いんげん‐まめ【隠元豆】
いんげんまめ (隠元豆)
●メキシコ南部から中央アメリカにかけてが原産です。わが国へは17世紀に隠元禅師が伝えたと言われています。関東地方では「いんげんまめ」ですが、関西地方では「さんどまめ(三度豆)」とも呼ばれます。これは4月から7月ごろまで播種するとこができ、長く収穫できることからの命名です。天ぷらや胡麻和え、バター炒め、サラダなどに利用されます。
●マメ科インゲンマメ属の一年草で、学名は Phaseolus vulgaris。英名は French bean。
インガ: | インガ・ウルグネンシス インガ・エドゥリス |
インゲンマメ: | 紅花隠元 隠元豆 |
ウマゴヤシ: | 子馬肥やし 紫馬肥やし |
エニシダ: | キティスス・デクンベンス |
いんげんまめ
いんげんまめは、べにばないんげん(花豆)とともにインゲン属に属し、双方を合わせて単に「いんげん」と総称する場合があります。また、いんげんまめは「菜豆(さいとう)」と呼ばれることもあります。英語では、"kidney bean"、"french bean"、"haricot bean"等と表記されます。 いんげんまめは、諸外国では最も日常的に食べられている豆の一つで、その種類は多様です。原産地は中南米ですが、我が国への渡来は17世紀の中頃、中国から隠元禅師によってもたらされ、禅師の名に因んで「隠元豆」とよばれるようになったと伝えられています。しかし、実はそれは「ふじ豆」という別の種類の豆であったとの説もあります。 日本での本格的な栽培は北海道の開拓が始まる明治になってからで、アメリカ産の種子が輸入され、栽培が始まりました。現在、北海道がいんげんまめの主産地で、国内生産の大部分を占めています。輸入は、カナダ、アメリカ、中国などから行われています。 いんげんまめは、種皮の色の多様性に大きな特徴があります。まず、豆全体が真っ白な白色系と、豆に色の付いている着色系とに大別されます。白色系は「白いんげん」と呼ばれ、代表的なものとして「大福豆(おおふくまめ)」、「手亡(てぼう)」、「白金時豆」などがあります。着色系には単色と斑紋入りがあり、単色の代表は「金時豆」で、へその部分を除いて全体が鮮やかな赤紫色をしています。斑紋入りは、さらに斑紋が種皮全体に及ぶ普斑種(ふはんしゅ)と、一部分にとどまる偏斑種(へんはんしゅ)とに分かれ、普斑種には「うずらまめ」、偏斑種には「虎豆」があります。 | |
なお、いんげんまめの未熟の莢を野菜として利用する「さやいんげん」は、完熟種子を乾燥豆として利用する上記のいんげんまめとは品種が異なります。 |
いんげんまめ
インゲンマメ
(”いんげんまめ” から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 06:53 UTC 版)
インゲンマメ(隠元豆[2]、眉児豆、Phaseolus vulgaris)はマメ亜科の一年草。別名、サイトウ(菜豆)[1]、サンドマメ(三度豆)、ゴガツササゲ(五月豇豆)[1]。
注釈
出典
- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phaseolus vulgaris L. インゲンマメ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 130.
- ^ 青葉高『野菜の博物学』(講談社ブルーバックス) 83ページ
- ^ ジョンソン 1999, pp. 114–115.
- ^ ジョンソン 1999, pp. 117–118.
- ^ a b c d e 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 70.
- ^ インゲン豆をもたらした隠元禅師 - みろくや
- ^ “年産別・都道府県別データ(平成18年)”. 日本豆類協会. 2014年11月3日閲覧。
- ^ “金時豆(きんときまめ)”. 日本豆類協会. 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 141.
- ^ “うずらまめ”. 日本豆類協会. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “虎豆(とらまめ)”. 日本豆類協会. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “手亡(てぼう)”. 日本豆類協会. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “大福福(おおふくまめ)”. 日本豆類協会. 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 131.
- ^ a b 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 71.
- ^ a b c d e f g 板木利隆 2020, p. 98.
- ^ a b c d 板木利隆 2020, p. 101.
- ^ a b c d e f 板木利隆 2020, p. 99.
- ^ a b c d e f g 板木利隆 2020, p. 100.
- ^ 文部科学省、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
- ^ https://data.nal.usda.gov/dataset/usda-national-nutrient-database-standard-reference-legacy-release
- ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
- ^ 『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
- ^ a b c d e f 国立医薬品食品衛生研究所安全情報部発行「食品安全情報」の米国食品医薬品局(FDA)によるフィトヘマグルチニン(インゲンレクチン)についての情報(060525)より
- 1 インゲンマメとは
- 2 インゲンマメの概要
- 3 産地
- 4 利用・栄養価
- 5 毒性
- 6 関連項目
”いんげんまめ”と同じ種類の言葉
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