お市とは? わかりやすく解説

お‐いち【御市】

読み方:おいち

落雁(らくがん)に似た駄菓子の名。

「—なら饅頭(まんぢゅう)でありさうなもの」〈滑・浮世風呂・前〉


お市の方

(お市 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 00:08 UTC 版)

お市の方(おいちのかた)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての女性。初め近江戦国大名浅井長政継室で、後に織田家重臣の柴田勝家正室となった。小谷の方(おだにのかた)、小谷殿とも称される。名は通説では「於市」で、「お市姫」(お市御料人)とも云い[1]、『好古類纂』収録の『織田家系譜』には「秀子」という名が記されている[2]


注釈

  1. ^ a b 享年37とだけ伝えられており、生年は没年から逆算したものである。後述のように生年には異説がある。
  2. ^ a b 市の年齢は天文16年出生説に従うと20代となり、戦国期大名家中における女性の初婚年齢は平均13〜14歳で初婚としては遅く、市の生年が誤りであるか初婚でない可能性が指摘される他、市と長政の婚姻を永禄4年とする説も提唱されている[4]
  3. ^ 市は通説では信長の妹であるが、江戸時代の『織田系図』に信長の従兄弟・織田広良(與康)の娘と記され、『以貴小伝』では「いとこにておはせしを妹と披露して長政卿におくられしにや」と記述されるなど従妹[5]とするものがあり、信長の叔父・織田信光の娘との説もある。
  4. ^ 信包の生母を土田御前とする場合はこれに信包も加わる。また、信長や信包の市に対する待遇が姉妹の中では大変厚かったことから、信長・信包の同腹の妹であるという説もある。
  5. ^ a b 長女の茶々(淀殿)は通説では浅井長政との娘だが、『浅井氏家譜大成』を根拠として、茶々は連れ子という説があり、当時では晩婚であったために長政以外の男性に嫁いだ可能性がある。
  6. ^ 明正天皇は独身で子がなかった。しかし、三女・江の娘・豊臣完子は九条幸家に嫁いで九条道房を生み、その子孫が大正天皇皇后・節子昭和天皇の母であるため、今上天皇と血が繋がっている。
  7. ^ 宮島敬一は永禄10・11年説はないとしたうえで、婚姻は永禄2年6月以降遅くとも永禄6年を下らない時期とする[11]
  8. ^ 江戸時代前期の寛文の末に書かれた軍談物『 浅井三代記』では、兄・信長の「娘分」として永禄7年(1564年)に近江国浅井長政に嫁いだとされる。
  9. ^ 奥野論文で存在が指摘された永禄8年12月に出された和田惟政から三雲定持・成持父子に充てられた書状(「福田寺文書」)の中に六角義賢が惟政に信長と長政の縁組の斡旋を指示したとする記述がある。当時、和田は足利義昭の上洛のために信長との交渉にあたっており、六角氏もこの時点では義昭方であった(後に離反する)[12]
  10. ^ 浅井氏家譜大成』によると、長男の万福丸は長政の先妻の子。次男の万寿丸は実母不明だが側室の子とされる。
  11. ^ 信長によって結婚の際に織田家から付けられた家臣。
  12. ^ 『渓心院文』[16]
  13. ^ 『南行雑録』所収堀秀政宛て天正10年10月6日勝家書状「覚書」[18]
  14. ^ 勝家と夫婦であった期間は6か月ほどに過ぎない。
  15. ^ 成人後の淀殿と兼任。

出典

  1. ^ a b 桑田 1979, p. 274.
  2. ^ 足立尚計著『風の俤 福井の客人たち』能登印刷出版部 2001年8月 ISBN 4-89010-385-6
  3. ^ a b c d 岡田 1999, p. 149.
  4. ^ 長浜市長浜城歴史博物館, 太田浩司「北近江の戦国史」.
  5. ^ 西ヶ谷 2000, p. 246.
  6. ^ 神田 2008, p. 97.
  7. ^ a b c 岡田 1999, p. 148.
  8. ^ a b 西ヶ谷 2000, p. 247
  9. ^ a b 奥野高廣「織田信長と浅井長政との握手」『日本歴史』248号、1969年。 
  10. ^ 宮本 1986.
  11. ^ 宮島敬一『浅井氏三代』吉川弘文館、2008年、177頁。 
  12. ^ 久保尚文「和田惟政関係文書について」『京都市歴史資料館紀要』創刊号、1984年。 /所収:久野雅司 編著「足利義昭」、戒光祥出版、2015年、ISBN 978-4-86403-162-2 
  13. ^ 神田 2008, pp. 104–105.
  14. ^ 永田恭教「江と信長-知られざる前半生-」『歴史読本』56巻7号、2011年。 
  15. ^ 桑田 1979, p. 276.
  16. ^ 宮本 2010, pp. 66–74.
  17. ^ 宮本 2010, pp. 74–75.
  18. ^ 高柳光寿『戦史ドキュメント 賤ヶ岳の戦い』〈学研M文庫〉2001年、25-26、226-227頁頁。 (原本 春秋社 1978年)
  19. ^ a b c 桑田 1979, p. 278.
  20. ^ 桑田 1972, p. 15.
  21. ^ 桑田忠親『淀君』吉川弘文館、1958年、5-6頁。 
  22. ^ 桑田 1972, p. 169.
  23. ^ 神田 2008, p. 106.
  24. ^ 神田 2008, p. 107.
  25. ^ 宮本 2010, pp. 93–94.
  26. ^ 宮本 2010, pp. 90–92.
  27. ^ 北川 2008, pp. 197–198, 「それからのお市と娘たち」.


「お市の方」の続きの解説一覧

お市(おいち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/02 04:35 UTC 版)

○○せよ!! 戦国学園生徒会」の記事における「お市(おいち)」の解説

先代生徒会長信長の妹。

※この「お市(おいち)」の解説は、「○○せよ!! 戦国学園生徒会」の解説の一部です。
「お市(おいち)」を含む「○○せよ!! 戦国学園生徒会」の記事については、「○○せよ!! 戦国学園生徒会」の概要を参照ください。


お市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 03:06 UTC 版)

戦国八咫烏」の記事における「お市」の解説

信長の妹であり長政の妻。絶世美貌持ち主

※この「お市」の解説は、「戦国八咫烏」の解説の一部です。
「お市」を含む「戦国八咫烏」の記事については、「戦国八咫烏」の概要を参照ください。


お市(おいち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 04:52 UTC 版)

うしろの正面カムイさん」の記事における「お市(おいち)」の解説

市松人形付喪神100年上様々な持ち主渡り歩き坊主神主たちを恐れさせてきた。髪を自由自在に操ることができる。カムイ事務所送られて、怖がらせようとするが、逆に除霊される。その後は、カムイ事務所に住むことになり、除霊活動一緒に行うようになる

※この「お市(おいち)」の解説は、「うしろの正面カムイさん」の解説の一部です。
「お市(おいち)」を含む「うしろの正面カムイさん」の記事については、「うしろの正面カムイさん」の概要を参照ください。


お市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 02:07 UTC 版)

徳川家康 (山岡荘八)」の記事における「お市」の解説

信長実妹浅井長政嫁ぎ淀殿常高院小督産んだ。のちに柴田勝家再嫁する。

※この「お市」の解説は、「徳川家康 (山岡荘八)」の解説の一部です。
「お市」を含む「徳川家康 (山岡荘八)」の記事については、「徳川家康 (山岡荘八)」の概要を参照ください。


お市(おいち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/04 07:01 UTC 版)

ぼくらの戦国白球伝」の記事における「お市(おいち)」の解説

信長の妹。織田軍のマネージャー務めている。かなりの美少女だが、髷と髭でしか信長判断できない

※この「お市(おいち)」の解説は、「ぼくらの戦国白球伝」の解説の一部です。
「お市(おいち)」を含む「ぼくらの戦国白球伝」の記事については、「ぼくらの戦国白球伝」の概要を参照ください。


お市(おいちのかた)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 23:43 UTC 版)

秀吉でごザル!!」の記事における「お市(おいちのかた)」の解説

信長の妹。浅井長政の下に政略結婚として嫁いでいる。藤吉郎一目惚れした相手で、実質的に藤吉郎織田についたきっかけともいえる人物。なお、信長は市を非常に愛しており、神の名騙りお市を侮辱した謎の人物藤吉郎)がいると聞く激昂し、見つけしだい「千切り殺す」と宣言していた。

※この「お市(おいちのかた)」の解説は、「秀吉でごザル!!」の解説の一部です。
「お市(おいちのかた)」を含む「秀吉でごザル!!」の記事については、「秀吉でごザル!!」の概要を参照ください。


お市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 01:21 UTC 版)

きっとシリーズ」の記事における「お市」の解説

蒼生子の叔母

※この「お市」の解説は、「きっとシリーズ」の解説の一部です。
「お市」を含む「きっとシリーズ」の記事については、「きっとシリーズ」の概要を参照ください。


お市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 03:08 UTC 版)

内閣総理大臣 織田信長」の記事における「お市」の解説

信長の妹。私人だが、信長執務室にもよく出入りしている。

※この「お市」の解説は、「内閣総理大臣 織田信長」の解説の一部です。
「お市」を含む「内閣総理大臣 織田信長」の記事については、「内閣総理大臣 織田信長」の概要を参照ください。


お市(おいち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 14:34 UTC 版)

戦国ARMORS」の記事における「お市(おいち)」の解説

信長実の妹。天下一美女として知られる光秀幾度となくお市に対して下心見せ信長300回も殴られていたらしい信玄駄洒落に対して真面目に返答するなどやや天然ボケの面があり、お長曰くしっかりしてなくて頼りならないダメな姉」。その一方幕間では腹黒い一面見せており、自身が前より若々しくなっていることを指摘したお長詰め寄ったり、自身をけなしつつも心配したお長に対して幼少期お長寝小便自身処理していたことをネタ威圧していた。

※この「お市(おいち)」の解説は、「戦国ARMORS」の解説の一部です。
「お市(おいち)」を含む「戦国ARMORS」の記事については、「戦国ARMORS」の概要を参照ください。


お市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 21:32 UTC 版)

清須会議 (小説)」の記事における「お市」の解説

信長の妹で絶世の美女浅井長政嫁いでいたが、浅井家滅亡後三人の娘と共に織田家戻っている。夫の長政とは深く愛し合っていたため、夫と当時十歳だった息子万福丸殺した兄と、その命を実行した秀吉深く恨んでいる。勝家秀吉双方から好意向けられていることに気づいており、秀吉への恨みを晴らすべく勝家利用する

※この「お市」の解説は、「清須会議 (小説)」の解説の一部です。
「お市」を含む「清須会議 (小説)」の記事については、「清須会議 (小説)」の概要を参照ください。


お市(声:金月真美)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 23:13 UTC 版)

決戦III」の記事における「お市(声:金月真美)」の解説

信長の妹で絶世の美女浅井長政嫁ぐが、浅井家滅亡後子供茶々と共に信長の下に戻る。仲間なるにはゲームモード上級プレイし、「長篠決戦」をクリアしたあとの評定をむかえなければならない武将系統は「僧侶」。

※この「お市(声:金月真美)」の解説は、「決戦III」の解説の一部です。
「お市(声:金月真美)」を含む「決戦III」の記事については、「決戦III」の概要を参照ください。


お市(おいち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:52 UTC 版)

孔雀王」の記事における「お市(おいち)」の解説

信長異母妹黒人の母譲りの肌に劣等感抱いていたが、長政見初められて仲睦まじき夫婦となった。兄譲り気性武芸持ち主

※この「お市(おいち)」の解説は、「孔雀王」の解説の一部です。
「お市(おいち)」を含む「孔雀王」の記事については、「孔雀王」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「お市」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「お市」の関連用語

お市のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



お市のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのお市の方 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの○○せよ!! 戦国学園生徒会 (改訂履歴)、戦国八咫烏 (改訂履歴)、うしろの正面カムイさん (改訂履歴)、徳川家康 (山岡荘八) (改訂履歴)、ぼくらの戦国白球伝 (改訂履歴)、秀吉でごザル!! (改訂履歴)、きっとシリーズ (改訂履歴)、内閣総理大臣 織田信長 (改訂履歴)、戦国ARMORS (改訂履歴)、清須会議 (小説) (改訂履歴)、決戦III (改訂履歴)、孔雀王 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS