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∀ガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/09 14:05 UTC 版)

∀ガンダム
ジャンル ロボットアニメ
アニメ
総監督 富野由悠季
キャラクターデザイン 安田朗(原案)
菱沼義仁(設定)
メカニックデザイン 大河原邦男、シド・ミード
重田敦司、沙倉拓実
音楽 菅野よう子
アニメーション制作 サンライズ
製作 フジテレビ、サンライズ
放送局 フジテレビ
放送期間 1999年4月9日 - 2000年4月14日
話数 全50話
映画:劇場版∀ガンダムI 地球光
監督 富野由悠季
制作 サンライズ
封切日 2002年2月9日
上映時間 128分
映画:劇場版∀ガンダムII 月光蝶
監督 富野由悠季
制作 サンライズ
封切日 2002年2月10日
上映時間 128分
テンプレート使用方法 ノート
ウィキプロジェクト アニメ
ポータル アニメ

∀ガンダム』(ターンエーガンダム、Turn A Gundam)は、サンライズ製作のテレビアニメ。「ガンダムシリーズ」の一作。1999年(平成11年)4月9日から2000年(平成12年)4月14日までフジテレビ系列(一部を除く)で全50話が放送された。略称は「ターンエー)」。2002年にはアニメーション映画として『地球光』『月光蝶』の2本にまとめられ、劇場公開された。2007年にはDVDメモリアルボックスI、IIが発売された。平均視聴率は3.0%。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

物語

正暦2343年、月の民(ムーンレィスロラン・セアックはムーンレィスの地球環境適応のモニターとして地球の北アメリア大陸に降下した。地球の自然が珍しく川で遊んでいたところ溺れてしまい、下流にいたキエルソシエのハイム家の姉妹に助けられた。姉妹は新興富裕階級[1]に属し、長女のキエルはロランが憧れる月の女王ディアナ・ソレルにそっくりだった。ロランは姉妹の推薦でハイム家に雇われ、自家用車の運転手に起用されるなど重用され、(偽装)地球人として穏やかな日々を重ねた。任務をまっとうした後は地球に帰化する気持ちを固めていた。

2年後、ロランとソシエは夏至の夜、マウンテンサイクルにおける成人の儀式にいっしょに参加した。時をおなじくして地球と月の2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始した。

圧倒的な科学力をもち、巨大モビルスーツで威圧するディアナ・カウンターに対し、アメリア市民軍(イングレッサ・ミリシャ)は複葉機高射砲などの旧式装備で防衛戦をはじめた。これに苛立ったディアナ・カウンターのポゥ少尉は、発砲を禁じられていたにもかかわらず強力な対艦ビーム砲を発射し、相手を蹴散らした。だが、このビーム砲はマウンテン・サイクルに到達し、封印されていた“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせることになった。

ロランはなりゆきで∀ガンダムのパイロットとなり、地球と月の争いを調停するために活動する。それは月の女王ディアナの願いでもあった。

作品解説

本作品は、『機動戦士ガンダム』誕生20周年記念作品として製作されたTVアニメシリーズである。20周年という節目を記念して『機動戦士Vガンダム』以来5年ぶりにガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季が総監督を務めた。フジテレビ系列で放送された唯一のTVアニメ作品でもある。

」という記号は、集合論論理学にて用いられる全称記号であり、「全ての〜」を意味する。また、「A(最初)に戻る」という意味からターンエーと読むこととした。つまり『∀ガンダム』には、『機動戦士ガンダム』を始めとした「宇宙世紀シリーズ」の歴史だけでなく、それぞれ独立した世界観を持つ「未来世紀」や「アフターコロニー」、「アフターウォー」、「コズミック・イラ[2]」といった富野が制作に携わっていない作品群の歴史をも全て包括して「黒歴史」と呼称することで、全ての『ガンダムシリーズ』そのものを総括したいという思いが込められている。それゆえ、「地球に住む人類と、宇宙に進出したコロニーや月に住む人類との幾多にも及ぶ戦争は、どういう結末を迎えたのか?」といった部分も作中で語られ、全てのガンダム作品が最終的に行き着く完結編とも取れる作品内容となっている。

それまで富野は、自身が参加せずとも多様化し継続していく『ガンダムシリーズ』にあまり好ましい印象を持っておらず、そのために「機動戦士」という冠詞は「宇宙世紀シリーズ」以外には使用を許可していなかった。だが本作品を制作したことで、多様化していく『ガンダムシリーズ』を許容できるようになり、本作品以後は「宇宙世紀シリーズ」でなくとも「機動戦士」という冠詞の使用を許可するようになった。

企画の時点でのタイトルは、『リング・オブ・ガンダム』であった。これは富野由悠季総監督の、「『リング・オブ・イデオン』は無理だから、『リング・オブ・ガンダム』という名称でイデオンみたいな輪廻の物語をやりたい」という趣旨による[3]。『リング・オブ・ガンダム』というタイトルは後に30周年記念ショートフィルムとして公開された作品に用いられた。

本作品も、従来のガンダムと同じく、地球とその周辺の宇宙空間における人類・戦争・政治・歴史といった背景を背負いながら生きていく少年少女たちを通して、人の在り様を描写していく。また、歴代作品へのオマージュもふんだんに盛り込まれている。

それまでのガンダム作品とは異なり、悲惨な戦場の描写は少なく、政治的な駆け引きのシーンが多い。また19世紀ヨーロッパ文明(産業技術は20世紀初頭のアメリカ合衆国)をモデルにした舞台を設定しており、牧歌的で穏やかな情景描写が多い。また、物語には『竹取物語』『とりかへばや物語』『猿の惑星(第1作目)』をベースにしている部分がある。これについて富野は「SFでありがちな『恣意的につくっていく社会構造』をルーズにすることができて、作品的に成功している」「人の動きが狭いところには落ちていなくて、いつもゆったりと風が吹いているようなところがある」と語る。

テレビシリーズとして放映されたガンダムのうちで唯一(2012年現在)冠語(「機動戦士」のような)がついていない作品である。主役機の乗り換えがないことは、ファーストガンダム以降のテレビシリーズとしては唯一である。

月の女王ディアナ・ソレルが物語において重要な位置を占めている。他にも個性的な女性キャラクターが多数登場し、音楽は菅野よう子が担当するなど、「ガンダムシリーズではとくに女性的な作品」と言われることがある。[4]

メカデザイン担当のシド・ミードは世界的なデザイナーであるが、日本のアニメロボットをデザインした経験は乏しく、自分の描いたカイゼル髭のガンダムが日本で受け入れられるか悩んでいた。そこで友人のデザイナーの村上克司に相談した。村上は「大丈夫、まったく問題ない。俺にもこういうのがある」と自分の作品集をミードに送った。そこには頬から巨大なトゲをはやした『ゴッドシグマ』が載っていた。これに勇気づけられてミードは主役メカ、∀ガンダムのデザインを決定した。[5]

∀ガンダムのデザインを見たバンダイ川口克己ははじめ違和感を覚えたものの、「Gガンの経験」(『機動武闘伝Gガンダム』はホビーショーで「ガンダムじゃない」と激しく批判されたが、夏頃には称賛されるようになった)から「ありかな」と考えた。さらに『新世紀エヴァンゲリオン』のヒット以来、バンダイ側はアニメ制作に干渉しなくなっており、∀ガンダムのデザインはバンダイ側からは特に反対されなかった(川口によるとこれは『ブレンパワード』や『ガサラキ』も同様だったという)[6]

放送当時、プラモデルはあまり売れず、商業的人気は大きなものとはならなかった。これについて富野総監督ら製作スタッフたちは、「普通の人(=いわゆるオタクではない人)を相手にしているから」と語っている。ガンダムファンの間では、キャラデザインやメカニックデザインの特徴、なにより今までのシリーズとは一線を画した内容から好き嫌いの反応がはっきり分かれている。[7]

最終話「黄金の秋」は、メイン放送局であるフジテレビでは予定通り前話の翌週である2000年3月31日に放送されるはずだったが、同日の放送直前に有珠山が突如噴火したため緊急に報道番組が組まれ、全50話中最終話のみ放送が中止された。その翌週も同内容の報道が行われ、結局予定日より2週間後の4月14日に放送された。[8]

自分の作品を褒めることの少ない富野ではあるが、本作品は褒めることが多い。なお、「月刊ニュータイプ」誌上で富野総監督は、2005年に公開された劇場版『機動戦士Ζガンダム』と同じく、20年後に新訳の『∀ガンダム』を創りたいと述べた。そして、朴璐美(ロラン)と高橋理恵子(キエル/ディアナ)も、その時には同じ役で出たいとコメントしていた。

ガンダムシリーズ最後の非デジタル製作によるVTR映像のTVシリーズでもある。また、同シリーズで初めてDVD版が発売された作品でもあり、シリーズ最後のLD作品でもある。




[ヘルプ]
  1. ^ 北アメリア大陸イングレッサは領主(ラインフォード家)に統治されているので「階級」と表現。また、産業革命時代のアメリカを意識した設定であるため、「産業資本家」(ブルジョワジー)のイメージに近い。
  2. ^ 『∀ガンダム 月の風』にて判明
  3. ^ 『イデオンという伝説』大田出版
  4. ^ 『オーバーマン・キングゲイナー・イントロダクション―富野由悠季、新作を語る!!』p40-41など。
  5. ^ 『電撃 HOBBY MAGAZINE』 2008年5月号、角川グループパブリッシング、2008年
  6. ^ 『G2O』 Volume.6、アスキー、1999年
  7. ^ 『大人のガンダム 完全版』 日経BP出版センター
  8. ^ 最終話はメイン局のフジテレビよりも13日遅れの放送だった関西テレビなどネット局の方が先に放送された。
  9. ^ 現在はソニー・ミュージックエンタテインメントに吸収された。
  10. ^ シングル裏ジャケットには「HIDEKI SAIJO by the courtesy of RCA ARIOLA/BMG JAPAN,INC.」の表記があり、厳密にはボーカルとして作品に参加しているという扱いである。
  11. ^ 『∀の癒し』より。


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