三省堂 大辞林 |
おぼつかな・い 0 5 【覚▽束無い】
[一]
(1)確かでなくはっきりしない。ぼんやりしている。
「私の―・い記憶で言うと」
(2)うまく行く見込みがない。疑わしい。だめだろう。
「成功はとても―・い」「明日の天気はどうも―・い」
(3)しっかりしていない。心もとない。頼りない。
「―・い足取りの老人」「私の―・いフランス語でもなんとか用が足りた」
[二]
(1)ぼうっとして、はっきりしない。
「今夜(こよい)の―・きにほととぎす鳴くなる声の音のはるけさ/万葉 1952」
(2)気がかりだ。心配だ。
「―・きもの…いま出で来たる者の心も知らぬに/枕草子 70」
(3)心細い。ものさびしい。
「山中に―・くも呼子鳥かな/古今(春上)」
(4)長らく対面しない。無沙汰している。
「かのわたりにはいと―・くて秋暮れはてぬ/源氏(末摘花)」
(5)待ち遠しい。早く会いたい。
「一夜のほど、あしたのあひだも、恋しく―・く/源氏(若菜上)」
(6)不審だ。いぶかしい。
「いづくよりの月かげぞや、出で所―・し/平家 1」
〔古くは「おほつかなし」と清音。「ない」は接尾語。「おほ」は、はっきりしていないさまを表し、[二](1)が原義。「覚束無い」は当て字〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
実用日本語表現辞典 |
「おぼつかない」の用例一覧
坂口安吾 生命拾ひをした話 (青空文庫)
又返事がくる迄には三日かゝるのである。もはや一命おぼつかないから、僕はガバとはね起きて、汽車に乗り、まつしぐらに東京へ着いた。 本郷の富岡へ行つた。この碁会所はアマチュアの大関格が沢山集つてゐるのである。生憎大関が居なかつたから、居合...
www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45851_32924.html
片山廣子 地山謙 (青空文庫)
ち ) だけはどうにか知つてゐて、おぼつかない素人易者はただもう一心に筮竹を働かしたが、そのうちに筮竹をうごかすことが非常に骨が折れて来て、人に...
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折口信夫 まといの話 (青空文庫)
風の物と見る事が出来れば、其傍証となる事が出来る訣である。千幾百年前の死語の語原が、明らかに辿られて、さのみ遠くない武家の為事に到つては、語の意義さへおぼつかないのは、嘘の様な事実で、兼ねて時代の新古ばかりを目安にして、外に...
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