古くから火の神や仏壇に供えられ、健康祈願などに用いられてきた湧水。元日には字の役員が湧水を巡り発展と健康を祈願するハチウビーという伝統が継承されている。世界遺産や文化遺産に囲まれた沖縄本島中部に位置する。 主にサトウキビ、菊、ラン、サヤエンドウ栽培などの他、草花への散水、一部の家庭では洗濯、家畜、家きん、水きんの飲み水として常時利用されている。戦前まではワカミジ(若水)として火の神や仏壇に供え新しい年の家運隆昌と健康を祈願していた。今でもハチウビー(初御水)の祈願を行い、伝統的に利用されている。 | | 1日の湧水量:30トン 湧水が集まる大城地区が集落化したのは約700年前。荻道は17世紀半ば「琉球国高究帳」に、18世紀には「琉球国由来記」「琉球国旧記」に登場します。湧水利用は集落形成時からと思われ、近くの中城城跡の石積みとほぼ同様の琉球石灰岩の布積みであることから、これら湧水群は1440年頃にできたと考えられる。
住民が率先して活動し、湧水周辺の美化清掃、草木の水やりなどは組織の枠を超え、毎日、十数名の住民により欠かすことはない。さらに、観光地修景緑化事業により8000本のランの苗やブーゲンビリアを湧水周辺及び地域の歩道わきなどに植え、住民が手入れを日常的に行うことで訪れる人々を楽しませている。 |