イージス艦(いーじすかん)
味方の艦隊が攻撃されるのを避けるため、情報収集機能と迎撃システムを備えた大型の護衛艦のこと。最新鋭のシステムで敵からの攻撃に備える。
イージス艦の最大の特徴は、コンピュータ制御による自動戦闘システムだ。洋上であらゆる方向から飛んでくるミサイルから身を守るため、レーダーで同時に最大 200個の目標をキャッチするとともに、12個以上の目標をミサイルで迎撃できる。これら一連の処理をすべてコンピュータで自動的に処理する能力が備わっている。
「イージス」という名前の由来は、ギリシャ神話からつけられたもので、ゼウスとアテナが持っていた盾(たて)を意味する。迎撃用のミサイルを搭載しているものの、あくまでも防衛に徹するとの考えからだ。
日本の海上自衛隊は、最大規模(1万トン級)の「こんごう」をはじめ、4隻のイージス艦をもっている。従来は、任務の遂行に必要な調査・研究という使用目的で、日本近海での演習に限られていた。
イージス艦がインド洋に派遣されると、公海上での情報収集が主な任務となるだろう。独自に収集した情報をアメリカに提供する一方で、随時、軍事作戦の内容を日本に伝える。いずれにしても、実際の戦闘に関する調査・研究に従事するのは初めてのことだ。
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(2001.11.08更新)
【イージス艦】(いーじすかん)
AEGIS combat system
フェイズドアレイレーダーAN/SPY-1を中核とする防空兵器「イージスシステム」を搭載した戦闘艦の通称。
名称はギリシャの古代神話に登場する、あらゆる邪悪を払う防具「Aegis(アイギス)」に由来する。
かつての戦艦に匹敵する強力な戦闘艦艇であるが、高度な造艦技術と高額な建造費を必要としており、イージス艦を運用できる海軍は多くない。
イージスシステムは同時に飛来する数百の目標を数百km遠方から探知し、対空機銃や艦載ミサイルを用いて同時に十数個を迎撃できる。
主な任務はその迎撃能力をもって攻撃機や対艦ミサイルの脅威から航空母艦を護衛する事である。
加えて艦艇や潜水艦を探知する能力にも優れ、地上からの砲撃に対して巡航ミサイルで迎撃を行えるよう設計されるものもある。
核戦争に備えて弾道弾迎撃ミサイルによるミサイル防衛を任務に含める場合もある。
イージス艦の着想は冷戦時代、ソ連軍がアメリカの空母機動部隊への対策として、航空機や対艦ミサイルを増強した事に端を発する。
有事に想定されるソ連の飽和攻撃に対して、従来のミサイル艦では対応不能である事から、アメリカ海軍は同時に多数の目標を迎撃できるシステムを必要としていた。
この要求に対して1964年「ASMS(Advanced Surface Missile System:先進水上ミサイル・システム)」計画がスタート。
1969年に「Aegis」計画と改名され、最大16の目標に同時対応可能な対空ミサイルシステムと、艦隊指揮用のデータリンクとして結実。
1番艦である「タイコンデロガ(CG-47)」が1983年1月22日に就役した。
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主なイージス艦
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