FXのナンピンとは |
FX(外国為替証拠金取引)のナンピンとは、為替レートが予想した方向へ値動きしなかった場合に、再度、同じポジションを所有することです。
▼買いポジションのナンピン
例えば、USD/JPYの買いポジションを78.50円で1万通貨所有しているとします。その後、77.80円まで下降(円高)すると、評価損は次の計算式で求めることができます。
(77.80-78.50)×10,000=-7,000
評価損は7,000円になります。この時点で1万通貨を買い増しすると評価損は変わりませんが、平均の買いコストが変わります。平均の買いコストは、次の計算式で求めることができます。
(78.50+77.80)÷2=78.15円
平均の買いコストは78.15円になります。平均の買いコストが78.15円ということは、78.15円になれば評価損が消えるということです。もし、ナンピンをしていなければ、78.50円まで戻らなければ評価損が消えません。
一方、ナンピンした後にさらに値下がりするとどうなるでしょうか。例えば、77.50円まで値下がりしたとします。
この時点での評価損は次の計算式で求めることができます。
(77.50-78.15)×20,000=-13,000円
評価損は13,000円になります。しかし、ナンピンをしていなければ評価損は
(77.50-78.50)×10,000=-10,000円
になり、10,000円で済みます。
▼売りポジションのナンピン
例えば、USD/JPYの売りポジションを78.50円で1万通貨所有しているとします。その後、79.00円まで上昇(円安)すると、評価損は次の計算式で求めることができます。
(78.50-79.00)×10,000=-5,000
評価損は5,000円になります。この時点で1万通貨を売り増しすると評価損は変わりませんが、平均の売りコストが変わります。平均の売りコストは、次の計算式で求めることができます。
(78.50+79.00)÷2=78.75円
平均の売りコストは78.75円になります。平均の売りコストが78.75円ということは、78.75円になれば評価損が消えるということです。もし、ナンピンをしていなければ、78.50円まで戻らなければ評価損が消えません。
一方、ナンピンした後にさらに値上がりするとどうなるでしょうか。例えば、79.50円まで値上がりしたとします。
この時点での評価損は次の計算式で求めることができます。
(78.75-79.50)×20,000=-15,000円
評価損は15,000円になります。しかし、ナンピンをしていなければ評価損は
(78.50-79.50)×10,000=-10,000円
になり、10,000円で済みます。
ナンピンのメリットは、平均コストを現在の為替レートに近づけることができるという点です。
しかし、予想が当たれば評価損が比較的早く解消できますが、予想が外れれば評価損が大きくなるというデメリットがあります。また、ナンピンの際にはその分の証拠金が必要になります。所有しているポジションが大きくなれば証拠金率の減る幅も大きくなるため注意が必要です。
▼買いポジションのナンピン
例えば、USD/JPYの買いポジションを78.50円で1万通貨所有しているとします。その後、77.80円まで下降(円高)すると、評価損は次の計算式で求めることができます。
(77.80-78.50)×10,000=-7,000
評価損は7,000円になります。この時点で1万通貨を買い増しすると評価損は変わりませんが、平均の買いコストが変わります。平均の買いコストは、次の計算式で求めることができます。
(78.50+77.80)÷2=78.15円
平均の買いコストは78.15円になります。平均の買いコストが78.15円ということは、78.15円になれば評価損が消えるということです。もし、ナンピンをしていなければ、78.50円まで戻らなければ評価損が消えません。
一方、ナンピンした後にさらに値下がりするとどうなるでしょうか。例えば、77.50円まで値下がりしたとします。
この時点での評価損は次の計算式で求めることができます。
(77.50-78.15)×20,000=-13,000円
評価損は13,000円になります。しかし、ナンピンをしていなければ評価損は
(77.50-78.50)×10,000=-10,000円
になり、10,000円で済みます。
▼売りポジションのナンピン
例えば、USD/JPYの売りポジションを78.50円で1万通貨所有しているとします。その後、79.00円まで上昇(円安)すると、評価損は次の計算式で求めることができます。
(78.50-79.00)×10,000=-5,000
評価損は5,000円になります。この時点で1万通貨を売り増しすると評価損は変わりませんが、平均の売りコストが変わります。平均の売りコストは、次の計算式で求めることができます。
(78.50+79.00)÷2=78.75円
平均の売りコストは78.75円になります。平均の売りコストが78.75円ということは、78.75円になれば評価損が消えるということです。もし、ナンピンをしていなければ、78.50円まで戻らなければ評価損が消えません。
一方、ナンピンした後にさらに値上がりするとどうなるでしょうか。例えば、79.50円まで値上がりしたとします。
この時点での評価損は次の計算式で求めることができます。
(78.75-79.50)×20,000=-15,000円
評価損は15,000円になります。しかし、ナンピンをしていなければ評価損は
(78.50-79.50)×10,000=-10,000円
になり、10,000円で済みます。
ナンピンのメリットは、平均コストを現在の為替レートに近づけることができるという点です。
しかし、予想が当たれば評価損が比較的早く解消できますが、予想が外れれば評価損が大きくなるというデメリットがあります。また、ナンピンの際にはその分の証拠金が必要になります。所有しているポジションが大きくなれば証拠金率の減る幅も大きくなるため注意が必要です。
(2012年05月15日更新)