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映画情報

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あらかじめ失われた恋人たちよ

原題:
製作国:日本
製作年:1971
配給:日本ATG
スタッフ
監督:清水邦夫 シミズクニオ

田原総一郎 タワラソウイチロウ
脚本:清水邦夫 シミズクニオ

田原総一郎 タワラソウイチロウ
企画:葛井欣士郎 
撮影:奥村祐治 オクムラユウジ
音楽:成毛しげる 
美術:清水邦夫 シミズクニオ
編集:近藤光雄 コンドウミツオ
録音:久保田幸雄 クボタユキオ
スクリプター:加納典明 カノウテンメイ
照明:野村隆三 
キャスト(役名
石橋蓮司 イシバシレンジ (哮)
加納典明 カノウテンメイ (唖の若者
桃井かおり モモイカオリ (唖の少女
緑魔子 ミドリマコ (広場の女歌手
カルメン・マキ  (狂女
解説
劇作家清水邦夫東京12チャンネルディレクター田原総一郎共同脚本共同監督による作品だが、脚本於て清水邦夫が、監督於て田原総一郎が主になって製作した。撮影は「愛奴」の奥村祐治担当。なお、両監督にとって劇映画第一作品となる。田原総一郎は、早稲田大学文学部卒業後、岩波映画入社し、退社昭和三十八年東京12チャンネル入社主な作品に「未知への挑戦」、ドキュメンタリー青春」がある。清水邦夫は、早稲田大学文学部卒業後、岩波映画入社し、昭和四十一年退社フリーとなる。主な作品に「充たされた生活」「彼女と彼」(共に羽仁進監督〉のシナリオがある。
ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください
日本人心のふるさと日本海ようこそ!!」、そんな大きな看板の立った北陸白く乾いた道を気ままに旅する快活で、饒舌で、気まぐれ青年哮。彼は、バスの中で乗り合わせ中年夫婦に人なつこく話をしかけ、夫婦が降るとそのあとにくっついて行く。そして、突然刺身包丁つきつけ明かるく「金、出してくれませんか」と強盗を働いた。彼は、かつて、オリンピック候補にあげられた棒高跳断念し、つぎのスポーツとしてかっぱらい強盗を選んだ。ある町にはいった哮は、農婦主婦売春を断ったために痴漢呼ばわりされ、豚箱にぶちこまれる。よそ者をはじきだそうとするこの地方共同体意識に腹を立てた彼は、釈放されるとすぐ町の若者のロック・グループを使って、駅前抗議集会を開くが、町の人々関心は、おりしもスーパーマーケット開店宣伝雇われて、群衆の前で彫像のように立っている金粉を塗った若い男女ひきつけられる全身金粉を塗った若い男女は、ギリシャ彫刻のように美しい。そして、どんな群衆挑発にも微動だにしない。哮は、この若い男女に、わけもなくひきつけられてしまい二人の行くあとをつきまとう。そして、この二人がつんぼで唖であることを知る。哮には、二人の手話が、情熱的官能的愛撫そのもののように感じられる。ある夜、町の若者たちが、唖の二人の仮りの宿を襲撃し、女をさらっていく。哮は男と一緒に、彼女のあとを追い行方をもとめるが見つからない。が、翌朝、ひきさかれたブラウスをまとったまま、若い女は何事もなかったように、ゆったりした足取りで帰ってくる。そのあとで、哮と若者は、石炭石の採掘現場行き、そこで働いている、女をさらった若者たちを、ナイフ刺身包丁つぎつぎ刺し報復する。内灘にやってきた唖の男女と哮は、米軍の残していった空の弾薬庫をねぐらにする。唖の男女は哮を拒みもせず、といって特別な親しみを見せるという訳でもない。哮の目の前で、身体身体をふれあわせ、独特の愛撫を始めることもある。二人だけ身体身体の会話に、哮のはいり込む余地は全くないよう見える。哮のしゃべる言葉はすべてむなしく消え彼は、どうしても唖の男女世界に加わることのできないもどかしさにじれた。ある日、三人二人刑事訊問された。男は突然刑事に、体当りをくらわせて逃走した。刑事の話では、大阪の方で、唖の男が、フィアンセ半殺しにした、というのだが、唖の男女過去にどんなことがあったのかは、結局深くは判らないままだ。若者のいない夜、哮は、浜辺で、ぎこちなく若い女の身体愛撫する。女もそれに応じようとするが、翌朝若者どこからともなく帰ってくると、哮はふたたび二人の世界からはじき出された自分見出し、なぜか知らぬいら立ちをおぼえる。絶望的になった哮は、町に出かけ「白黒ショーを見せる」と客を集め弾薬庫に連れてくるが、このいやがらせ成功しない。唖の男女は、やってきた男たちの卑しい視線挑むかのように堂々と愛撫くりひろげるローソクの炎のゆらめきの中で、唖の男女二人だけの世界没入していく。哮の口車に乗ってきた男たちも、ただ気押されたように黙って見守るだけだ。哮は、この唖の若い男女からどうしても離れることができない。そして、かつてはあれほど快活饒舌に口をついて出た言葉が、次弟にひどくむなしいものに感じられてくる。ある夜、哮は、突然、しゃべることをやめてしまう。数カ月後のある別な町−−。新装開店パチンコ屋店頭で、金粉全身に塗った三人男女が、それぞれポーズをとって、彫像のようにじっとしている。それは、唖の男女と哮だ。時は言葉捨てた。言葉捨てることによって、唖の男女の心の世界中に加わることができたような感じだ。夜、砂丘のうねりの陰で、唖の女を中心に、三人が寝ている。唖の若者が、左から、女の体に愛撫の指をはわせる。そして、右からは、哮が同じようにしかし、おずおずと。その砂丘のかなたから、いくつかの人影現われる。その腕には「厚生省薬物実験班」の腕章見える。そして、機動隊の一小隊。やがて新型催涙弾がとりだされる。砂丘の陰で愛撫をつづけていた三人音のない世界が、突然催涙弾発射音によってするどくひき裂かれる。哮は必死逃げたが、二人催涙弾直撃顔面に受けて倒れた。哮と、いまやつんほで唖で盲目となった男女は、たがいに手をつなぎあって、北陸白く乾いた道をどこへともなく去っていく





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