関係から炭酸カリウムが主成分となっている。どちらも基本的に炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混合物で、リン酸塩が混合されている場合もある。

かつては工業用の苛性ソーダケイ酸ソーダ、さらには洗濯ソーダなどを原料とした粗悪なかん水が出回り、健康への影響が懸念された。その経緯から、現在では日本食品添加物協会が発行する「かんすい確認証」を添付しないとかん水として販売できなくなっている[4][5]

有効成分

かん水類似物質

本来、鹸水の天然成分としての塩は炭酸ナトリウムである。しかし、食品添加物として販売されるものについては、炭酸カリウムやポリリン酸カリウムなど他のアルカリ成分であっても「かんすい」と表示することが認められている。

炭酸水素ナトリウム
「重炭酸ナトリウム」、「重曹」とも呼ばれる。製麺時にかん水の代わりに使用しても同様の効果が得られる。炭酸ガスによる気泡を含むことがある。
水酸化ナトリウム
「苛性ソーダ」とも呼ばれる。洗濯用に安価で手に入ったため、戦前から終戦後しばらくは中華麺の製造に普通に使われた。現在でも食品添加物として使用可能であるが、厳しい条件がつけられて使用例は少ない。
灰汁 (はいじる、あく)
植物などを燃やした後に生じるを水に溶かし、煮詰めた上澄み液のこと。主成分は炭酸カリウムで、沖縄そばにおいてかん水の代用として、ガジュマルデイゴなどの灰が用いられることがあり、「木灰そば」と呼ばれる。
唐灰汁 (とうあく)
炭酸ナトリウムを主成分として人工的に調合された薬品。日本独自の呼称であり、長崎市内にある3軒の業者でのみ生産されている。食品衛生法では「かんすい」の一種として分類されており、長崎ちゃんぽん唐灰汁ちまきの製造などに用いられる。一般的なかん水よりも炭酸ナトリウムの割合が多く、約9割を占める。

参考文献

注・出典

  1. ^ 『知っておきたい食品衛生 六訂版』(食品保健研究会、大蔵省印刷局、2000.1、ISBN 4172175074)p.220.
  2. ^ 『知っておきたい食品衛生 六訂版』p.2203
  3. ^ 梘水』 - コトバンク
  4. ^ ラーメン起源の伝説:蒙古王かんすいストーリー”. 木曽路物産株式会社. 2019年6月10日閲覧。
  5. ^ めんのひみつ ~かんすい・水”. 西山製麺株式会社. 2019年6月10日閲覧。

「かん水」の例文・使い方・用例・文例

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