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∀ガンダム (架空の兵器)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/07 20:52 UTC 版)

∀ガンダム > ∀ガンダムの登場兵器 > ∀ガンダム (架空の兵器)

∀ガンダム(ターンエーガンダム、∀ GUNDAM: TURN A GUNDAM)は、アニメ∀ガンダム』に登場する架空の兵器イングレッサ・ミリシャなどで使用された発掘モビルスーツである。(型式番号:System-∀99 ミリシャ内ではWD-M01)


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

機体解説

諸元
∀ガンダム
∀ GUNDAM/TURN A GUNDAM
型式番号 System-∀99(本来)
WD-M01(ミリシャ内)
所属 イングレッサ・ミリシャなど
全高 20.0m
重量 28.6t、17.5t(稼動重量)
出力 27,000kW(±5,000)
(W換算、推定値)
装甲材質 FE型
動力源 DHGCP
武装 胸部マルチパーパスサイロ
腹部ビームキャノン×2
ビームライフル
ビームサーベル×2
ハンマー
シールド
月光蝶
搭乗者 ロラン・セアック
ソシエ・ハイム
ジョゼフ・ヨット
メリーベル・ガジット

∀とは、全称記号で「全てを内包する」という意味を持つ。

運用思想は徹底した「単機による作戦行動」であり、通常の兵器に求められる「用途に応じた機能の特化」という大原則を無視したものとなっている。その常識外の思想背景の基となっているのは太陽系外勢力(後述)に対する恐怖心であり、それによって∀開発に関する全ての制限を消滅させてしまう結果となっていた[1]

かつて月光蝶システムを使い、地球圏の人工物を砂に変えた機体で「地球文明を埋葬した」とされる。その後は北アメリア大陸の町、イングレッサ領ビシニティ北部のマウンテンサイクル(アーク山)に長年祀られていた神像内に隠されていた。ビシニティの成人式の日、ディアナ・カウンターのウォドムに反応して起動する。

機体各部の意匠や機構にターンXとの共通点が多い。劇中で両者は「兄弟」「ターンタイプ」などと呼ばれた。

過去のガンダムシリーズのIフィールドとは異なり、∀ガンダムのそれは実体弾及び衝撃波等にも対応している。また広範囲への展開で背部広域を防御するなどの効果を見せた。これは、宇宙世紀0200年代を描いた小説『ガイア・ギア』に登場するIフィールドバリアと同じである。

動力源の「DHGCP」は、資料では「縮退炉を2基搭載したもの」と記述されており[1]、他の多くのMSで浸透している熱核反応炉ではない事が判明している。小説版では「不連続超振動ゲージ場縮退炉」と記されており、その縮退炉から発生させたエネルギーを、内面に展開し縮退を起こす、と解説されている。周囲から熱を奪う性質上、縮退炉には幾重ものブランケットが巻いてある[1]

機体は機体の周囲を覆ったIフィールドによって駆動する「IFBD(Iフィールドビームドライブ)」によって稼動している。そのため既存のMSとは違い機体内部でジェネレータや駆動装備に占有される容積が極端に少ないため、上半身はがらんどうで駆体そのものが装甲や構造材を兼ねた構造となっている[2]。この内部容積に牛などの家畜や、核ミサイルを積載した事もあった。

推進器は下半身に集中し脚部にスラスター・ベーンが搭載されており、重力下でも有る程度の飛行が可能となっている。劇中終盤のギンガナム隊との決戦では、重力下での完全な飛行を行っていた。スラスター・ベーンはマイクロエンジン(超小型推進器)を用いた二次元ノズルの集合体で、その一枚一枚もさらに小さなベーンが集まったフラクタル構造となっている[1]。出現直後はスラスター・ベーンにナノスキンの残骸が詰まっていた為、この機能は充分に回復しておらず、第12話で使用可能となった。

劇中ではその本来の能力の大半を発揮していないとされているが、その潜在パワーは凄まじく、スモーとムットゥーのモビルスーツとモビルアーマー2機を引っ張り上げた他、単体で大気圏離脱が可能な宇宙船ジャンダルムを正面から押し返すほどの推進力を誇り、他にも戦艦ウィルゲムの浮上を押し戻すなどしていた。

装甲素材「ナノスキン」は多数のナノマシンから成り、高度な自己修復機能を持っている。生物の細胞が新陳代謝をすることで全体を維持するように、∀ガンダムの装甲も常にナノマシンによって修復を受けている。当初∀が石像のような姿をしていたのは、役目を終えたナノマシンが垢のように長年の間に堆積し、機体を覆ってしまったのだと考えられている。なお、ディアナ・カウンターのMSにもナノスキンを用いたものがある。

コア・ファイター

コックピットは腰前部についており、フロントアーマーと合わせコア・ファイターとなる。コクピットはスモーのもので代用できるが、一部の機能が使用できなくなるらしい。

大気圏内ではマイクロノズルの高圧ジェット噴射と、翼の揚力で飛行する。真空中ではIフィールドと地表との間に生ずる擬似的な地面効果を受け浮揚、推進器を噴射して飛行する。46話でミサイルを搭載して出撃、ズサンを撃破している。このミサイルは本来の装備ではなく、サイズの合うものを適当に装備したもの。本体の戦闘能力は低く、主に移動・脱出用の装備となっている。

なお、本来ならパイロットは生体スーツを通じコクピットと繋がっており、裸身で座席に背中を預けると接続部に8つの当たり痣が付く。これが元となり成人の儀式では、ホワイトドールの前でヒルを使い背中に6つの痣を聖痕として付けることとなった。

武装

ビームライフル
∀ガンダムの主兵装。共振粒子砲(リフェーザー砲)。金属粒子を固有振動によって収束させ、発射する。また最大出力で発射する際には銃床部分をスライドさせて使う。本機は巨大な宇宙戦闘艦と戦う事を想定していたため、高出力光学兵装を有している。劇中の演出では、ノーマルなビームライフルとしては、他のガンダムシリーズの常識からは考えられないほどの高威力を有しており、大気圏内や水辺で使用しても射程や威力の減退が見られない。最初に使用したものは経年劣化により、2発撃った後に融解している。
ビームサーベル
斬撃用光学兵装。プラズマ電磁場で固定し、敵を焼き切る。背部のプラットフォームに発生器が2つ格納されている。2本合わせると刀身を延ばすことができ(45話)、出力調整を行っている様子が見られた(最終話)。劇中で最も多く使われた武器。他のガンダムシリーズに比べてビームの刃部分が非常に細く描写されているのが特徴だが、物語後半からは前述したように他シリーズと同程度の太さになることもあった。
ハンマー(ガンダムハンマー)
鎖に繋がったとげ付き鉄球という点は初代ガンダムと共通しているが、推進用のロケット・モーターを内蔵しており、より強力になっているため一部の文献ではハイパーハンマーとも記載されている。ハンマー部分からIフィールドを展開でき、それによって敵機体の駆動系に干渉できる。トゲ部分が爆発する機構もついている。∀用の武器庫であるビシニティ地下の古代遺跡には、ビームライフル等、様々な武器が格納されていたが、経年劣化で使う事ができず、使える武器がこれしか残っていなかった。最初に使用したものはウォドムの頭部を破壊するという活躍を見せたが、経年劣化によりチェーンが切れてしまった。用途としては局地戦用の武装であった可能性が劇中で語られている。
シールド
先端の尖った楕円状。かなり大型で、身を隠すこともできる。主にビームライフルとセットで用いられた。強力なIフィールドを展開し、強化されたウォドムのビームをも弾いた。
胸部マルチパーパスサイロ(多目的武器庫)
胸部構造はマルチパーパスサイロと呼ばれるある種のペイロードスペースとして設計されており、戦術ごとに内装するデバイスを換装する。本来はビーム・ドライブユニットやミサイルシステム、マシンガンなど、近接戦闘用の各種武装や装備、または補助動力装置などを収納するためのものだが、正歴2345年に発掘された際は、家畜や旧世紀の核兵器の運搬、秘匿に使用されている。また、専用のパイロットスーツもここから発見された。
腹部ビームキャノン
胸部マルチパーパスサイロとコクピットの間に取り付けられている兵器。物語終盤で∀が敵に鹵獲された際、ギンガナム艦隊技術者の解析で使用可能になった。劇中では49話で使用され、ビームを雨のように発射した。実はIフィールドに打消されない広範囲拡散ビーム兵器であり、ターンXがプラットホームを犠牲にしてこの攻撃を防いだのはその為である。
この武装の名称に関しては各種解説文[3]から考えて腹部ビームキャノンとするのが正しいと思われるが、スーパーロボット大戦などではこの武装がビームドライブユニットと呼ばれており、ファンに混乱をもたらしている。
月光蝶
背部ベーンからナノマシンを射出し、人工物を分解して砂状に変える武装、あるいはシステム。∀ガンダムはこれによりかつての地球文明の全てを埋葬した。詳しくは該当記事を参照。

以下は『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場する∀ガンダムの武装である。ゲーム中に別に登場する通常の∀ガンダムとは武装名が違い、また威力も桁外れのものばかりである。『WORLD』では一部の名称が異なっている。

ディレイションライフル(『WORLD』ではIフィールド・メガビームライフル)
∀ガンダムのビームライフルと同じ形状だが、放つのは通常のビームではなく虹色に輝く巨大な光を放つ。射程範囲も広く、命中値も高い。
メガビーム・フィールドサーベル(『WORLD』ではIフィールド・メガビームサーベル)
本機の斬撃用武装。サーベルの柄から高出力で巨大なビーム刃を形成させて敵を斬り裂く。
スプラッシュビームシャワー
胸部マルチパーパスサイロから放つビーム兵器。なお、通常の武装は敵1機しか攻撃できないが、この武装は最大8機の敵を同時に攻撃可能。『WORLD』では使用しない。
核弾頭ミサイル
その名の通り胸部マルチパーパスサイロから核ミサイルを放つ。『WORLD』では使用しない。
月光蝶
ナノマシンの翼を射出し、人工物を分解して砂状に変える。この武装も本来のものと同様のものである。

呼び名について

本機は劇中では、ミリシャからは「ホワイトドール」、ディアナ・カウンターからは「ヒゲ」「白ヒゲ」などと呼ばれた。第9話で初めて、コレン・ナンダーが「ガンダム」と呼び、第14話ではパイロットであるロラン・セアックも「ガンダム」と呼んだ。 「∀ガンダム」という名前は、第23話でテテス・ハレが、第24話でロラン・セアックが一度ずつ使ったのみ。アデスカでは同地の神話になぞらえて「白い悪魔」と呼ばれた。第43話以降はほとんどのキャラクターが「ターンエー」と呼んだ。

劇中での活躍

本機はアニメ第2話において、ディアナ・カウンターの砲撃に反応して神像「ホワイトドール」の中から出現。もっぱらこの機体を発見したロラン・セアックによって使用されることとなった。当初はどのような武装があるのかさえ分からない謎だらけの機体であり、またロランの穏和な性格もあって敵を叩きのめすような活躍は少なかった。むしろその一方、橋代わりになったり、胸部サイロで牛を運んだり、手首を回転させ洗濯機のように使ったりするなど、モビルスーツの原点回帰ともいうべき作業機械としての働きを見せ、作品を特徴付けることにも成功している。

物語が進むにつれて機能が回復、武装が発掘され、またその性能が少しずつ明らかになり、物語後半では驚異的な活躍を見せることとなった。一度はターンXの攻撃を受けロランがコア・ファイターで脱出、ギンガナム側に本体が渡りスモーのコクピットを付けて運用されたものの紆余曲折を経て奪還され、ターンXとの最終決戦時には両機共に月光蝶を展開、壮絶な戦闘を繰り広げた。死闘の末に両機とも相打ちとなった末に、暴走した月光蝶が共にナノマシンの繭を生成、繭に包まれた。他にソシエ、ジョゼフ、メリーベルが搭乗した。

曽我篤士版のコミカライズでは、大気圏上でのターンXとの戦闘の末、ターンタイプ故の相互干渉で機能不全に陥ったまま、大気圏に突入するが、まるで意思があるがの如くコアファイターを離脱させた後、ターンXと共に大気による空力加熱に耐え切れず、その際の摩擦熱で燃え尽きている。

福井晴敏版のノベライズでは、月面砲カイラス・ギリの2射目を受け止めた後、黄金に輝くナノマシンを地球に撒き散らしながらコア・ファイターを除いて崩壊している。このナノマシンがカイラス・ギリによって壊滅的被害を受けた地球の環境を回復させた。

曽我篤士の漫画版・福井晴敏の小説版共に∀ガンダムが腕や脚等、機体の末端部分を戦闘で喪失するシーンがあるが、アニメ本編では、頭部を取り外したりヒゲを折られる描写を除き、その様な描写は無い。




  1. ^ a b c d e f 『∀ガンダム全記録集2』 - 講談社ISBN 978-4063301014 より。
  2. ^ a b c 『ニュータイプ 100% COLLECTION ∀ガンダム VOL.2』角川書店刊より。
  3. ^ マスターグレード∀ガンダム(箱側面並びに設計図の解説文)、∀ガンダムWeb[1]など。
  4. ^ 小説『月に繭 地には果実』より。
  5. ^ 『電撃データコレクション20 ∀ガンダム』 アスキー・メディアワークス刊 - ISBN 978-4840239677 より。
  6. ^ 漫画『月の風』より。
  7. ^ マスターグレード版説明書序文より。


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