諫早湾干拓(いさはやわんかんたく)
長崎県の有明海の一部である諫早湾で、湾を埋め立てるという干拓事業が行われている。1997年 4月14日に、潮受け堤防の中央部が閉じられ、諫早湾は完全に閉め切られた。このとき、潮止めの鋼板が次々に投げ込まれる様子が伝えられ、「海のギロチン」と表現された。
もともと、1952年に長崎大干拓構想として打ち出され、農林水産省が指揮を執って進められた。当初はコメの増産を図るための農地拡大として事業だったが、その後のコメあまりと減反政策により、1986年に事業計画が縮小されたという経緯がある。
事業内容は、諫早湾の3550haを閉め切り、そのうち1840haを干拓地に、そして残りの1710haを調整池にするものである。1986年には1350億円の予算がつけられ、潮受け堤防がすべて閉じられた1997年には2370億円が事業費として計上された。
農地の必要性がなくなったため、公共事業として続けることには疑問の声も多いのが実状である。それだけでなく、干拓の影響で有明海のムツゴロウやタイラギ貝の生態系が破壊されたとの指摘もあり、環境問題としても注目されているところである。
(2001.01.25更新)
いさはやわんかんたくと同じ種類の言葉
- いさはやわんかんたくのページへのリンク