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エプシロン・ノート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/08/22 15:23 UTC 版)
(Ε0 から転送)
ε0(えぷしろん・のーと (Epsilon nought)、または、えぷしろん・ぜろ (Epsilon zero))は、数学における超限順序数の一つ。ω(最小の超限順序数)から有限回の加算・乗算・冪乗では到達できない最小の超限順序数として定義される。従って極限順序数でもある。
カントールの標準形で表すと次の通り。
ただしこれは十分な定義ではない。α = ωα であるような γ 番目(0から数え始める)の順序数 α を εγ と書き、これらをエプシロン数と呼ぶ。この中で最小のものが ε0 である。
ε0 はまだ可算である(順序数は非可算個ある)。この順序数は帰納法を用いた様々な証明で非常に重要な役割を果たす。何故なら多くの場合、超限帰納法は ε0まで実行すれば十分だからである(例としてペアノ算術の無矛盾性に関するゲンツェンの証明やグッドスタインの定理の証明などがある)。これがゲンツェンの証明において用いられたこととゲーデルの第二不完全性定理から、ペアノ算術ではこの順序の整礎性を証明できないことが判る(事実、ε0はこのような性質を持つ最小の順序数である。このことから、証明論におけるordinal analysisではペアノ算術の体系の強さを測る尺度として利用されている)。
ドイツの数学者カントールによって考案された。
関連項目
外部リンク
- "A Century of Controversy over the Foundations of Mathematics" —1999年4月30日、Lowell のマサチューセッツ大学におけるグレゴリー・チャイティンによる講演
誘電率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/06/30 15:27 UTC 版)
(Ε0 から転送)
| 誘電率 permittivity |
|
|---|---|
| 量記号 | ε |
| 次元 | M −1 L −3 T 4 I 2 |
| 種類 | スカラー (等方的な物質) |
| SI単位 | F/m |
誘電率(ゆうでんりつ、permittivity)は物質内で電荷とそれによって与えられる力との関係を示す係数である。電媒定数ともいう。各物質は固有の誘電率をもち、この値は外部から電場を与えたとき物質中の原子(あるいは分子)がどのように応答するか(誘電分極の仕方)によって定まる。
ところで、真空中での電荷密度 ρ とそれによって与えられる電場 E との関係は次のマクスウェル=ガウスの式
で定義される。ここで係数 ε0 は真空の誘電率とよばれ、値は ε0 = 8.85418782×10−12 F/m である。この単位は N/V2 とも表せ、透磁率の単位 H/m = N/A2 と、電気と磁気について対称となっている(次元も対称である)。
なお、真空の誘電率 ε0 というと、真空も誘電体であるかのような錯覚をしがちだが、ε0 はMKSA単位系のつじつまを合わせるために必要な人工的な値であって、CGSガウス単位系などでは必要とされないものである。真空は誘電体ではない。
いま、真空に置かれた 電荷 Q が作る電場を E0 とする。次に Q の周囲を誘電体(自由電子を持たない物質)で満たすと、誘電体の原子(あるいは分子)のプラス電荷(原子核)とマイナス電荷(電子)は Q の静電力を受け、わずかに移動して偏った状態でバランスする(これを誘電分極とよぶ)。この誘電体のすべての原子核と電子を点電荷と考えて q1, q2, ..., qn と書くと、誘電体が作る電場 E ' は、これらの電荷が真空で作る電場の重ね合わせだから
となる。ここで qj から電場 E ' までのベクトルを
とするとき、
はその長さ、
はその単位ベクトルである。 誘電体の中の電場 E は E0 と E ' の重ね合わせになるから
と表される。さて、誘電率 ε を
と定義すると、誘電体の中では真空に比べ電場が ε0 /ε 倍となっている。電場があまり大きくない限り、誘電率は等方的な物質では定数(スカラー)であり、異方的な物質ではテンソルになる。電場 E0 と E ' の方向は、等方的な物質では正反対になるが、異方的な物質では必ずしもそうはならない。しかし、どちらにしても E ' は E0 を弱める方向に働くため、誘電体の中の電場は真空に比べると小さくなる。
そこで、真空の誘電率 ε0 の代わりに誘電率 ε を導入し、 D = εE と定義される電束密度 D を使えば、誘電体の中の自由電荷分布 ρ を源泉とするマクスウェル=ガウスの式は
と表すことができる。ただし、一般に ∇×D = 0 ではないため、この式だけで ρ から D を定めることはできない(定めるためには誘電体の表面での境界条件が必要になる)。これとは対照的に一般的な条件での静電場 E は、定数電場を除いて、ρ から一義的に定めることができる。
誘電関数
電場がある程度以上の速さで変化する場合、誘電率は定数にはならず、電場の振動数 ω の関数である誘電関数 ε(ω) として記述される。誘電関数には電気伝導やバンド間遷移による損失が発生するため、一般に以下のような複素関数となる。
このうち実数部 ε1(ω) は電場の振動との位相差および分極の大きさを与える。なお、ω=0 のときの実数部 ε1 は上述した誘電率 ε にほかならない。また、虚数部 ε2(ω) は電気伝導やバンド間遷移による誘電損失を与えている。
ある物質の誘電関数を調べることで、その物質の電子物性、光物性に関する多くの情報を得ることができる。光吸収スペクトルの測定から、虚数部 ε2 を得ることができる。これにクラマース・クローニッヒの関係式 (Kramers-Kronig relations) を用いることで、実数部 ε1 を得ることができる。また、電子エネルギー損失分光 (EELS) の測定結果は ε2/(ε12 + ε22)(損失関数)を与える。








