「鴨居」を含む用例
・佐藤垢石 鯛と赤蛸 (青空文庫)
して蛸の足の餌に食いつくかどうか疑問であるし、三浦半島の鴨居あたりの鯛釣り漁師に問うてみても、かつて蛸の足を餌に用いたことがないというから、私はかつて蛸の足を鯛釣りの餌に用いなかった。 しかし、いつかこれを使ってみたいとは思っていた。とこ...
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・佐藤垢石 東京湾怪物譚 (青空文庫)
な漁師もゐるものだ。浦賀港から東へ約一里ばかり行つた 鴨居 ( かもい ) といふ漁村に、丸茂英太郎君といふ四十二三歳の漁師がゐるがこの人が二三年前素晴らしい大物を捕つた。 英太郎君が大鯛釣をやつてゐると、鱶が...
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・芥川龍之介 仙人 (青空文庫)
て彼の借りてゐた家には二階の戸棚の中は 勿論 ( もちろん ) 、柱や 鴨居 ( かもゐ ) に打つた釘にも瓢箪が幾つもぶら下つてゐた。 三年ばかりたつた 後 ( のち ) 、この「仙人」はO町からH市へ転任することになつた。家具...
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・横光利一 笑われた子 (青空文庫)
まで父親が言うと、今まで心配そうに黙っていた母親は、 「それが好い。あの子は身体が弱いから遠くへやりたくない。」といった。 間もなく吉は下駄屋になった。 吉の作った仮面は、その後、彼の店の 鴨居 ( かもい ) の上...
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・長谷川時雨 住居 (青空文庫)
のところでなければないといふ、樂しさと親しさで、愛の籠るものだと思つてゐる。 しかしこのごろの小住宅の建てかたは、ゆるみのない、きつちりした、無駄なしの間どりださうだが、さうなると、棚の釣りかたにいろ/\工合が出來て、天井と鴨居...
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・佐藤垢石 小伜の釣り (青空文庫)
の学校へ入ってからも、私は鴨居、野島などへ鯛釣りのお供をさせた。相模川と多摩川の鮒釣りへも、小田急沿岸の野川のはや釣りへも、水郷地方の鮒釣りへも連れて行ってやった。小伜が、都塵を離れ、広濶たる水上に清い大気を吸って、のび...
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・夢野久作 縊死体 (青空文庫)
こうでもしなかったら、俺はキチガイになったかも知れないぞ……と思いながら……。 それから私は、その娘の 扱帯 ( しごき ) を解いて、部屋の 鴨居 ( かもい ) に引っかけて、縊死を遂げたように装わせておいた。そう...
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・岡本かの子 私の書に就ての追憶 (青空文庫)
いつも大きな字を書いてゐた。 兄弟が 無 ( ママ ) かつたので、正月の書初めは母屋の胴の間の鴨居から、品評会のやうに貼り下げられた。私のものは矢張り大きな漢字であつた。習字の先生が年賀に越されて、私の書初めを眺めながら「かう...
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・宮本百合子 狭い一側面 (青空文庫)
百穂氏の絵などが豊富に飾られてあった。別に、鴨居から一幅、南画の山水のちゃんと表装したのがかかっていた。瀧田氏は、ぐるぐる兵児帯を巻きつけた風で、その前に立ち、 「どうです、これはいいでしょう」 と云った。筆の細かい、気品のある、穏雅...
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・寺田寅彦 森の絵 (青空文庫)
蠅のような小さい虫が小春の日光を浴びて垣根の日陰を斜めに閃く。眩しくなった眼を室内へ移して 鴨居 ( かもい ) を見ると、ここにも初冬の「森の絵」の 額 ( がく ) が薄ら寒く懸っている。 中景の右の方は 樫 ( かし ) か何かの森で、灰色をした 逞...
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・寺田寅彦 根岸庵を訪う記 (青空文庫)
さえ 叶 ( かな ) わぬのであろうか。右脇には句集など取散らして原稿紙に何か書きかけていた様子である。いちばん目に止るのは足の方の 鴨居 ( かもい ) に笠と簑とを吊して笠には「西方十万億土順礼 西子...
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・国枝史郎 正雪の遺書 (青空文庫)
いよ踏み込んで参りました。乱れた跫音が聞こえて参ります。しかし早速にはこの部屋へは入って来ることはなりますまい。鴨居から鴨居へ麻縄を張り渡してあるからでございます。 今生の名残りに壁の 面 ( おもて ) へ辞...
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・芥川龍之介 死後 (青空文庫)
じゃ死んだって死に切れるものか。」 僕はじっとしてはいられない気になり、あとも見ずに書斎へはいって行った。すると書斎の 鴨居 ( かもい ) の上に 鳶口 ( とびぐち ) が 一梃 ( いっちょう ) かかっていた。鳶口は 柄 ( え...
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・佐藤垢石 水の遍路 (青空文庫)
都会人を満足させるだけに発達していない。舟宿と船頭に、いろいろの研究を乞うてやまない。それに引きかえ、三浦半島の海釣りはよく発達している。野島、走水、横須賀、鴨居、久里浜、三崎港と、鯛や鱸釣りをはじめとして、船頭...
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・長塚節 我が庭 (青空文庫)
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・菊池寛 仇討禁止令 (青空文庫)
が斬り込んだが、老人はさっと身を 屈 ( こご ) めて、低い鴨居のある違い棚の方へ身を引いた。勢い込んで斬りつけた吉川の長刀が、その鴨居に斬り込んだので、あわてながら刀を抜こうとする隙を、老人は身を躍らして、吉川...
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・宮本百合子 二つの庭 (青空文庫)
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・佐左木俊郎 錯覚の拷問室 (青空文庫)
下宿の一室にほとんど幽閉された形で一週間を送った。その間を房枝はろくろく食物も摂らなければ、一言の言葉も口に出さなかった。 そして、房枝は一週間目に、鈴木女教員が学校へ出ていったあとで、その下宿の二階の 鴨居 ( かもい ) に自...
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・黒岩涙香 無惨 (青空文庫)
や ) の羽織は脱ぎて鴨居の帽子掛に釣しあり無論官吏とは見えねど商人とも受取り難し、今一人は年廿五六小作りにして 如才 ( じょさい ) なき顔附なり白き棒縞の単物 金巾 ( かなきん ) のヘコ帯、 何...
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・佐藤垢石 海豚と河豚 (青空文庫)
湾内の三浦半島の野島と房総半島の木更津と、第二海堡を繋ぐ線の上に一之瀬、二之瀬、三之瀬という釣り場がある。これを総称して中之瀬と呼ぶが、ここには素敵に河豚が沢山いて種類も多く味もいい。それから三浦半島の鴨居沖、三崎の湾口。房総半島では、大貫、湊...
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・寺田寅彦 芝刈り (青空文庫)
はすぐに数えつくされるくらいの品物—— 鍬 ( くわ ) や 鎌 ( かま ) 、 鋏 ( はさみ ) や 庖丁 ( ほうちょう ) などが板の間の上に並べてあった。私の求める 鋏 ( はさみ ) はただ二つ、長いのと短いのと 鴨居...
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・豊島与志雄 生と死との記録 (青空文庫)
着物を着更えると必ず外出するものと思っているらしかった。そして鴨居の釘に懸っている自分の外出着の ちゃんちゃん を指した。外に出る時はいつもそれを着るのだった。病室にもその ちゃんちゃん を懸けて置いてやろうと私は思った。——私の...
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・豊島与志雄 都会の幽気 (青空文庫)
心に疲れた弛みが出来ると、しきりに右手の斜め上の方が気になり出した。其処に何やらぼんやりしたものがぶら下っている。宙に浮いてだらりと下っている。ふと顔を挙げて見ると、其処には何にもなくて、障子の上の鴨居よりは一尺ばかり高く、床の...
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・豊島与志雄 浅間噴火口 (青空文庫)
えてるタカと手を取りあい寄りそって、そっと覗きにゆくと、果して、窓の上の鴨居からぶらりと下っていた。足がないし、頭がないし、よく見ると、泥まみれの李の外套だった。それでも気味がわるく、二人は正枝を起しにいった。 正枝...
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・ちるちる・みちる (青空文庫)
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・佐藤垢石 鯛釣り素人咄 (青空文庫)
川も釣りものの種類が少ないときだ。鯛釣りに志すほどの人は、一度この釣りを試してみるのも面白いと思う。 全国至るところ春、夏、秋にかけてその鯛釣り場は随分多いけれど、寒鯛釣り場は数が少ない。関東では東京湾口の鴨居、房総半島の船形、外房...
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・寺田寅彦 ラジオ雑感 (青空文庫)
からまた元の百貨店へ持って行くと、やがて、完全になったと云って返して来る。やってみると、あいかわらずちっとも聞こえない。 この事柄の理由は明白である。元の機械は相当感度がよかったために、アンテナはわずかに二メートルくらいの線を 鴨居...
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・小酒井不木 鼻に基く殺人 (青空文庫)
苦茶に放り出してあった。「大へんなオアシスだこと!」こう呟いて由紀子は吹き出したくなった。 鴨居 ( かもい ) の上には二段にして、くるりと四方へ、種々雑多な煙草の空箱が積みならべてあった。突き...
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・青年 (青空文庫)
チの箱のような擬西洋造(まがいせいようづくり)である。入口(いりくち)の鴨居(かもい)の上に、木札が沢山並べて嵌(は)めてある。それに下宿人の姓名が書いてある。 純一は立ち留まって名前を読んで見た。自分の捜す大石狷太郎(けん...
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・島木健作 ジガ蜂 (青空文庫)
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