航空軍事用語辞典++ |
【OH-6】
Hughes OH-6
ヒューズ(現MDヘリコプターズ)が開発した、小型軽量の観測ヘリコプター。社内呼称ヒューズ369。民間型はヒューズ500。
LOH(Light Observation Helicopter: 軽観測ヘリコプター)にちなんだ「ローチ」や、胴体形状にちなんだ「フライングエッグ」などの通称も存在する。
1960年代、アメリカ陸軍のLOH計画に入札して採用を勝ち取ったが、価格高騰や納期遅延などの問題を起こし、ほどなくOH-58によってその座を追われた。 そのため、本来の用途においては短命であった。
しかし、特徴的な卵形の胴体は軽く丈夫で視界も広く、軽快な機体にターボシャフトを搭載しており、ループが可能なほどの運動性を誇った。 またコンパクトでありながら4名まで乗ることができ、汎用性が高かった。 機体構造も簡素で保守性も良かった。
これらの長所から、各国で軍民を問わずさまざまな用途で現在も使われている。
陸上自衛隊ではJ型およびD型を観測ヘリコプターとして採用したが、現在OH-1に置換されつつある。
海上自衛隊でもJ型やD型を練習機として使用していたが、これらが老朽化し、川崎重工のライセンス契約も切れたため、代替として民間型のMD500EをOH-6DAの呼称で購入している。
派生型として、歩兵支援用に機銃やロケット弾を装備した軽攻撃型のAH-6や、胴体横にベンチシートを追加した特殊部隊強襲用のMH-6などが存在する。
第三世界向けに、民間型を改良して武装を施した500M「ディフェンダー」シリーズも製造された。 軍事予算の少ない小国では重宝され、機銃やロケットのみならず、MMSや対戦車ミサイル・魚雷などを装備され、本格的な運用をされることもある。 またFLIRを備えた夜戦対応型、通称「ナイトフォックス」も存在する。
アジア・中南米・アフリカなどへ輸出されたが、多数の機体が北朝鮮へ密輸されたとの情報も存在する。
民間用の発展型として、世界初のノーター式ヘリコプターであるMD520Nや、そのキャビンを拡大したMD600Nが存在する。
なお湾岸戦争において、イラク軍のヒューズ500がホバリング中、F-15Eから投下されたレーザー誘導爆弾の直撃をうけ撃墜されている。
関連リンク:http://www.mdhelicopters.com/rotorcraft/models/MD500E.htm
MD500E(OH-6DA)
OH-6のバリエーション(テイルローター)
- OH-6A: 初期型、価格高騰や納期遅延により調達中断、愛称「カイユース」
- AH-6C: OH-6Aの軽攻撃型、愛称「リトルバード」
- MH-6B: OH-6Aの強襲型、愛称「リトルバード」
- EH-6B: C2や通信中継に利用
- TH-6B: 練習機型
- ヒューズ500A: 民間型
- ヒューズ500C: 500Aのエンジンを強化して飛行能力向上
- ヒューズ500M: 500Cの輸出用攻撃型、愛称「ディフェンダー」
- OH-6J: 500Cを川崎重工が観測ヘリコプターとしてライセンス生産したもの、陸上自衛隊向け(海上自衛隊は練習機として利用)
- ヒューズ500D: メインローターを4枚から5枚に増やし、T尾翼を装備、トランスミッションを強化して飛行性能を向上
- OH-6D: 500Dの観測ヘリコプター仕様、陸上自衛隊や南米諸国の陸軍などが使用(海上自衛隊は練習機として利用)
- ヒューズ500MD: 500Dの輸出用攻撃型
- AH-6H: 500MDを改良して米陸軍が採用したもの、特殊部隊支援用
- MH-6H: AH-6Hの特殊部隊強襲型
- MD530MG: 500MDの胴体を流線型に再設計し、エンジンやトランスミッションを強化したもの
- AH-6J: 500MDに530MGの動力系を組み合わせ、GPSやFLIRなどを追加したもの
- MH-6J: AH-6Jの特殊部隊強襲型
- TH-6J: 練習機型
- MD530F: 530MGの民間型、高地での飛行に適する
OH-6のバリエーション(ノーター)
- MD520N: 500Eをベースにした初のノーター実用機
- MD600N: 520Nの胴体を延長し、8人乗りにしたもの